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第3話・内山城攻めの評定

■天文15年(1546)4月2日

甲斐国 山梨郡 躑躅ヶ崎館館 大広間


「これより評定を始める」


晴信の言葉により内山城攻めの評定が始まった。この場に集まっているのは四職の甘利虎泰をはじめ一門衆の武田信繁叔父上。原昌胤、駒井高白斎、横田高松、小幡虎盛、山本勘助、多田満頼、秋山虎繁、諸角昌清などなど名将たちが勢ぞろいしていた。そして俺も信繁叔父上の膝のなかに座って参加している。


「此度の内山城攻めの総大将は三郎にした。」


晴信が宣言する。

するとその言葉を聞き諸将たちはざわつく。隣の者と話したり1人で考え込んだりと様々だ。

まさかこうも簡単に総大将になれるとは…


「お待ちください。まだ三郎は4つです兄上なにゆえ三郎が総大将なのですか?」


信繁が気を取り直して晴信に問いかける。


まぁ叔父上が心配して言ってることはわかる。まだ元服も済ませていないのに戦に出るからな…


「二郎(信繁の幼名)、それに皆の者これを見よ。この内山城の縄張り図と周辺の地図と引き換えに総大将にしろと三郎が信房に伝えて儂に言っときたわ」


晴信は立ち上がり諸将たちが並ぶ中心に三郎が描いた紙をひろげる。それを見て諸将たちはさらに驚く。


「これは‼︎三郎、兄上が言った言葉は本当か?」


信繁は地図を見て膝のなかに座っている三郎に問いかける。


「はい、私から信房にお願いして父上に伝えてもらいました」


近くで聞いていた信房は普段自分と話している口調とは違う三郎に驚く。


「し…しかし、もしもの事があれば…」


「二郎よ、大丈夫だ心配はない。副将には信房をつけるしな。虎盛や虎繁、それに勘助もつける。4人とも良いな?」


『『ははっ!』』


4人は頭を下げる。

これは内山城攻めも何とかなるな、父上ありがとう。家臣といえば傅役の信房しか居なかったから心配だったが3人とも名将だし大丈夫だろう。


「三郎とて自信があるのだろう?」


晴信は威厳たっぷりの声で問いかけてくる。


「勿論です父上。この三郎の名にかけて内山城を攻略してみましょう」


「良く言った。その心意気良し。4千の兵をを率いて大井貞清が籠る内山城を攻略せよ!」


「ははっ!信房、虎盛、虎繁、勘助行くぞ出陣じゃ!」


俺は父上に頭を下げ、4人共に出陣の準備に取り掛かった。



■天文15年(1546)5月10日

信濃国 佐久郡 内山城


三郎以下、4千の兵は内山城を包囲して7日がたった。


「勘助、なるべく早く落としたいのだが、城の外へ誘い出すことは出来るか?」


「可能でしょう。少数の部隊で挑発し味方が伏している場所へと誘い込むことは簡単かと」


そう言う勘助は周辺の地図で誘い込む場所に適しているところを指を指している。


やはり父上の軍師だけのことはある。


山本勘助は武田二十四将に数えられており、さらに武田五名臣の1人でもある。小幡虎盛も五名臣の1人。武田信玄の伝説的な軍師である。


「そうか、今の話聞いていたな虎盛、虎繁お主たちは誘い込む場所に、勘助すまないがお主が敵方を挑発して誘い出して来い。信房は俺ともに敵方が城から出たら城を取る準備を!」


『ははっ!』


こうして内山城攻めが始まった。

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