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新大東亜戦争  作者: 零戦
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第十五話 アッズ環礁攻撃



―――攻撃隊隊長嶋崎重和少佐機―――


「狙うは戦艦と空母だ!全機突撃準備!」


嶋崎機からトツレ電が発信され攻撃隊は攻撃態勢に移る。


「ト連送を打てっ!」


嶋崎は大声で、伝声管を通して偵察員に命令した。


『トトトトトト……』


と連打する「全機突撃せよ」の短縮無電を合図に、機動部隊の誇る攻撃隊は英東洋艦隊に向かって突入を開始した。


環礁上空には英戦闘機ハリケーンがいた。全部で三十機程いた。



―――制空隊隊長椎名将斗少佐機―――


「飛龍制空隊と瑞鶴制空隊は上空にいるハリケーンを片付けろ!蒼龍と翔鶴の制空隊は敵飛行場を攻撃だ!一機たりとも撃ち漏らすな!全機突撃や!」



将斗は操縦桿を倒してダイブに移る。瑞鶴制空隊と飛龍制空隊も将斗に続いてダイブに移った。ハリケーンは逃げ惑う。将斗は一機のハリケーンに狙いを定め、九八式射爆照準器をのぞく。


「もらった!!!」


ダダダダダタッ!


ボォッ……グワァァーン!


機首から放たれた機銃弾はハリケーンのエンジンに命中し、火を噴いた。ハリケーンは落ちていく途中に爆発した。将斗はそのまま新しい敵機を見つけるため機首を翻した。



―――艦爆隊隊長高橋赫一少佐機―――


「全機突撃!一隻も撃ち漏らすな!」


高橋は列機に指示すると、急降下する。狙ったのは旗艦のウォースバイトだ。


ドンドンドンドンドンッ!


ダダダダダタダダダダダタッ!


高角砲と機銃弾が猛烈な弾幕であるが九九艦爆の速度が早いためそれている。


「テッ!!!」


ヒューーーーーンッ。


ボカァァァーーーンッ!


爆弾はウォースバイトの対空機銃の所に命中した。


「よしっ!帰還しよう。後は他の奴らに任せよう」


高橋は翼を翻して母艦へ帰還していく。





―――雷撃隊隊長嶋崎重和少佐機―――


「目標敵クイーン・エリザベス級!魚雷投下用意!」


「魚雷投下用意!ヨーソロー!」


嶋崎の言葉を偵察員が復唱する。



「距離千二百……千……八百……」


「魚雷投下!撃ぇー!」


「魚雷投下!」


ヒュウッチャポン。


「魚雷走ってます!」


嶋崎の後ろの偵察員が嶋崎に報告する。



ズシィィィーーーン!


ズシィィィーーーン!


ズシィィィーーーン!



「魚雷三発全弾命中!!!」


「よし!帰投しよう。後は二次攻撃隊に任せる」


嶋崎はそう言うと機首を翻した。第一次攻撃隊は全機帰還する。この時、ソマービル長官は送り狼としてブレニム爆撃機四十五機発進させた。飛行場の攻撃は零戦隊の銃撃だけだったためである。



―――第二次攻撃隊隊長江草隆繁少佐機―――


「狙うは軍事施設だ!全機突撃!」


江草機はト連送を発信すると急降下して敵飛行場を狙いに行った。







―――第二機動部隊―――



「第一次攻撃隊見えました!」


見張り員が声を上げる。


「未帰還機は?」


瑞鶴の艦橋で山口多聞少将は参謀長の角田少将に聞く。


「いないとのことです。今の所被弾機は全部で二十八機です」


角田参謀長が報告書を見る。


「そうか。よかった」


山口がホッとした時だった。突如、電探室から荒々しい叫び声が来た。


『て、敵機来襲!数五十機余り!』


「なんだと!?」


角田参謀長が驚く。が、山口は冷静に対処する。


「上空迎撃機直ちに発艦せよ!上空の第一次攻撃隊は高度を上げて避難だ!」


「ハッ!!!」


我に帰った角田参謀長が山口に敬礼し、急いで指示を出す。


『全艦対空戦闘用意!』


発光信号で山口の命令が伝えられ、各艦の主砲、高角砲、対空機銃が砲身をキリキリと上空に上げて砲身が空を睨む。この時、第二機動部隊の陣容は。



空母翔鶴、瑞鶴、蒼龍、飛龍、龍驤、神驤。

戦艦金剛、榛名、三河、常陸。

重巡青葉、衣笠、加古、古鷹。

軽巡長良、五十鈴、天龍、龍田。


駆逐艦二十四隻の艦隊である。





―――戦艦三河防空指揮所―――


「………もう私は英戦艦のプリンスオブウェールズじゃない。私は大日本帝國海軍連合艦隊戦艦三河だ!!!」


三河は叫ぶと拳銃と刀を抜いた。刀は金剛から貰った日本刀である。英爆撃機ブレニムは第二機動部隊に襲い掛かる。とその時、第一次攻撃隊の編隊の中から数機の零戦がブレニム爆撃機に突撃していく。その零戦は将斗率いる瑞鶴零戦隊二個中隊である。



「指一本触れさせん!!!」


ブレニム爆撃機は密集隊形を作り応戦する。


「んなもん効かんわ!!!」


将斗が十二.七ミリ機銃のボタンを押し、と二十ミリ機銃の発射レバーを握った。


ダダダダダタッ!


ドドドドドドッ!


ボォッ……グワァァーーーン!!!


ブレニム爆撃機は爆弾が誘爆して四散した。


将斗が辺りを見回すと配下の零戦と第二機動部隊から発艦した零戦がブレニム爆撃機に銃撃してる。黒い煙を吐いて次々とブレニム爆撃機が落ちていく。五分後、空には零戦隊だけしかいなかった。



―――空母瑞鶴艦橋―――


「敵機全滅です。第一次攻撃隊着艦します」


山口は頷く。既に続々と航空機が着艦している。そこへ将斗と嶋崎と高橋が来た。


「零戦隊全機帰還しました」


「艦爆隊も同じです」


「同じく艦攻隊もです」


将斗達が敬礼して報告する。山口がゆっくりと頷く。


「報告ご苦労。ああそれと将斗君、さっき三河が来て文句言ってたぞ。『人の出番取らないで下さい』だってな」


山口がニヤニヤしながら言う。将斗が苦笑する。


「そんなん知りませんよ。こっちは必死で迎撃してたんですから」


「うらやましいね。若い人は」


「そうそう」


高橋がからかい、嶋崎がうんうんと頷く。


「高橋さん、嶋崎さん、そんなんゆーてたら嫁さんに加賀と神驤の事言うますよ?」


「「すみませんそれだけは勘弁して下さい!!!」」


二人が土下座をして将斗に謝る。


『ははははははっ』


艦橋にいる全員が笑う。将斗は苦笑してふっと蒼い空を見詰めた。


(翡翠、昴こっちは楽しいぞ。そっちも楽しいか?)


蒼い空は将斗の問いには答えなかった。


作者「次回はいよいよ帝都空襲をします。御意見や感想等お待ちしてますm(__)m」

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