第百四話 最後の艦隊決戦
最後の二隻はマジで『ご都合主義』です。
―――22:30旗艦大和―――
空母部隊と別れた決戦部隊は連合軍艦隊に向かうべく一路、航行していた。
旗艦大和の第三会議室では、決戦部隊の全艦魂が集結していた。
「……最早、私から言う事はない。ただ一つ………勝つ事だけだ」
会議室で大和が最後の訓示をしている。
皆の手には酒が入ったオチョコがある。
「皆の武運を祈るッ!!」
大和が酒を飲むと全員が飲む。
「……解散ッ!!」
大和の言葉に全員が転移した。
「……ご苦労さん大和」
将斗が大和を労う。
将斗達は、最後の決戦を見届けるべく大和に乗艦していた。
「……将斗。何人が生きて帰れるだろうか……」
大和が帽子を取る。
「……さぁな。戦艦はかなりやられるやろな。まぁ、雪風は生き残るやろな」
「幸運艦の由来でか?」
「まぁな。後は長門くらいかな」
「私ら戦死フラグかよ………」
「冗談やって……」
将斗達は笑う。
「さて、俺は寝るわ。山本長官からも言われてるし」
「もう寝るのか?」
「前回の艦隊決戦で艦長代理したからな。臨時の補欠艦長やて」
「何だそりゃ?」
「知らん。作者が考えたからな」
何か頭に浮かんだby作者。
「まぁええや。じゃぁな」
「あぁ」
二人は別れた。
―――翌朝07:30―――
「長官。索敵機より入電。『我、敵戦艦部隊発見ス。味方艦隊ヨリ距離二百五十キロ』」
通信士が艦橋に入ってくる。
「そうか……。奴らも考える事は同じか………」
山本は天井を見上げる。
「………宇垣…」
「はい」
天井を見上げてた山本は宇垣参謀長に顔を向ける。
「……三笠に発光信号だ」
「了解ッ!!」
……10分後、戦艦三笠は日本の大本営にある電文を送った。
『敵艦見ユトノ警報ニ接シ、連合艦隊ハコレヨリ敵連合軍艦隊トノ最後ノ決戦ヲシ、コレヲ撃滅セントス、本日天気晴朗ナレモト波高シ』
戦艦大和と三笠にZ旗が掲げられた。
―――10:45旗艦大和―――
「敵連合軍艦隊、距離五万七千ッ!!」
「………総員戦闘配置につけッ!!」
有賀艦長が配置命令を出す。
「水上機搭載艦は全機発射させろ。着弾観測をさせる」
「……電探射撃をしないのですか?」
「無論する。念のためだ」
「はぁ……」
砲術参謀が首を傾げる。
山本の本音は空中退避である。
電探射撃が有効なため、水上機の搭乗員達を腐らせない山本の配慮である。
「大和型は主砲の最大射程から射撃を行う」
大和型の最大射程は五万である。
「同航戦にする。取り舵一杯」
―――地図―――
連合
↓
↓
↑
↑
GF
――――↓――――
連合 GF
↓ ↓
下手ですみません。
―――連合軍旗艦フロリダ―――
「敵艦隊。同航戦に持ち込んでいます」
「……トーゴーターンを使わないのか……奴らめ……この艦隊決戦が最後だと考えてやがるな」
ハルゼー大将が舌打ちをする。
「だが、勝つのは我々だッ!!全艦砲雷撃戦用意ッ!!」
―――旗艦大和―――
「距離四万九千ッ!!」
「砲撃戦用意ッ!!」
艦橋内に大和艦長有賀幸作大佐の怒号が響く。
「照準用ー意ッ!!」
世界最大の戦艦の主砲である五十六センチ三連装砲が旋回して、敵連合軍艦隊の一番艦に照準を合わせる。
「……山本長官。全艦砲撃準備完了です」
宇垣が山本に報告する。
「……大和、武蔵撃ち方始めッ!!」
「撃ぇぇーーーッ!!」
有賀艦長が叫ぶ。
ズドオォォォォォォォーンッ!!!
世界最強の主砲、五十六センチ砲は紅蓮の炎を上げた。
―――連合軍旗艦フロリダ―――
「敵一番艦、二番艦発砲ッ!!」
見張り員からの報告にハルゼーは驚いた。
「何だとォッ!?」
この時、フロリダ以下の戦艦群は主砲塔を左舷側へと旋回中であった。
同航戦の体勢となった敵の単縦陣へと主砲塔を向けてたのだ。
そこへ、二隻から放たれた砲弾十八発が時間差をつけて落下してきた。
それらは、一瞬で海面を沸騰させ、巨大な水柱を立ち上げた。しかも―――。
「初弾から夾叉だとッ!?」
ハルゼーは愕然とした。
大和、武蔵、放った砲弾は一斉射目から夾叉―――つまり、その落下範囲内にフロリダを捉えていのだ。
「馬鹿なッ!!奴らの主砲は四十六センチじゃないのかッ!?」
四十六センチ砲の最大射程は四万二千。
今の距離は四万九千。
ハルゼーの結論。
「奴ら……四十六センチより上の主砲を搭載しているのか……」
何故、気づかなかった?
「……まぁ構わねぇさ。三万八千まで持ち込めたらこちらが勝てる……」
ハルゼーの視線の先には、二隻の軍艦がいた。
しかし、その軍艦は主砲を一門を搭載していなかった。
「全艦突撃だッ!!勝機は我々にあるッ!!」
ハルゼーは叫ぶ。
大和、武蔵から再び、フロリダに砲弾が落下してきたが、ハルゼーは気にしなかった。
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