第百八話 講和会議
短いし、講和条約の内容が少ない。あまり浮かばなかった……OrZ
「……どういう事とは大統領が1番ご存知じゃないですか?」
スチムソンが拳銃を構えながら言う。
「……貴方は合衆国国民どころか、連合軍の兵士の命まで奪おうとした。その罪は計り知れない……」
副大統領のトルーマンが言う。
「素直に拘束されれば、命の保障はします」
ノックスが言う。
「………何故だ……何故私を信じないッ!?後……後少しでジャップを殲滅出来るのだぞッ!!」
ルーズベルトが吠える。
「原子爆弾で艦隊の全てを犠牲にしてですか?……いい加減にしろッ!!!兵士達は愛する家族のため、愛する妻のため、愛する恋人のため、愛する国のために戦っているんだッ!!それをッ!!……それを貴方は踏みにじったッ!!」
「黙れノックスッ!!合衆国が世界の頂点に君臨するには犠牲が必要なのだッ!!」
「残念だが、国民は全てを知りました」
トルーマンが言う。
「ッ!?貴様まさかッ!?」
「えぇ。原子爆弾で艦隊を吹き飛ばす事を世界に公表しました」
騒ぎ声が聞こえる。
ルーズベルトが窓に近寄ると、大勢の国民がホワイトハウスに押し寄せていた。
「……貴方を拘束します。大統領」
トルーマンがルーズベルトに鉄槌を下した。
「……クックック……」
『ッ!?』
ルーズベルトが笑いだし、振り返るといつの間にか拳銃を構えていた。
「………死に方くらいは自分で選ぶものだ」
構えていた拳銃をこめかみに当てて引き金を押した。
タァーンッ!!
カシァンッ!!
衝撃で眼鏡が床に落ちた。
「……これで貴方が大統領になりました。トルーマン大統領」
ノックスがトルーマンに呟く。
14:20。ここにルーズベルトの激動の人生の幕を閉じた。
―――14:30―――
アメリカから全戦闘地域の戦闘停止を打電。
通信を傍受した日本も停止した。
一方、艦隊決戦をしていた連合軍艦隊、連合艦隊は戦闘海域から離脱。
連合軍艦隊は列車戦艦、モルトケ、アイオワ、ライオン、ウィスコンシン、モンタナ等が沈没。
巡洋艦と駆逐艦も多数の沈没艦があった。
連合艦隊は戦艦朝日が沈没。
戦艦伊賀は応急隊のお陰で何とか沈没を免れた。
しかし、戦艦は全艦中破以上の大破をしていた。
巡洋艦も四隻、駆逐艦十一隻が沈没。
唯一無傷といえるのは駆逐艦雪風と時雨であった。
結果的には連合艦隊の勝利であったが、原爆が投下されていたら壊滅していたであろうと後の専門家は語った。
そして数日が過ぎた。
―――8月15日10:00ハワイ諸島オアフ島ホノルル―――
日本、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスといった各国の首脳陣が集まっていた。
無論、講和条約の内容を決めていた。
そして12:00。
講和条約が発効された。
講和条約の内容は以下である。
―――【講和条約】―――
1、日本帝国は、インド、オーストラリアといった占領地域の国々から軍を撤退する。
2、賠償金の支払いは行わない。
3、各国は十年間、軍備増強を行わない。
等々であった。
その後、国際連合が発足。
アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、日本が常任理事国となった。
しかし、首脳陣が帰国後、ドイツ総統のアドルフ・ヒトラーが突如、政界を引退する事を発表。
ヒトラーは引退する前にユダヤ人の解放と、日本に再同盟を依頼した。
日本も断る理由も無いので日独同盟が発足した。
ヒトラーは妻のエヴァ夫人と供にスイスでひっそりと余生を過ごした。
後の自伝でヒトラーは『私は日本のお陰で多くの国民を死なせずに済んだ。しかし、私はユダヤ人を迫害した。私に出来る事は亡くなったユダヤ人に冥福を祈るしかない』と書いていた。
戦後のヒトラーは戦中のような狂気は無くなっていたとウーデット退役元帥が発言している。
話しが逸れた。
将斗達が日本に帰還してから数日。
ある出来事が起きた。
―――旗艦大和―――
「何?全艦艇の乗組員達が艦魂を見えているだと?」
山本五十六の後を継いだ連合艦隊司令長官山口多聞大将が報告に来た椎名将斗少将に問う。
将斗も苦笑するしかなかった。
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