第三話 空母瑞鶴と宴会前編
艦魂人物紹介 長門 外見年齢 20〜25才 髪型ツインテール 連合艦隊旗艦で日本の象徴でもある長門型戦艦。 少し気が強い所がある。 陸奥 外見年齢20〜25才 髪型ポニーテール 長門型戦艦の二番艦のであり同じ長門と日本の象徴であり一番国民が親しんだ戦艦と言われてる。 性格は少し恥ずかしがり屋。
八月八日、一隻の大型空母が柱島泊地へと到着した。その空母は瑞鶴である。その瑞鶴の艦橋の防空指揮所に一人の女性が立っていた。歳は十五から十六ぐらいのショートカットの女の子だった。
「うむ、潮風が気持ちいいな」
うんうんと女の子が頷く。もうお気づきかと思うが彼女は空母瑞鶴の艦魂だ。とそこへ航空機の爆音が聞こえてきた。
「そういえば、零戦が一機遅れてくると言ってたな。まったく、規則ぐらい守ってほしいぞ」
瑞鶴が愚痴をこぼす。零戦は見事な三点着陸をした。思わず瑞鶴が呟く。
「見事な三点着陸だな。なら相当のベテランか」 零戦からは、搭乗員が出て来る。搭乗員はそのまま、艦橋へと来た。
「本日付けで瑞鶴制空隊隊長になりました椎名将斗少佐です」
「あぁ話しは聞いてるよろしく頼むよ」
「はい、お世話になります」
将斗が艦長の横川市平大佐に挨拶をする。
「ふん。制空隊の隊長なのになんで遅れたりするんだよ」
瑞鶴が防空指揮所から艦橋の中に来ていた。だが、将斗は瑞鶴を見てニッコリと笑った。瑞鶴は自分の顔見て笑ったのでびっくりした。
将斗はそのまま艦橋を降りて行った。
「あいつ、私が見えるのか?」
瑞鶴はそう思いながら将斗の後をついていった。
将斗の部屋は他の士官室から少し離れた所にあった。将斗が部屋の中に入ると扉が開けたままだった。運がいいと思いつつ、将斗の部屋を覗こうとした刹那、部屋から腕が出て瑞鶴の腕が捕まり、そのまま中に無理矢理引っ張られた。
「うわぁ」
瑞鶴は部屋のベットにボスっとほうり込まれた。
「いてて…」
瑞鶴が起き上がると横に将斗がいた。
「瑞鶴の艦魂がなんのようだ?」
瑞鶴がベットから降りる。
「決まっている。貴様何故遅れた?」
「………もしかして、それが聞きたいためにここまで付けてたのか?」
瑞鶴がコクリと頷く。
将斗はというと、
「………ククク、ハァッハァッハァッハァッハァッハ。あーあ可笑しい!」
「貴様何が可笑しいんだ!」
瑞鶴が顔を真っ赤にしながら怒る。
「だってよ、遅れたくらいで理由を聞きに来るなんて…クックック」
「だから笑うなと言ってるだろう!」
将斗の笑いもようやく冷めてきたみたいだった。
「わりぃわりぃ。遅れた理由だったな。実は呉海軍航空隊で、俺の零戦がエンジントラブルを起こしてな、さいわい30分程度で直ったんだ。これでいいかな?」
「まぁよかろう。自己紹介がまだだったな、私は翔鶴型空母二番艦瑞鶴。普通に瑞鶴と言ってくれていい」
「俺は椎名将斗少佐だ、制空隊の隊長だよろしくな」(ん、椎名?はてどこかで聞いたと思うんだが…まぁいいか)「こちらこそよろしく」
将斗と瑞鶴が握手する。 瑞鶴の顔がほんのりと朱く染まっていた。
「じゃあまた後で」
「あぁまた後で」
瑞鶴がスキップしながら部屋を出た。
「……なんだあれ?」
瑞鶴の行動を不審に思いながらも扉を閉めると同時に扉が再び開く。
「「隊長!お久しぶりです」」
入ってきたのは二人の飛行士官だった。
「おぉ、近藤!松田!久しぶりだな」
「はい、隊長も空母の配属へ?」
「あぁ、制空隊の隊長だ。お前らは?」
「自分達は、制空隊の副隊長です」
「そうかそうか。心強いぞ」
将斗がふと、腕時計を見た。
「おっと、そろそろ行かないとな」
「隊長どこに行くんすか?」
「あぁ、山本長官が大和に来てくれゆーてるからな」
「へぇ凄いですね。まぁ隊長が未来の人だからこそじゃないですか?」
