自由な世界
あぁ…暇だ……。
こんな世界から抜け出したい……。
なんで俺がこんな描いてもいない世界、漫画の世界の中で思った。
横を見ると見たこともない物があった。
「これ…とびらか…?」
それは異様な形をしていた。
ドアのぶに触ると…………………。
何も起こらない……。
「何も……起こらない……。」
こういった物って定番で開くように出来てると思ったんだけど……。
違う……。
ドアのぶを捻ると―みたいなことか?
俺はドアのぶをおもいっきり捻って一気に扉を開けた。
「……あ…れ……?」
俺が見たのはタダの研究所だった。
いや、タダの研究所ではないよな……。こんな扉なわけだし。
「なんなんだここは…。」
何で、俺の情報が載っている紙がある……。
「……んっ!……だ…れ…だ」
後ろから口をハンカチでおさまえられ気絶させられた。
気づくと知らない部屋に連れ込まれていた。
何の変哲の無い部屋だが、扉を開けたら・・・・。
壁しかない。
窓はあるが隣のビルが近すぎて出れるきがしない。
どうにか出なければ……
作者が思った通りに動けば問題ない。
でも、いつまで待っても作者からの指示が無い……。
(おーい!俺を書いてるお前!聞いてるか?)
『・・・・・・・・・・・。』
返事が返ってこない・・・。
『返事は返ってこないよ。滝上旬理君』
「誰だ!!!」
『怪しいものではないよ。』
十分怪しいよ。
こいつが言っていた。返事は返ってこないって・・・。
「誰だか分からないけど、作者から返事が返ってこないってどういうことだ?」
『ふふふ。そのままの意味だよ。』
そのままの意味・・・、ってことは・・・。
自由・・・ってこと?
今、自由になったって、いやだ。
俺は混乱していた・・・。
『君がこの部屋の「謎」に気づいて、ここから出れたら聞こえなくなった理由を教えてあげよう。
まあ、「謎」が解けないと出れないけどね。』
俺一人でこの部屋の謎を解かないと、どちらにしろ出れないってことか・・・。
『これはゲームだよ。』
「・・・ゲーム・・・。」
『時間制限もあるから、気をつけて。』
時間制限もあるのか・・・。
『時間制限は一日』
「い、一日!!無理だ。俺は{謎}と言うものが苦手なんだ!!」
『もうハジメルヨー。3・2・1スタートー!』
俺は無視された。やるしかないんだ・・・。
まず、どこを探そう・・・。
1、謎のA部屋
2、謎のB部屋
3、謎のC部屋
4、今入る居間
5、トイレ
じゃあ、4番の居間から探していこう。
窓の横にタンスがある。
タンスの段数は全部で4段
右に2段と左に2段。
「このタンスの隅から隅まで調べればいいんだ・・・。」
タンス…右上の引き出しを開いた。
「何か入ってる!」
そこには、紙が入ってる。
だが、何も書いていなかった。
「何も役に立ちそうにない。」
タンス…右下の引き出しを開こうとした。
鍵が掛かって開かない。
「これは、鍵を探さないと開かない仕組みか?」
タンス…左上を開いた。
何も入ってなかった。
タンス…左下を開いた。
ここには紙が入ってた。
「何か書いてある。」
紙にはこう記されている。
きみをむたえぬいく。
たかえた行く。
む か え に い く。
む か え に い く 。
「な、なんだ。これは。」
俺は投げ捨てた。
この部屋から今すぐにでも出たい。
一日経ったらどうなる?
こいつに会うのかも知れない・・・。
次、どこを探そう
タンスは探した。
ここにはゴミ箱があったな・・・。
そこを探そう。
ゴミ箱…中を調べた。
紙が入っている。
紙には数字が書かれていた。
58×67=?
「簡単・・・。」
答えは3886
ゴミ箱…持ち上げてみた。
鍵があった。
「鍵だ」
その鍵の色は赤黒い。
「趣味が悪い・・・。」
ゴミ箱は探し終わった。
次は、謎のAの部屋のドアの隣に置いてあるプランターを調べよう。
プランター…持ち上げてみた。
そこには暗証番号入力機があった。
「ここにさっきの解いた数字を入れればいいんだ。」
「3886っと」
開かない・・・。
ここじゃない。
「もしかしたら・・・。」
5867?
