表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新大東亜戦争  作者: 零戦
33/131

第二十八話 ニューヘブリデス諸島攻略作戦




―――八月下旬ニューヘブリデス諸島沖第一機動艦隊旗艦赤城―――


「塚原長官。第一次攻撃隊発進準備完了です」


「うむ。直ちに発進せよ。思いきり暴れてこいと伝えろ」


「分かりました」


伝令が艦橋から下りていく。


「帽振れぇーッ!!」


手の空いた整備員や、対空火器員達が自分の帽子を腕が契れんばかりにおもいっきり振る。


零戦隊隊長の板谷茂少佐機がいとも簡単に発艦した。板谷機に続いて二番機が発艦していく。



零戦隊が発艦すると赤城艦爆隊隊長の千早大尉機が発艦する。零戦隊は上空で編隊を組み、周囲を警戒する。


艦爆隊が発艦すると淵田中佐率いる艦攻隊が発艦する。艦攻隊はすべて六十キロ爆弾を積んでいる。


一航戦、二航戦の加賀の計三百二十四機は勇ましく攻撃目標のエスピリッツサント島を目指す。攻撃隊隊長はもちろん淵田中佐である。さらに、二航戦の土佐、飛鷹、翔龍から計三百六機がエファテ島を目指す。攻撃隊隊長は土佐飛行隊長の関衛少佐である。






―――空母翔龍防空指揮所―――


「……まさか母国と戦うことになるとわね」


翔龍がため息をつく。


「ま、戦争だし。仕方ないか…」


翔龍はそう言うと空を見上げて攻撃隊を見送った。


その時、赤城の電探室から連絡が入った。


「敵機接近中。偵察機のようです」


通信兵が塚原長官に報告する。


「カタリナだな」


「ええ、そのようです。今、零戦二個小隊が迎撃しています」


塚原の問いに草鹿が答える。塚原達が見守る中、零戦六機がカタリナ飛行艇を攻撃する。


瞬くまにカタリナ飛行艇は火を噴き落ちて行き、カタリナは海面に叩きつけられ爆発四散した。


「発信されたかな?」


「されてなければいいんですが……」


そこへまた通信兵が艦橋に入る。


「敵偵察機より電波が発信されてます。平文ですが『敵空母艦隊発見』と発信しています」


「祥鳳と瑞鳳に発光信号を送れ。全零戦をいつでも発艦出来るようにするんだ。それと他の空母にも発光信号だ。補用の零戦も迎撃に回す」


「了解ッ!!」


草鹿が敬礼し、指示を出す。赤城から発光信号が発せられ、各空母では補用零戦の組み立て作業に入る。


さて、米軍もカタリナ飛行艇が放った電波をキャッチし、攻撃隊が発進した。ワイルドキャット三十六機、ハリケーン同じく三十六機、ドーントレス四十機、B-26二十二機、B-17十六機が塚原艦隊を目指す。


攻撃隊が発進して十分後、淵田中佐率いる攻撃隊がエスピリッツサント島に飛来した。航空基地から迎撃機が発進するが離陸中に板谷茂少佐率いる零戦隊が猛然と迎撃隊に突っ込んできた。


ダダダダダダダッ!!


ドドドドドドドッ!!


グワアァーーンッ!!


グワアァーーンッ!!


十二.七ミリ機銃弾と二十ミリ機銃弾が次々と迎撃隊のワイルドキャットとハリケーンに命中して火を噴いて爆発四散する。


板谷はそのまま一個中隊を率いて滑走路にいるワイルドキャットやハリケーンを銃撃する。


「もらったッ!!」


ダダダダダダダッ!!


ドドドドドドドッ!!


グワアァーーンッ!!


滑走路にいたワイルドキャットが火を噴く。板谷達は上昇すると間髪入れずに艦爆隊が急降下して突入する。





―――艦爆隊隊長千早猛彦大尉機―――


「小川隊は敵陸上部隊を攻撃せよ。残りは全機俺に続けッ!!」


千早は叫ぶと同時に操縦桿を倒して急降下に入った。列機も後を追う。


ダダダダダダダッ!!