「それもそうだな」
近藤と松田は将斗が未来から来たことは既に知ってる。理由は将斗が酒飲んで酔っ払って話したからだ。酒飲むなよ…。
将斗は近藤らと別れて、短艇で大和に向かった。
「将斗久しぶりやな」
「信一こそ。どうや首席参謀の身分は?」
「いや〜まだ馴れてないな。少佐で首席参謀だからな」
「けど、それは山本長官がお前の実力を気に入ったからやろ」
「まぁそうやな。とりあえ、俺の部屋で行こか」
「おぉそうやな」
二人が大和の艦内を歩く。
「大和は広すぎから迷子になるで」
「そうやろなぁ。こんだけ広かったらなぁ。………ん?」
急に将斗が辺りを見回す。
「どうしたんや将斗?」
「なんか声が聞こえへんか?」
「なんでやねん。まだ乗組員はあまりは来てないねんぞ」
「けど、声聞こえる。……こっちからだ」
将斗が走りだす。その後ろから信一が追いかける。
「おい、まってや。将斗」
将斗が士官室が並ぶ通路を駆け抜けやがて一番奥の部屋の前で止まる。
「おい将斗そこは誰もおらん倉庫やで」
「阿呆か!よく聞いてみぃや」
信一が耳を澄ますと確かに笑い声が聞こえてくる。
「開けてみるで」
「おう。念のため銃構えとくで」
「よっしゃ、ほんなら開けるで」
ガチャと信一が扉を開ける。将斗が先に入り銃を構える。そして信一が入る。が二人は中の状況をみて呆然とした。
中には確かに人はいた。だが中にいたのは海軍の軍服をきている少女達だった。
少女達は急に入ってきた二人にどうしていいかわからないといった顔している。
将斗が口を開く。
「お前ら誰だ?艦魂か?」
少女達は艦魂かと聞かれオロオロしはじめた。そこへ、二人の女性が人込みから出てきた。
「なんだ貴様らは?」
腰までありそうな長髪で金髪の女性がおもむろに殺気を出して将斗達を睨みながら訪ねる。
「なんやと金髪女ぁ。こっちは先に尋ねてんねん。先こっちの質問に答えろや」
将斗が半ば切れぎみで金髪の女性に殺気を放つ。
「なんだとてめえ!姉貴に向かってなんだその口の聞き方は!」
隣でショートカットの女性が将斗に文句を言う。だが、将斗はそんなの気にしてなく金髪の女性に再び文句を言う。
「もっかいゆうで金髪女。お前らは何もんや?艦魂なんか?」
将斗が質問すると、金髪の女性はゆっくりと口を開く。
「そうだ。私達は連合艦隊の艦魂だ」
「じゃあ、あそこにいる少女達は駆逐艦か?」
「あぁ、その通りだ。よく分かったな」
「当たり前や。水兵の服着てたら駆逐艦の艦魂と思うぞ」
そこへ瑞鶴と長門が将斗達の所へと来た。
「椎名?なんでここに?」
「椎名じゃないか。なんでここにいるんだ?」
「長門と瑞鶴じゃないか。いやな、信一が大和で一杯やろうて誘われてな」
「それなら私達と一緒にしよう。ちょうど大和のお祝いしようとしてた所だから」
「いいのか?人間が艦魂のお祝いに邪魔しても?」
「別にいいぞ」
長門が将斗の質問にオーケーをだして辺りにいる艦魂に大声をだす。
「二人の人間が入ってきたけど一緒にやりましょう。それじゃあ大和、我が連合艦隊にようこそ。そして第一戦隊にようこそ。乾杯〜!」
『乾杯〜』
一斉に艦魂達が飲みだす。
「その…さっきは済まなかったな」
将斗の近くに金髪の女性とショートカットの女性が来た。
「あぁ別にいいよ。気にしてないから」
「自己紹介がまだだったな。私は金剛型戦艦一番艦金剛の艦魂の金剛だ」
「俺は金剛型戦艦三番艦榛名の艦魂の榛名だ」
「瑞鶴制空隊隊長の椎名将斗だよろしく」
将斗が金剛と榛名に笑顔で握手をする。二人の顔が赤く染まっていたのは誰も気付かなかった。
そしてお祝いと称した宴会は盛り上がって行く。
自分が好きな空母は一つつである瑞鶴が出てきました。一応ヒロインは瑞鶴の他にもまだいます。 楽しみにして下さい。 意見や感想等お待ちしてますm(__)m