新大東亜戦争 改
明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願い致しますm(__)m
「……で、君はそのC-2という輸送機に乗って戦地から帰っていたはずが此処にいると?」
「はぁ、済みませんが此処は何処なのでしょうか?」
一人の若者と数人の中年の男が会議室のようなところで話をしていた。
「……此処は戦艦長門の作戦室だ」
「……え? 長門は水爆実験のビキニ環礁で沈んでいるはずなんですが……」
「……どうやら君は未来の日本人のようだな」
「……はい?」
「君のような人物は既に日本にいる。帝国は君を歓迎するだろう」
「はぁ……」
「あぁそれと私は吉田善吾だ」
「……ファ!?」
「それで君の名前は?」
「あ、済みません。自分は椎名将斗三等空尉です」
そして椎名と吉田の最初の接触は無事に終わった。椎名は身柄を長門から東京に移され、そこで二人の日本人と出会う。
「貴方は?」
「俺の名は川島元信、俺もお前と同じ境遇だ。俺は技術者だったある日、大正時代……ワシントン軍縮前にこの日本にタイムスリップした。そして日本のあの歴史を変える事を決意した」
「それで海軍の艦艇が少し違うんですか……」
「そりゃあそうさ。何せ第一次大戦後のドイツから技術者を招待したりアメリカやドイツの工作機械を買いまくって日本の工業力を高めたんだからな」
「……どのくらいですか?」
「史実開戦時の日本の三倍だな」
椎名は川島達と出会い、日本の歴史を変える事を決意した。それに伴い椎名は航空の道に進んだ。
「史実を上回る九六式艦上戦闘機か……(武装がブローニングの十二.七ミリ機銃四丁、しかも陸海共通武器に指定とか……川島大佐の仕業か)」
椎名は横須賀航空隊に配属され、訓練をしていた。そして椎名はノモンハン事件に参戦する。
「椎名少尉は実戦経験はおありで?」
「……一回だけ……な」
史実を上回る高性能戦闘機の九六式艦上戦闘機を操縦する椎名はノモンハン事件でソ連戦闘機八機を撃墜して撃墜王の仲間入りを果たした。その後椎名は空母加賀に配属が決定して母艦搭乗員となる。
加賀の風紀を一掃したある日、椎名は運命的な出逢いをする。
「軍艦に女は乗ってはいけないんだが……」
「……貴方は私が見えるのかしら?」
「……何者かな?」
「私は航空母艦加賀。艦魂よ」
「艦魂……?」
船に宿る魂。その実態は誰も分からない。見える者は僅かな者達、霊感が強く『見える』力がある者も見える。しかし、見える艦魂が見えても見えない艦魂も多々ある。
「そうか、そういった存在もあるのか……」
「怖くないのかしら?」
「似たような経験してるからな(何せ過去にタイムスリップだしな)」
椎名は加賀と密会しつつ時を過ごす。そして日本は史実通りに戦乱を迎えようとしていた。
「……支那事変は無いのになぁ……」
「仕方ない事だ椎名」
「川島大佐」
「ルーズベルトは戦争がしたい。戦争すれば軍需か増えて景気はうなぎ登りのように回復する。そしてアメリカ一強を作りたいのだろう」
「……やはりやらないと?」
「それが日本の運命かもしれんな……俺や椎名のタイムスリップが戦国時代ならやりやすいかもな」
「俺の場合、足軽で死にそうですよ」
「はっはっは、そう謙遜するな」
そして椎名は未来で生き別れた二人と出会う。
「……翡翠、それに昴……」
「運命的な再開……かな?」
「最も私達はタイムスリップではなく生まれ変わりだがな」
「でも大体同じかもねぇ」
「日曜の基地解放日に遊びに行く」
そして乙女と艦魂の戦いが勃発する。
「ふーん、艦魂ねぇ……とりあえずこの腋巫女服着ない加賀ちゃん?」
「取りだしが見えなかった……だと!?」
「相変わらず裁縫は凄いな翡翠姉」
「……何で腕に寄せてるんすかねぇ昴? それに何か当たってますが?」
「ククク、当ててるんだよ」
「……あんたも大変ね」
そして椎名は新型空母瑞鶴の戦闘機隊長に就任する。そこで艦魂の瑞鶴と出会う。
「貴様が見える者か。ふん、頼りなさそうな男だな」
「これはどうも」
「見た目だけで判断するようでは貴女はそこまでの女ね」
「な、何だと!?」
「止めなさい瑞鶴。済みません加賀さん」
搭載される戦闘機は史実を上回る高性能機。
「水メタノール噴射装置を付けた栄エンジンは何と千五百馬力も発揮する!! フフフ、自分が怖いぜ」
(……徹夜でも続いたんかな?)
始まるは運命の開戦。
「真珠湾奇襲される!! これは演習ではない!!」
「エンプラを捕獲してレキシントン撃沈……中々の幸先が良いな」
「ですが油断は禁物です」
椎名の言葉通りだった。アメリカは史実以上に日本を警戒して史実より早くにエセックス級空母の建造を早めていた。
「彩雲より電文!! ミッドウェー島東方にて敵機動部隊発見せり!! 敵空母……六隻、全て大型との事です」
「……アメリカの工業力恐るべしだな」
迫り来る米攻撃隊。
「敵機直上!! 急降下ァァァ!!」
「加賀さん!?」
「そのデカイミートボールに叩き込んでやる!!」
「……将斗……」
「加賀ァァァ!!」
これは有り得たかもしれない物語、なのかもしれない。
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