第二話 作戦会議後編
第一話の人物紹介で椎名将斗の出身を書き忘れました。椎名将斗の出身は大阪です。(作者も大阪の高校生です。たまに、関西弁が無意識に小説の中に出ると思いますのでご了承下さい。m(__)m 人物紹介 鞍馬信一(将斗と同い年の二十五才だったが過去に来て将斗と同じ十六才に若返った) 大阪出身。 元々は将斗と一緒に未来で航空自衛隊に所属してたが、あることがきっかけで将斗と一緒に海上自衛隊にも所属することになった。未来では航空自衛隊空将補兼海上自衛隊一等海佐だった。 作戦の立案等を担当していたため他の人からは「参謀」と呼ばれた。
川嶋教授達の話を聞いた将斗と信一は驚きの連続だった。
1921年、ワシントン軍縮会議が始まる二ヶ月前に現れた。軍縮会議で撃沈または解体処分だった、
戦艦肥前、香取、鹿島、生駒、摂津、薩摩、安芸、朝日、敷島、三笠、富士、鞍馬、伊吹、石見、周防の十六隻の戦艦をすべて海防艦へと種類変更をしさらには、日露戦争で戦没した戦艦初瀬、八島も浮揚し、整備してから同じく海防艦へと種類変更した。そして、旧式の巡洋艦や駆逐艦と海防艦へと変更した旧式戦艦等を新たに艦隊編成した。この艦隊は海上護衛隊と名付けられた。
軍縮会議で八八艦隊の夢が無くなり、廃艦へと処分が決まっていた、加賀型戦艦を空母に改造することが決定。天城型巡洋戦艦の天城と赤城も空母への改造が決定。四隻の空母は最初は航空機が六十機しか積んでなかったが、昭和十年から十三年の第一次改装で常用百八機、補用十八機、二段式空母へと改装され対空火器も倍増され、十二、七 センチ連装高角砲十基、二十五ミリ三連装機銃三十基となっていた。速度三十三、五ノット(赤城と天城)三十三、二ノット(加賀と土佐)と改装。
さらには空母龍驤が建造され、史実では一隻だけだったがこの世界では、もう一隻建造された。二番艦の名前は神驤。常用五十七機補用十二機、高角砲六基、二十五ミリ三連装機銃が十八基、速度三十三、六ノットへと改造されてた。
戦艦部隊も改装され、全艦が防御力と武装と速度も改装された。金剛型は主砲四十一センチ五十口径連装砲四基、副砲十二門、十二、七センチ連装高角砲十基、二十五ミリ三連装機銃が三十二基、速度が三十三、七ノットへと改装。基準排水量も三万九千三百トンの戦艦として生まれた。
扶桑型は四十一センチ五十口径連装砲六基、副砲十六門、十二、七センチ連装高角砲十二基、二十五ミリ三連装機銃三十六基、速度三十一、三ノット、基準排水量四万二千二百トンへと改装。
伊勢型主砲四十一センチ五十口径連装砲六基、副砲十六門、十二、七センチ連装高角砲十二基、二十五ミリ三連装機銃三十六基、速度三十一、五ノット、基準排水量四万二千百トンと改装。
長門型主砲四十一センチ五十五口径連装砲四基、副砲十六門、十二、七連装高角砲十二基、二十五ミリ三連装機銃三十六基、速度三十二、五ノット、基準排水量四万八千三百トンへと改装。さらに重巡部隊も改造、主砲が二十、三センチ五十五口径へと改装。軽巡は主砲十五、五センチ五十口径連装砲四基装備されてる。
また、空母のエレベーターも改造した。大型空母の幅は赤城型で三十四メートル加賀型も同じであり、新型のエレベーターの横は三十二メートル、縦二十メートルもあり、九九式艦上爆撃機と、九七式艦上攻撃機は四機ずつ、零戦だと五機上げ下げできる。
一通り話を聞いた将斗と信一はしばらく呆然としてた。
「もうすごいとしかいいようがないな」
「確かにな」
将斗達は何度も頷く。
「それと、海上護衛隊の旧式戦艦も現在改装中だ。戦艦はすべて四十一センチ連装砲を装備するぞ。まぁ旧式の戦艦だから主砲は三基しか積めないけどな」
川嶋教授の言葉に将斗は疑問を持つ。
「大丈夫なんですか教授?友鶴事件みたいになるのでは?」
「その件では問題ない。全長を延ばしたから」
「ならいいんですけど」
「問題は君達だ」
「???。俺達ですか?」
「うむ、儂らはこの世界で骨を埋めるつもりだがどうするかね?」
川嶋教授の言葉に将斗は、
「何を言ってるんですか?自分はここに来た時点で戦うことを決めてるんですから」
「自分も将斗とおんなじ考えですよ」
「おぉそうか、すまんなぁへんな話をしてしまったな」
「もういいかね?」
山本長官が話に入ってくる。
「はい、随分とお待たせしてすいません」
「あぁいいよ。それで、君達の所属はどこにするかね?なんだったら司令部でもいいぞ?」
