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新大東亜戦争  作者: 零戦
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第五十一話 敵艦艇捕獲と……え?何この状況?



「……将斗……早く起きてくれ……」


空母瑞鶴の医務室で眠っている将斗に瑞鶴が呟く。


瑞鶴が将斗の右手をギュゥっと握る。


「………」


医務室の外で翡翠や昴、長門達がいた。


「……翡翠と昴。瑞鶴一人だけでいいのか?」


長門が二人に問う。


二人は平然と答える。


「いいんや。瑞鶴とまーくんはフラグ立たせへんとな」


「そうそう」


二人が頷く。


「いいのか?三股……いやかなりの人数にもなるが」


頭に包帯を巻いた三笠が翡翠に尋ねる。


「別にいいよ。未来でもそうだったし」


『そういえばそう言ってたな』


何故か皆さんハモる。


「まっ。今はまーくんが目覚めるのを待ちますか」


翡翠は立ち上がり、ん〜と背伸びをする。


「昴〜。あったかい珈琲入れてーや」


翡翠が昴に甘える。


「またかよ翡翠姉?まぁいいけど……」


「翡翠副隊長の珈琲美味いもんな〜」


「うむ、確かに」


琥珀は褒めて香恵が頷く。


「褒めても何も出ぇへんで」


ふんとそっぽを向く昴だが、まんざら嬉しいのか少し頬が朱い。


「んじゃ俺も飲ませてくれ」


榛名が挙手をすると他の奴らも次々と挙手をする。


「あ〜、分かった分かった。作ってやるよ。……あ〜あ、ほんまやったら将斗に珈琲やなくて俺の胸から出る液体を飲ませてやりたかったが……」


昴の言葉に翡翠達はピシッと固まる。(笑)


「…す…昴…?今…なんて?てゆーかあんた出るの?」


翡翠の質問に昴は。


「ん?どうかしたのか翡翠姉?」


はぐらかした。


近衛昴……たまにエロ発言をする少女である。(笑)


一方、将斗はというと。


―――将斗の部屋―――


「う〜ん……ここは?」


将斗がゆっくりと眼を覚ました。


「ま、将斗ッ!!」


うとうと眠りかけていた瑞鶴は目覚めた将斗を見て一気に眠気が吹き飛び、将斗に抱きつく。


「うわッ!!ず、瑞鶴ッ?」


いきなりの出来事に顔が真っ赤である。


「よかった…よかった…将斗…」


涙を流して喜ぶ瑞鶴。


将斗はというと。


「……(瑞鶴…胸でかいな…EかGやな…あかん鼻血出そうや)」


おいッ!!何をしてんねやッ!!(-.-;)


将斗が顔を真っ赤にしているのを見て瑞鶴は我に帰る。


「す、すまん。取り乱した」


「い、いや大丈夫や(もうちょっとしたかった)」


「何か言ったか?」


少し怒っている瑞鶴に問いに少し焦る将斗。


「な、何でもないわ」


「それじゃあ、翡翠達を呼んでくるぞ」


瑞鶴が踵を返して部屋を出ようとするが将斗に捕まる。


「まだええわ。先に瑞鶴に渡すもんがある」


将斗が懐から取り出したのは出撃の時に瑞鶴から受け取った青いマフラーだった。


「こいつのおかげで俺は生きて帰ってこれたと思うで」


将斗がマフラーを瑞鶴に渡す。所々に血が付いていた。


「すまん。空戦の時に怪我してたんや。悪い」


「いや、別に構わん。将斗が帰って来ただけでもいい」


瑞鶴が頬を真っ赤にして顔を背ける。


「ハハッ。ありがとな瑞鶴」


将斗は苦笑すると瑞鶴の頭を撫でた。


「ムムム………」


瑞鶴から湯気が上がったのは多分気のせいだと思う。


「…それでは今度こそ呼んでくるぞ」


瑞鶴が立ち上がった時、瑞鶴の艦体が揺れた。


「うわッ!!」


瑞鶴はヨロリと揺れ、将斗の方向に倒れた。


チュッ!!


