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新大東亜戦争  作者: 零戦
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第三十七話 遂に発見ッ!!南シナ海に消えた幻の巡洋艦

瑞鶴「おい、作者。よくこれ書く気なったな」 作者「たまたま帝國海軍艦艇ガイドの本見てたら幻の巡洋艦載ってたからその瞬間にピキンと今回の話しを書こうと頭に浮かんだんや」 瑞鶴「知らん奴多いだろ?」 作者「分からんで〜。それでは御覧下さい」




―――南シナ海―――


高速タンカー十二隻、高速貨物船十二隻を木村昌福少将率いる海上護衛隊第一護衛隊は日本に向かって航行していた。


陣容は重巡出雲、磐手、八雲、吾妻。(装甲巡洋艦から格上げ)


軽巡千代田、須磨、明石、対馬。(同じく格上げ)


護衛駆逐艦二十四。


護衛空母大鷹。


で輸送船団を護衛していた。この世界の輸送船は全て高速化しており最大でも二十六ノット、巡航で十八ノット出す。異変が起こったのは対潜哨戒に出した零式水偵からの電文だった。



―――旗艦出雲艦橋―――


「何?島を発見しただと?」


「はい、そうです」


「おかしいな?確か付近には島はないはずだ」


第一護衛隊司令官木村昌福少将は海図を見て首を傾げる。


今、船団は南沙群島を右に見て航行している。以前から航行しているがこれまで島を発見した報告はない。


「間違って南沙群島の中に入ったか……」


木村少将の隣で出雲が呟く。木村少将は艦魂が見える人間である。


「それだとしたらやばいな。浅瀬等で座礁したら元も子もない」


木村少将は進路変更を航海長に言おうとした時、再び零式水偵から通信が入る。


「司令官。零式水偵より入電。島に船がいるとのことです」


「船?島の住民のだろ?」


木村少将はそう尋ねたが電文を持ってきた通信兵を首を横に振った。


「違います。もっと大きい船だと……そう軍艦みたいな大きさの船がいるとのことです」


「何だとッ!?」


木村は思わず叫んだ。


「どうする木村?」


出雲が尋ねる。木村少将は少し考えると意を決したかのように航海長に指示を与えた。


「航海長、進路そのまま」


木村少将は島に接近することを決意した。


「残りの零式水偵を全部出せ。その艦の情報が欲しい」


一時間半後、船団は謎の島に到着した。


「あの艦か……」


「少し古いな……」


木村と出雲が双眼鏡で艦を見てポツリと呟く。


「司令官。上陸準備出来ました。しかし司令官本当に行く気ですか?」


副官が不満を漏らす。


「当たり前だ。島民がいない場合は艦魂に聞けばいいんだ」


「はぁ…」


木村はそう言うと艦橋を降りる。後ろに出雲を従えてだ。出雲も行く気らしい。


「司令官……。お気をつけて……」


副官は艦橋で敬礼して木村を見送る。


「それでは、行きます」


木村と出雲が内火艇に乗り込むと兵は告げて発進する。


ドッドッドッド。


内火艇が島に向かう。内火艇には、兵が二人に木村、出雲、磐手、八雲、吾妻、千代田、須磨、明石、対馬が乗っている。兵二人は艦魂が見えている。


内火艇が島に着く。


木村達は報告があった軍艦を探す。


「み、皆さんありましたよーーーッ!!」


千代田の声に皆が集まるとそこには軍艦がいた。


「入江の中に軍艦が……」


「今の時間帯はどうやら引き潮か……」


吾妻が驚き、木村が呟く。


「き、木村司令官ッ!!艦尾に日章旗がありますッ!!」


兵の一人、尾崎孝司一等兵が指を注す方向に日章旗があった。


「えー?なんで日章旗があるの?」


「こ…この艦は…ま……まさか……」


須磨が首を傾げるが木村少将は驚愕の表情をしている。その時だった。


「誰だ貴様らは?」


木村達が振り返るとそこには帝國海軍士官の服を美少女がいた。フランス系の少女がいた。よく見るとボンッキュッボンッである。木村はこりゃ負けたなと出雲の胸を見た。(ヲイ)


