第九話 戦果報告
十二月二十六日―――連合艦隊旗艦戦艦生駒司令長官室―――
「失礼します」
「どうした宇垣君?」
「はい、戦果報告に来ました」
「そうか。実は、さっき生駒からも聞いたけどな」
「そうなんですか?けど、先程追加報告がありますが…」
「なんだね?」
「はい、ミ「ミッドウェイが陥落しましたよ」…」
宇垣の言葉を遮るかのように、生駒が現れた。
「生駒。せっかく俺が報告してるんだから言わないでくれよ」
「あら、それはすみません」
「はぁ…」
宇垣はため息をつく。宇垣は山本五十六や将斗同様艦魂が見えた。この時ミッドウェイが陥落したの「史実と同じことしないように」と将斗からの具申よる提案だった。山本は直ちに艦隊を派遣。海上護衛隊から護衛巡洋艦二隻、空母祥鳳、瑞鳳、駆逐艦十二隻、輸送船八隻の艦隊が十二月十五日にミッドウェイ島を攻撃してる。しかし、天候の不良により六日間延期になった。二十一日に攻略開始をし、半日で陥落した。
「それとフィリピンの敵航空隊は開戦初日に壊滅しました。攻略部隊がリンガエンに上陸し、目下マニラへ進撃中とのことです」
「陸軍も喜んでだろうな。新型戦車が配備されてるんだからな」
「はい、新型の一式戦車改が予想を上回る快進撃をしてるみたいです。マレー半島に上陸した部隊も快進撃らしいです。シンガポールに上陸した部隊と共同で敵英軍を挟み撃ちしてます」
「そうか。シンガポールで捕獲した英東洋艦隊は?」
「既に呉に到着してます。修理及び改装の終了予定は三月上旬です」
「そうか」
山本はゆっくりと椅子に深く座り込む。ここで陸軍戦車に説明しよう。
一式戦車改
武装 八十六ミリ戦車砲一門、七.七ミリ機銃三丁、
装甲九十ミリ
速度六十五キロ
ディーゼルエンジン採用車
諸外国の戦車と互角に戦える戦車である。
「陸軍も素直になって大助かりです。奴らのせいで熟練工や技術者、研究員が徴兵されて行ってしまい工場の生産が落ちていくばかりでしたから」
宇垣の言葉に嫌み的な発言があるが元々海軍と陸軍は仲が悪いのである。海軍で陸軍嫌いで有名な軍人は豊田副武中将である。山本も苦笑しながらも頷く。
「確かに、中国大陸への出兵で多くの国民が徴兵されたからな」
「まぁまぁ良いじゃないですか。過ぎたことは仕方ないですよ」
生駒が二人を宥める。
「それもそうだな。…所で塚原艦隊はまだ柱島に来ないのかね?」
「は、今豊後水道を通過中とのことで後一時間程でに柱島に着きます」
「ではお先に」
パァァと生駒が消える。二人は生駒が消えた跡を見てため息をつく。
「将斗君だろうな」
「そうでしょうな。ま、その方が面白みがありますよ」
二人は将斗の冥福を祈るばかりだった。
作者「感想や御意見等お待ちしてますm(__)m」 将斗「作者、あの戦いに勝ったのか?」 作者「当たり前や。最後、瑞鶴、金剛、榛名、三笠の四人が中々倒れんからよ。しゃーないから、お前とのふたりっきりの話書かしたるわぁ、ゆーたら四人の他の奴らも復活してなぁ。結局、共倒れやねん」 将斗「作者むっちゃ腹黒いな」 作者「勝つためや」 作者将斗「「それではまた次回!!」」