表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新大東亜戦争  作者: 零戦
47/131

第三十八話 カムチャッカ半島を攻略セヨ



畝傍発見から三日後、近藤信竹中将率いる第二艦隊と細萱中将率いる第五艦隊が上陸部隊を率いてカムチャッカ半島を占領するべく千島列島を北上していた。




―――戦艦鞍馬艦橋―――


「第五艦隊はいるか?」


「はい、右舷距離四千にいます」


見張り員の報告に第二艦隊司令長官の近藤信竹中将は安堵の息を吐く。こうも濃霧が強いと胃が痛みそうだ。無理もない。二十分前に軽巡天龍と同じ軽巡の由良が衝突したのだ。幸い、沈没の危機はなく速度が幾分か落ちたため艦隊の速度も落とすしかなかった。


「近藤。コーヒーだ」


鞍馬がコーヒーを持ってきた。


「お、ありがとう鞍馬。助かるわ」


ちなみに近藤信竹は作者と同じ大阪出身である。(事実です)


「今回の作戦はちときついな〜」


コーヒーを飲む近藤が呟く。


「今の所はソ連軍との戦いではなく濃霧との戦いだな」


鞍馬が苦笑する。


「ま、航空機が出てこんのがいいけどな」


「北はあまり航空機は活躍できないからな」


史実でも濃霧や雪のために航空機はあまり活躍できなかった。


「航空機が出てこんのはええけど問題は艦の衝突や」


「……やはりな」


近藤が頭をかく。


「第二艦隊は天龍と由良だけやけど、細萱のとこは駆逐艦が四回程衝突しとる。海上護衛隊もや」


とその時。


ガリガリガリガリッ!!


「どないした?」


参謀が報告にきた。


「駆逐艦羽風と旗風が衝突しましたッ!!」


「被害は?」


「二隻とも小破。沈没の危険はありません」


「そうか。ご苦労や」


参謀が下がる。


「ペトロパブ何とかまで後何キロや?」


近藤が鞍馬に尋ねる。


「ペトロパブロフスク=カムチャツキーだ。いい加減覚えろ」


「長いわ。もうペトロカムでええわ」


「はぁ……。後、二百キロだ」


「もうちょいやな。……おーい参謀ッ!!。海上護衛隊のオゼル何とかの攻略はどうなった?」


「オゼルノフスキーだ」


横から鞍馬が突っ込む。


「はい、先程艦砲射撃を行い、現在は上陸部隊が敵守備隊と交戦中です」


「そうか。ほんならちゃっちゃと攻略するか。参謀、全艦に発光信号。速度を巡航から二十五ノットに上げろ。総員戦闘配置やッ!!」


「了解ッ!!」


参謀が敬礼して近藤の命令を伝えるため下がる。


「……やっと本気になったか」


「はよ終わらしてな○は見たいからな」


「………」


近藤信竹、連合艦隊将校の中でナンバー3に入るオタクである。ちなみにナンバー1は宇垣、ナンバー2は南雲である。


「……早く司令長官が代わってほしい」


考えとくよ。一方、第五艦隊はというと。




―――第五艦隊戦艦河内艦橋―――


「胃が痛い……」


艦橋で司令長官の細萱中将が胃の辺りを押さえている。


「薬持ってきましたけど……」


「ん、ありがとう。…ん…ん…ん…ぷはぁ」


河内から薬と水を貰い、飲む。


細萱が悩む原因はやはり衝突である。現在まで駆逐艦が四回も衝突している。一隻は損傷が酷いため稚内へと帰投した。稚内には修理施設があるからである。


「オクチャブリスキーまで後何キロだ?」


細萱が河内に聞く。


「後、二百キロです」


「うむ、おい参謀。全艦に発光信号。総員戦闘配置と見張りを増やせ」


「了解ッ!!」


参謀が下がる。


「……何で見張りを?」


「胃が痛むからな。それにあまり傷つけさせたくはないからな」


「……ありがとうございます」


「俺は何もしてないよ」


「おー、お熱いなー」


細萱が振り返ると河内の妹の摂津がいた。


「姉ちゃん、昼間から熱いぞ」


「う、うるさいよ摂津」


河内が顔を赤らめる。


「元気だなぁお前ら」


細萱が呟く。そして両艦隊は攻略地の沖合二十五キロまで接近した。




―――戦艦鞍馬防空指揮所―――


「あぁ、さみぃな」


「じゃあ来るなよ」


防寒服を着て凍える近藤に突っ込む鞍馬。


「鞍馬。いつでも主砲は撃てるわよ」


石見が防空指揮所に現れた。


「石見さん、報告ご苦労様です」


「いやなに当然の事をしたまでよ」


石見は元ソ連戦艦である。バルチック艦隊の一員で日本海海戦で捕獲されたのである。


「ありがとう石見。…目標、海岸の対艦砲台ッ!!主砲撃ち方始めッ!!」


近藤が伝声管で砲術長に怒鳴る。


「了解ッ!!撃ぇーーーッ!!」


ズドオォォォーーンッ!!


ズドオォォォーーンッ!!


ズドオォォォーーンッ!!


三隻の戦艦の主砲が火を噴き、砲弾が海岸の対艦砲台に注がれた。


ズカアァァーーンッ!!


ズカアァァーーンッ!!


ズカアァァーーンッ!!


「対艦砲台は全滅ッ!!」


鞍馬が双眼鏡で戦況を伝える。


「砲術長。次の目標は敵防衛施設だッ!!」


「了解ッ!!目標、敵防衛施設ッ!!撃てーーーッ!!」


ズドオォォォーーンッ!!


再び、鞍馬の主砲が唸る。重巡や軽巡も主砲の射程距離に入ったようで次々と主砲を撃ち込む。


その間を、輸送船が航行している。護衛の駆逐艦を付き添っている。


「陸軍はどないしてる?」


双眼鏡を覗いている鞍馬に近藤が尋ねる。


「……今、輸送船が上陸用舟艇を出した」


「よし、砲術長。砲撃一旦中止」


「了解ッ!!砲撃一旦中止」


砲術長が了承する。


「さーて、さみぃから長官室に帰るか。おい鞍馬、将棋しよか?」


近藤が鞍馬に問う。


「ふむ。後は大丈夫だろう。今日も私が勝つぞ」


「阿呆か。今日こそ勝つわ」


そういうながら二人が防空指揮所を下りる。


「何気にお似合いよね」


一人取り残された石見が呟く。


「私も帰ろ。あー、早く信一に会いたいなー」


石見はそう言うと防空指揮所から消えた。


陸軍部隊の兵士達は寒い寒いと言いながらペトロパブロフスク=カムチャツキーを上陸から六時間後に占領した。


一方、第五艦隊はというと。




―――戦艦河内防空指揮所―――


「戦況はどうだ?」


防空指揮所で細萱が伝声管で参謀に聞く。


「既にオクチャブリスキー全体の七割を占領しています。残りも時間の問題です」


「そうか、わかった。河内、長官室で酒でも飲むか?」


「いいですね」


「それじゃああたしも行こうっと」


摂津が嬉しそうにはしゃぐ。


「別に、いいが。お前酒強いからな。後、椎名君関係でうるさいし」


細萱が苦笑して三人が防空指揮所を下りる。



オクチャブリスキーも陸軍兵士達が寒さに耐えながら七時間後に占領した。




何気にほのぼのっぽくなってしまいましたf^_^; 御意見や御感想等お待ちしていますm(__)m

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