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新大東亜戦争  作者: 零戦
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第九十九話 告白 航空戦その2





―――旗艦大和09:30―――


「山本長官。第一機動艦隊の攻撃隊発艦完了しました」


前方の水平線上には、戦闘機二百七十機、艦爆二百四十機、艦攻二百四十機が敵連合軍艦隊に向かっている。


「引き続き、第二機動艦隊の攻撃隊を発艦させろ」


通信兵が艦橋に来た。


「菊水部隊及び重爆隊より入電ッ!!『我、敵大型空母五、中型空母二、小型空母四、軽巡四、防空巡五、駆逐艦十七隻ヲ撃沈ス』以上です」


『オオォォォッ!?』


艦橋に居た者が喜ぶが、信一と山本だけは喜びはしなかった。


「山本長官どうかしたんですか?」


左官が尋ねる。


「これは氷山の一角を削っただけだ。敵はまだまだいるんだ。気を抜いたらこちらがやられるぞ」


山本の言葉は艦橋に響く。


士官や兵達は山本の言葉に改めて気合いを入れ直す。


「鞍馬君。そろそろ君も行く時間じゃないかね?」


「そうですね。では、行ってきます」


信一が山本に敬礼をする。


「うむ、将斗君達と共に帰ってこい」


山本も返礼をして、信一は艦橋を降りる。





―――第二機動艦隊旗艦瑞鶴―――


「……さて」


将斗は自室で荷物を整理していた。


「今日で死ぬかもしれんしな……」


将斗はボソッと呟く。


「将斗」


瑞鶴が転移してきた。


「どうしたんや?」


「そろそろ時間だ」


「……そうか」


将斗は机に置いている飛行帽と飛行眼鏡を取るが、何か引っ掛かる。


「どうした?」


「あ、あぁ。何もないわ」


将斗が振り返ると瑞鶴がいる。


その瞬間、将斗が引っ掛かっていた何かが分かった。


「(あぁ……そうやった……。忘れてたな……)」


将斗は机の引き出しをまさぐり、四角い箱を取り出した。


「……将斗?」


瑞鶴は分からないのか首を傾げる。


「瑞鶴」


将斗は瑞鶴と向き合う。


「どうした?」


「お前に言わなあかん事がある」


「何だ?」


将斗はパカッと箱を開ける。


瑞鶴は箱の中身を見て、眼を丸くした。中身は銀の指輪である。


「瑞鶴。俺はお前が好きや」


「……………え?」





―――飛行甲板―――


「司令官は何をしているんだ?」


飛行甲板で香恵が呟く。


「まーくんは今、大事な仕事をしてるんや」


翡翠が笑う。





―――将斗の部屋―――


瑞鶴は目の前の将斗が何を言ったのか最初は分からなかった。


『お前が好きや』


瑞鶴は心臓の音が激しくなり、顔が赤くなったと思っている。


瑞鶴は意味を理解すると、ポロポロと泣き出した。


「え?……え?どないした瑞鶴ッ!!」


将斗が慌てる。


「……私でいいのか?」


小さい声で将斗に呟く。


「当たり前や。初めて会ったあの時から俺はお前に惚れてたんや」


「でも、翡翠や昴は……」


「あいつらも理解してるで。むしろ、喜んどるわ」


「え?……」


「『重婚?何それ?おいしいの?将斗が好きやったら別にええよ』やてさ」


将斗が笑う。


瑞鶴は将斗に抱き着く。


「おわッ」


「好きだッ!!将斗大好きだッ!!私もあの時からずっと好きなんだッ!!」


瑞鶴は泣きながら告白する。


「ありがとうな」


将斗は瑞鶴の頭を撫でる。


「まーくん。もう時間やからはよキスして指輪渡しや〜」


ガチャッと翡翠が片手にカメラを持ちながら二人に言って扉を閉めた。


「……………(//△//)」


「……翡翠め……(〃д〃)」


二人は顔を真っ赤にしている。


「まぁ、翡翠に言われたけど………」


「ん?……んむ……」


将斗は瑞鶴の口を塞ぎ、キスをした。


「………ぷはぁ……御馳走さん」


将斗は笑う。


「………馬鹿……(//△//)」


瑞鶴の頬は熟した林檎のように赤い。……林檎美味しいな。


「指輪は後で渡すから持っててな」


「……あぁ」


二人は手を繋ぎながら飛行甲板に上がった。





―――飛行甲板―――


「やっと来たか……」


香恵がフゥと息を吐く。


「スマンスマン」


将斗は香恵に謝りつつ、女子搭乗員達と見渡した。


「……俺からの言葉はただ一つや。『生きて帰れ』ただそれだけや」


搭乗員達は頷く。


「俺達で連合軍に引導を渡すでッ!!全機出撃やッ!!」


『オオォォォーーーッ!!!』


搭乗員達は拳を空を上げて叫ぶ。


「かかれェッ!!」


松平優実飛行長が叫ぶ。


搭乗員達はバラバラと愛機に駆け寄っていく。


ブオオォォォォォッ!!


飛行甲板に上げられている航空機のプロペラが回る。


最終チェックを終えた将斗が防空指揮所を見ると、瑞鶴が将斗に向かって敬礼をしていた。


整備員達に油圧カタパルトに乗せられながら将斗は瑞鶴に返礼をした。


松平飛行長が白旗を振った。


『発艦せよ』の合図だ。


ガシュッ!!


将斗は強烈なGに耐えながら上昇する。


将斗は高度三千で後続機を待つ。


「蒼零。改良型はどうや?」


『頗る気持ちええわ』


将斗の胴体後部に立っている蒼零は頭に付けた必勝のハチマキを靡かせながら呟く。


蒼発動機が二千五百五十馬力まで向上したので換装したのだ。


最大速度も七六〇キロまで上がった。


約40分で攻撃隊が揃う。


攻撃隊総隊長は村田重治大佐だ。


攻撃隊は四百キロ離れた(距離は詰めている)敵連合軍艦隊を目指す。





―――空母瑞鶴防空指揮所―――


「……………」


瑞鶴は防空指揮所で攻撃隊が見えなくなるまで敬礼をして見送った。


その時、パキッと胸ポケットに入れていた指輪の箱が割れていた。


「………将斗……」


瑞鶴は嫌な胸騒ぎを覚えた。





―――連合軍艦隊上空10:45―――


「連合軍艦隊を見つけたでッ!!」


艦攻流星改の機長席で第一機動艦隊攻撃総隊長の淵田大佐が獲物を発見して叫ぶ。


「敵戦闘機は板谷に任せぇッ!!水木ッ!!全機に『ト連送』を打てッ!!艦爆隊、艦攻隊全軍突撃やッ!!」


水木飛曹長が『トトトトトト………』と連打する『全軍突撃せよ』の短縮無電を打つ。


「松崎行けッ!!」


松崎少佐はニヤリと笑う。流星改を降下させる。





敵連合軍艦隊との第三ラウンドが始まった……。


はい将斗の告白でした。


最後の割れたのは……。


御意見や御感想等お待ちしていますm(__)m

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