山本長官の鋭い目が将斗達を見る。
「いえ、自分達は航空隊に入らせて下さい。自分達は未来でも戦闘機に乗ってましたから。それと、開戦する前に信一を司令部の所属にして下さい。参謀としてはかなりのものです。未来でも何度も信一に助けられましたから」
「うむ、分かった。なら第一連合航空隊にする。そこの司令官は一年早いが山口君がやってるから大丈夫だ。後、君達の階級だが二人とも大尉だ、よろしく頼むよ」
「心遣い感謝します山本長官」
二人が深々と頭を下げる。その時だった。
『ガタンガタガタ!』
いつの間にか長官室の扉が開いていた。
「誰だ!」
宇垣参謀長が外を見るが誰もいない。しかし将斗と信一は見ていた、女性が二人逃げて行く所を…。
「宇垣参謀長、ちょっと見てきます」
「自分も」
「あ、おいこら」
宇垣が制止しようとしたが二人は風の如く走っていった。
「どうしたんだ一体?」
宇垣参謀長が首を傾げながら悩む。四人の教授は事情を知ってるみたいで苦笑いしてた。
「何か知ってるんですか川嶋教授?」
宇垣が川嶋に聞いてくる。
「えぇまぁ。正直にいいますと彼らは見えるんです」
「見える?何が見えるんですか?」
「幽霊…いや、艦魂が見えるんですよ彼らは。宇垣参謀長は聞いたことぐらいあるでしょう?すべての船には艦魂と言う護り神みたいな女神がいると…」
「なるほど艦魂か。儂も聞いたことがあるな。なんでも霊感が強い奴等が見えると聞きましたよ。そういえば同期の山口も艦魂を見たと聞いたな」
「ほう山口君もかね?」
宇垣の話を聞いた山本長官が口を挟む。
「はい、軽巡五十鈴と戦艦伊勢の艦魂を見た言ってました」
「かなりの美少女じゃないのか?」
「はぁ、山口がそう言ってましたけど山本長官も艦魂を見たことがあるんですか?」
「ん?まぁな。最近は見なくなったが昔は日進等の艦魂を見たよ」
「そうなんですか、自分も見たいですね」
「君の場合は、美少女か見たいだけだろ?」
「そんな長官!それはひどいですぞ」
「はっはっは。すまんすまん」
長官室に笑い声が聞こえてきて、従兵が何事か心配になって長官室を見てた。
さて、長官室から二人の女性を追い掛けてきた将斗と信一はいつの間にか長門の防空指揮所に来てた。
「いないなぁ。見間違いだったか?」
信一が将斗に聞いてくる。
「いや確かにここにくるのを見たんだが…」
「何を見たんですか?」
不意に後ろから女性の声が聞こえて、二人は後ろを向く。そこには確かに二人の女性がいた。女性は日本海軍の制服を着ている。右にいる女性はツインテールで、左はポニーテールだ。思わず将斗と信一は見とれてしまった。
「何を見たんですか?」
長髪のツインテールの女性がもう一度聞く。
「何って君達が長官室の外で中を様子見てたやろ?」
ツインテールの子はぎくっとした顔してこちらを見てる。
「どこから聞いてたんだ?」
信一が聞くとポニーテールの子が口を開く。
「あなたが事情を説明してる時に隣の人が光の中から現れた所です」
「最初からか…」
信一が腕を組む。
「けど、知られたもんはしゃーないで信一」
「まぁそうやなぁ」
将斗は前にいる二人を見る。右にいるツインテールの子は若干頬が赤くなっていた。
「俺達が未来から来たことを他の艦魂には黙っててくれないか?」
「いいけど、どうしてなの?」
ツインテールの子が将斗に聞く。
「今はまだ知られたくないんだ」
「ふぅん、分かった内緒にしててあげる。私は長門型戦艦一番艦長門の艦魂、名前は長門そのまんまよ。そして、隣がちょっと内気な二番艦陸奥の艦魂、陸奥よ」
「はじめまして陸奥です」
ポニーテールの陸奥が頭を下げる。
「んじゃ、次は俺だな。俺は航空自衛隊空将兼海上自衛隊海将補の椎名将斗だ」
「そんで俺は、航空自衛隊空将補兼海上自衛隊一等海佐の鞍馬信一だ」
将斗はツインテールの長門に、信一はポニーテールの陸奥に握手をする。
「これからもよろしく頼むよ」
「こちらこそよろしくね」
将斗と長門が微笑む。
そして、舞台は昭和十六年へと変わる。
やっと艦魂が出てきました。長門と陸奥です。小説の中で二段式空母と出てきますが、文字通りの二つの飛行甲板があります。これは、自分が読んだ歴史群像新書の『革命の機動艦隊』からとりました。次回は一気に昭和十六年まで行きます。 意見や感想等お待ちしてます。m(__)m