零戦隊の機銃掃射のおかげで千早を狙う機銃は少ない。千早が狙ったのは格納庫と格納庫の近くにある対空機銃座だ。


「てぇーーーッ!!」


千早は気合いとともに二百五十キロ爆弾と六十キロ爆弾を投下した。


ヒュウゥーーーンッ!!


ヒュウゥーーーンッ!!


ヒュウゥーーーンッ!!


千早はGの圧力に耐えながら上昇すると後方から爆発音が聞こえて来た。


ドカアァァーーーンッ!!


ドオォーーーンッ!!


ドオォーーーンッ!!


「よーしッ!燃えとる燃えとる」


「やりましたね隊長」


「ああ。さて長居は無用だ。帰るぞ」


千早は列機を従えて帰投した。





―――小川大尉機―――


「目標敵陸上部隊だッ!!」


小川機はあっという間に急降下する。小川が狙ったのは重砲である。


「撃てーーーッ!!」


小川が渾身の気合いとともに二百五十キロ爆弾と六十キロ爆弾を投下した。


ヒュウゥーーーンッ!!


ヒュウゥーーーンッ!!


ヒュウゥーーーンッ!!


グワアァーーンッ!!


グワアァーーンッ!!


グワアァーーンッ!!


重砲は木っ端みじんに四散する。


「よし。全機帰投だ」


小川は翼を翻して帰投した。






―――淵田中佐機―――


「敵部隊はあらかた片付けたな。水木打電や。『第二波必要なし』や」


「了解ッ!!」


水木が急いで打電する。


「後はエファテ島やな。関に任したら大丈夫やろ。松崎帰るで」


「分かりました」


淵田機は列機を従えて帰投した。




―――エファテ島―――



「全機突撃ッ!!」


そう叫んだのは関衛少佐である。


エファテ島に着いたのはほんの五分前。敵戦闘機は上空にいなかった。どうやら第一機動艦隊の攻撃に向かったようであるため関衛少佐以下攻撃隊は充分に高度をとってから突撃を開始した。関は格納庫を狙った。


ヒュウゥーーーンッ!!


グワアァーーンッ!!


格納庫は吹き飛び炎上する。関機は上昇して戦果を確認する。


「ふむ。本当に敵戦闘機はいないのか?」


「ですがここまでしていなかったら第一機動艦隊の攻撃に向かったのではないでしょうか?」


後部座席の三原飛曹長が問う。


「だといいが……」


関はそう呟くと上空を見た。


キランッ!!


「ん?なんだ……」


太陽の所に小さな黒点を見つけた。それはだんだんと大きくなっていく。思わず関は叫んだ。


「全機散開ッ!!敵戦闘機だッ!!」


関は叫ぶと同時に左フットバーを踏み降下する。


ダダダダダダダッ!!


機銃弾が関機の上を通過する。関は機体を立て直すと速度を上げて逃げる。列機達も散らばる。


「糞ッ!!奇襲かよッ!!まだ死ぬわけにはいかねーんだよッ!!」


関は敵戦闘機に狙いを定める。


「落ちろーーーッ!!」


タタタタタタタッ!!


七.七ミリ機銃弾が軽快な音を立ててワイルドキャットを襲う。


ボゥッ!!