「私達は日本帝國海軍連合艦隊所属の艦魂だ」


「れ、連合艦隊……」


少女はそう呟くと涙を流した。


『えッ?』


「そうか…。やっと私を見つけてくれたのか……」


「やはり君はこの艦の艦魂なのか?」


木村が少女に尋ねる。


「ああ…。日本に着いた時、貰えるはずだった名前がある……」


「……それは?」


磐手が尋ねる。彼女達は目が輝いている。


「………畝傍……畝傍という名前だ」




―――出雲艦橋―――


「それで、あの時何が起きたんだ?」


「うむ。実は……」


木村達は畝傍を連れて出雲に戻り、畝傍から事故の説明を聞いた。


「シンガポールを出港した私は、南沙群島付近で猛烈な嵐にあった。乗組員達は必死に生きるために頑張った。私は気絶して気がついたらあの島にいた」


「何で気絶していたの?」


吾妻が質問すると畝傍は顔を赤らめる。


「滑って甲板に頭をぶつけたんだ」


クスクスと皆が笑い、さらに畝傍の顔が真っ赤になる。


「コホン。それで、気がついたらあの島にいたんだな?」


木村が咳をし、話題を変える。


「う、うむ。生き残った乗組員は私を何とか入江から出そうとするが戻される。入江の出入口に二つの岩があるだろ?」


「うん、あったよ」


磐手が答える。


「満潮になったらあそこで渦潮が起きるんだ。そのせいで私はこの島から出れなかった。さらにこの島は毎日雲に覆われている。滅多に今日みたいな快晴にはならん。…その内、食料も尽き、一人また一人と乗組員は死んでいった。最後の乗組員が死んだのは遭難して半年後だった」


畝傍の説明が終わり一息つく。木村は少し考えると畝傍を見た。


「……何とか出れないのか?」


「私の馬力では無理だが他の艦達が牽引したら行けると思う」


「どうする気だ木村?」


出雲が木村を見る。


「畝傍を助けるんだよ」


皆が驚愕して木村少将を見る。


「本気か?」


「ああ、こんな所でボンッキュッボンの美少女を見捨てたら男が廃るわ」


「貴様の目的はそれかッ!!」


バキィッ!!


「い、痛ッ!!や、止めんか出雲ッ!!」


「うるさいッ!!今日こそ貴様の精神叩き治してやるッ!!」


ギャーギャーと騒ぎ出す木村と出雲。皆は二人を置いて話しを続けた。


結果、空母大鷹が引き上げる役となった。


「まぁ、なんとかするわ」


あっけらかんと答える大鷹。第一護衛隊の乗組員は一部が島に上陸して畝傍の整備をする。幸い、畝傍は航行の支障に何ともないことが判明した。皆、目が輝いている。無理もない。幻となった巡洋艦が目の前にいたら自然と畝傍を見てしまう。たまに、何人かが怒られている。


「司令官、準備完了しました」


「よし、やってくれ」


「ハッ!!」


満ち潮となり、畝傍が浮く。


「速度十ノットッ!!」


大鷹の艦橋内に号令が響き、速度が上がる。


入江の出入口でうずしおが起きているが大鷹は難無くと通過したが本命は畝傍である。その時。


「………ッ!!」


危うく岩にぶつかりそうだったが事無きに終わった。


「……やった…やっと島から出れた……」


畝傍は感激して涙を流している。


第一護衛隊の乗組員も皆万歳三唱している。


『万歳ぃーッ!!万歳ぃーッ!!万歳ぃーッ!!』


木村少将は畝傍を見て微笑み、副官を呼んだ。


「連合艦隊旗艦大和に打電してくれ。幻の巡洋艦を発見して救助したとな」


「はいッ!!」


副官も涙を流している。


第一護衛隊は畝傍の牽引を大鷹から出雲に切り替えて、呉に向けて出発した。


畝傍は島が見えなくなるまでずっと敬礼していた。


木村少将は島の名前を畝傍島と名付けた。





―――戦艦大和長官室―――


「や、山本長官大変ですーーーッ!!」


荒々しく宇垣参謀長が長官室に入り込んだ。


「どうした宇垣?エ○ァの放送は後、三十分後だぞ?」


「それは大丈夫です。ちゃんと録画しています。って違いますよッ!!」


「じゃあ何だ?」


「海上護衛隊第一護衛隊より入電『我、南沙群島ニテ幻ノ巡洋艦発見セリ。畝傍発見セリ。帝國海軍万歳』ですッ!!」


「何だとーーーッ!!」


ガタンと山本が立ち上がる。


「それは本当か宇垣ッ?!」


「はいッ!!何度も確認しましたが間違いありません。本物の畝傍ですッ!!」


「山本長官ッ!!」


バタンッと将斗達が入る。


「畝傍が見つかって本当ですかッ!?」


「ああ、本当だ。第一護衛隊が見つけたらしい」


「流石木村少将やな」


信一がうんうんと頷く。


「それより急いで準備だッ!!」


松島が怒鳴る。


「何の準備や?」


「畝傍の歓迎会だッ!!者ども私に続けーーーッ!!」


松島が刀を振り上げて消える。


『オーーーッ!!』


それに続いて瑞鶴達が続いた。残ったのは山本長官や宇垣参謀長、将斗達だけである。あまりの艦魂達の速さに昴が呟く。


「気の早い奴らやな」


将斗達は苦笑するしかなかった。



如何でしたか?御意見や御感想等お待ちしていますm(__)m

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