奇跡かはたまたは神の悪戯なのか、瑞鶴の唇と将斗の唇がくっついた。


よーするにキスである。


……なんかむかついてきたが話しを戻す。


二人は固まったかのように動かない。


てゆーか放心状態である。五分くらいたってようやく瑞鶴の頭が機能し始める。


「………(えっと…これって…せ…接吻だよな?…そうか接吻か…接吻だとッ!!)」


さっきから顔が真っ赤だったのにさらに茹でタコのように真っ赤になってしまった。


「………」


無言だが将斗も顔が真っ赤である。


「(やばいな。うん、ほんとにやばい。は、離れよう。全速で退避だ)」


瑞鶴がバッと離れた。


「「………」」


両者とも無言である。


そこへ救いの手なのか翡翠と昴が入って来た。


「あッ!!まーくん起きたんやッ!!」


「あ、あぁ」


「全く、心配したぞ将斗」


「すまん昴」


将斗が二人に謝ると翡翠ニヤニヤしながらが瑞鶴に近寄る。


「んで瑞鶴。将斗の唇はどうやった?」


「んなッ!!」


瑞鶴は顔がカァァと朱くなるのを感じた。


「翡翠ッ!!」


「アッハッハッ!!」


瑞鶴が翡翠に物を投げ、翡翠が逃げる。


「み、見てたなッ!!」


「監視用として雪風を置いといてよかったわ。雪風が鼻血たらしながら転移してくるからびびったで」


雪風は真っ赤にして扉の後ろに隠れている。


「将斗の具合も軍医の話しやと二、三日安静にしとけば大丈夫やと言っているからな」


昴が将斗に報告する。


「そうか。なら休ませてもらうか」


ふぅと将斗がため息をつく。


「あっ、それと…これ」


翡翠から渡されたのは何枚かの紙だった。


「……今度の戦いで損傷した艦及び戦没艦の一覧と捕獲した艦や」


戦没艦と言う言葉に部屋にいた者は黙ってしまう。




戦没戦艦周防。


軽巡鬼怒、木曽、龍田。


駆逐艦山風、満潮、江風、朧、浦風、浦波。


大破戦艦安芸、薩摩、香取、扶桑。


重巡衣笠、那智、愛宕、筑摩。


軽巡夕張、阿武隈、五十鈴、北上。


駆逐艦十一隻。


「一応中破や小破の艦は報告書にはない。大破と戦没の艦だけや」


昴が付け足す。


「戦没艦以外と少ないな」


将斗が眼を丸くする。


「奴ら、小物には用はなかったみたいやで。やから大物の戦艦は全て中破以上の損傷してるからな」


翡翠がまた付け足す。


将斗は再び報告書に眼を向ける。



―――捕獲艦艇―――


米戦艦は沈没艦はノースカロライナとインディアナの二隻だけであとは全て大破又は中破の状態である。


英戦艦は大破がキング・ジョージ五世とネルソンとレナウンの三隻。


独戦艦は全て中破。逃げ足は天下一品である。(笑)


伊戦艦はカイオ・ジュリオ・チェザーレが酸素魚雷六本を喰らい轟沈。


あとは大破又は中破である。


また、後方に退避していた連合軍艦隊の空母部隊も捕獲されていた。


艦隊決戦の時、大和以下の戦艦部隊と分かれた空母部隊はそのまま敵空母部隊を探して南下し、たまたま偵察機が敵空母部隊を発見。


これを護衛していた松島以下の艦艇を派遣。


砲撃戦により敵駆逐艦が四隻が沈没し、不利を悟った空母部隊の艦長は次々と降伏の意味である白旗を掲げた。



「……具申した人は山口長官か。やるなぁ」


将斗が苦笑する。


「私も聞いた時はびっくりしたがな」


将斗の苦笑に釣られて瑞鶴も笑う。


「それじゃあ、まーくん行こうか」


翡翠がグイッと将斗をベッドから引き離す。


「え?行くってどこにや翡翠?」


「ん?どこって捕獲した敵艦艇の宴会やん」


「いや…あの…俺一応怪我人やし」


将斗が必死の言い訳を開始。


「あれ〜?そんな事言っていいんかな〜?」


途端にかなりニヤニヤする翡翠。その顔に将斗は少し引き攣らせる。


「瑞鶴とキスしたって榛名や香恵ちゃん達に言っていいんかな〜?」


「………(こいつは悪魔や)」


将斗は翡翠から悪魔のしっぽが生えてるのを多分見えた。


反論しようしにも瑞鶴は真っ赤だし、昴は諦めたほうがいいとゼスチャーをしてる。


「別に来たくなかったらいいよ〜。そんときは将斗と瑞鶴のキスシーンの写メぶちまけるから♪」


ふと、扉の近くにいる雪風を見ると右手にデジカメがあった。


「(何でデジカメがあんねんッ!!)」


将斗が心の中で思いっきり突っ込んだ。


そして観念したかのようにため息をついた。


「分かった分かった。行くわ」


将斗はベッドから下りると士官服を着た。


「さて行くか……」


「将斗。酒はほどほどにな」


瑞鶴が釘を指す。


「うッ……分かってるわ」


少し残念そうな将斗である。


「それじゃあ行きますか」


五人は部屋を出て宴会場である大和の第三会議室に転移した。


御意見や御感想等お待ちしていますm(__)m

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