機銃弾がエンジンに当たったみたいでエンジンから火が噴いた。



落ちていくワイルドキャットに目もくれず関は辺りを見回すが他の敵戦闘機は皆無だった。どうやら敵戦闘機は少数だけのようだった。


艦爆一機が撃墜されたが落下傘で脱出した様子だった。関は攻撃隊をまとめると帰投した。


攻撃隊が海岸に出ると沖合に巨大な戦艦が二隻いた。


「大和と武蔵か」


関が大和の艦上を見ると乗組員達が帽を振って歓声してる。列機達は歓声に対しバンクを振ったりしてる。


関は大和にさっと敬礼すると第一機動艦隊の方向に機首を向けた。





―――戦艦大和防空指揮所―――


「武蔵ッ!!盛大に砲弾を敵にぶちまけろッ!!」


大和が血走った目で武蔵を見る。武蔵はビクっとする。


「(お姉ちゃん恐いよ〜)」


大和は真珠湾以来の艦砲射撃に興奮してるようである。何故大和達がこんな所にいるのかというと米本土と真珠湾を潜水艦が偵察したらほとんどもぬけの殻だった。山本長官は真珠湾を占領したかったがオーストラリアとニュージーランドを共栄圏に入れたかったのでこっちを優先したのである。


「聞いてるのか武蔵ッ!!」


「は、はいーーッ!!」


もはや武蔵は泣きかけである。


「では自艦に戻ってよし」


武蔵は急いで消えた。武蔵が消えると同時に主砲が旋回する。


ゴゴゴゴゴゴッ!!


「よーしッ!!腕がなるわッ!!」


大和はもはや別人である。それはさておき、既に主砲弾は装填済みである。


「撃てーーーッ!!」


「ぶっ放せーーーッ!!」


高柳艦長と大和が同時に叫ぶ。


ズドオオオオォォォーーーンッ!!


二隻の大和型戦艦から放たれた四十六センチ砲弾は放物線を描きながら海岸の敵防衛陣地に叩きつけた。


「はっはっは。いいぞッ!!撃って撃って撃ちまくれーーーッ!!!」


しばらく大和に近付くのは将斗以外にはいなかった。






―――第一機動艦隊―――


『敵機来襲ッ!!繰り返す敵機来襲ッ!!』


『ウウウゥゥゥ〜〜〜〜〜ッ!!!』


「発動機回せーーッ!!」


零戦搭乗員が腕を回して愛機に駆け寄る。先程、試運転をしてたので発動機はまだあったかい状態だ。一発で始動した。零戦隊は急いで発艦する。六空母から発艦したのは三十六機、祥鳳と瑞鳳から六十機が発艦する。九十六機の零戦は編隊を組み敵攻撃隊を探す。


「敵機発見ッ!!」


突如、一機の零戦が激しくバンクする。バンクした零戦は一目散に敵編隊に襲い掛かる。


「全機突撃ッ!!艦隊に近づけさすなッ!!」


迎撃隊長の納富大尉はハリケーンを狙った。


ダダダダダダダッ!!


グワアァーーンッ!!


ハリケーンが爆発四散する。辺りはあっという間に空戦に突入する。だが零戦隊の迎撃を突破したドーントレスが第一機動艦隊に突撃を開始する。


ドンドンドンドンッ!!


ダダダダダダダッ!!


高角砲と対空機銃がドーントレスを襲う。


ボゥッ……グワアァーーンッ!!


次々とドーントレスが落とされていく中、三機のドーントレスが一瞬の隙をついて空母飛鷹を襲う。




―――空母飛鷹防空指揮所―――


「…………」


飛鷹が弓を構える。他の艦魂は刀とかだが飛鷹は弓を愛用している。


「………砕け散れッ!!」


ビュッ!!


飛鷹が一発目の矢を放つと急いでニ発目の標準を狙う。


ビュッ!!


急いで三発目の標準を狙う。


ビュッ!!


三本の矢は見事にドーントレスが搭載していた爆弾に命中して爆発する。


ドカアァァーーーンッ!!


ドカアァァーーーンッ!!


ドカアァァーーーンッ!!


爆発する三機には目もくれず飛鷹は新たな獲物を求めるが敵は退却をしたようだ。B-17もいたが瞬くまに戦意喪失をして退避したが飛行場が使えないためニューカレドニアに退避した。B-26もいたがあっという間に全滅をくらった。敵戦闘機は何機かは残ってる。もはやニューヘブリデス諸島には航空戦力はほとんど残ってなかった。






ニューヘブリデス諸島が降伏したのは数日後だった。


御意見や感想等お待ちしてますm(__)m

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