「5867」
暗証番号入力機が開いた。
中には…。
ドライバーと生臭い何か分からないものが入っていた。
「・・・胃を洗いたい気分だ。」
俺はドライバーだけを取り暗証番号入力機を閉めた。
どこを探そう。
タンスの近くにある本棚を調べよう。
本棚…一つだけ緑の本がある。
俺は少し気になって手にとってみた。
題名…未完成
作者…じぶん(m,k)
開いてみた。
1日目
俺は今日この部屋に連れてこられた。
父の実験につき合うために。
正直何の実験をしているのかわからない。
2日目
俺は暇だ。
父に実験はしないのかっと聞いたら
もうやってると言う。
何も知らされてない俺は何の実験か分からない。
3日目
父の実験室に綺麗な女の人がきた。
俺は話したいが父がダメだという。
そういえば、最近鏡見てないな。
髭がはいてないか気になる。
4日目
今日はなんか異様に体が重い。
体を動かしたい。
五日目
父が俺を母さんと間違える。
そろそろ家に戻りたい
異様に服が緩い。
六日目
父が俺をニヤニヤ見てくる。
最近、父が気持ち悪い。
7日目
父が最近怖い。
ここで破られてる。
何でここで破られてるんだろう・・・。
俺はこの答えを見つけなければいけないのか・・・?
俺は多分この、M,Kを見つけなければならないんだ。
たぶんこの感じから何かにまきこまれた。
この時、本を読まなければ不安と感じなかったかもしれない。
『ああ、言い忘れてた。君が見えてないと思ってるかもしれないが監視カメラがついているからね!』
……俺は今聞こえた声が怖い。
これはたとえ話もし、未完成の作者がこの声の奴に何かされたのかも知れないと思うと背筋が凍る。
やっぱりここから今すぐにでも出たい……。
あいつに常に観られてると思うと……。
次どこを探す?
机の下を探そう。
机の下…鍵と紙がある。
俺は紙と鍵を取った。
紙には何か書かれていた。
俺はM,Kです。もし、ここに閉じ込められた人のために、何かできることといえばコレぐらいしか出来ないから…。これは俺からの暗号です。閉じ込められた人しか見えないようにしました。
父は俺には止められない。俺は一度失敗したので。日記を見た人しか分からない暗号です。
もし、破られているかもしれないですがね。ヒントは作者の名前と題名とあ、あと手紙がありましたよね、あれも気づかれないように出来てるんですが、俺でも気持ち悪いと思う文章になってしまいました。
見たとき怖いと思わせる、あっといわせる手紙です。これは特に意味の無い暗号です。全部一番最初の文字を見てそれを組み合わせるだけの簡単な暗号となっています。コレを使うときは一日目が終わりそうな
ときのに使わないと父にばれてしまいます。頑張ってください。応援しています。
出来るだけ部屋は見ないで下さい。恐ろしい目にあいます。多分あなたが読んでいるときにはには俺はとっくに入ないと思います。作者【 】題名【 】数字【 】体【 】 name mikage kazuki
この人の名前は御影一樹さん。
作者の名前は御影一樹、題名は未完成、数字は5867、体は…からだ?体は2.
これで多分あってる。
そういえば、鍵があった。鍵を見てると・・・禍々しいオーラを放っている部屋があるらしい。
俺はそこで…。ん?今なんだ今…変だこの鍵。この鍵を持ってるといやなこと思い出す。
いらない記憶…。もしかして・・・いや無いだろう。俺は漫画の主人公。
主人公。主人公・・・?もしかして予感は当たるかもしれない。
ここの鍵は多分、Bの部屋。俺はこの部屋に来たことがあるのかもしれない。
御影さんはもしかしたら俺なのかもしれない。
俺は主人公ではないのだから・・・。
俺は決意した。このBの部屋に入ろう。
もしかしたら異様なものを見るかもしれない。思い出したくない記憶。改竄された記憶なのかも知れない。
それでも御影さんの為にも見たほうがいいのかもしれない。
俺は一歩また一歩とBの部屋に歩いていった。
俺はBの部屋の鍵を開けた。
そしてドアノブに手を掛けた。そのとき俺は…俺じゃなくなってしまったのかもしれない。
俺はこの部屋に留まりたいと一瞬思ってしまったからだ。
俺は思い切り引いた。
開けたとき俺は後悔した。(開けなければよかったっと)
そこにあったものは俺の顔だ。
「・・・っう・・・」
俺は俺の体が無いことは気づいていたのかも知れない。
多分思い出したくなかったから、一瞬でも生きていると思いたかったのかもしれない。
俺は、もしかしたら、あの声が父なのかも知れないと感づいていたのかもしれない。
この【謎】を解くとき俺はいないかもしれない。
俺は気づいてしまった。あの声の人がやりたいこと。
俺を滝上としてじゃなく、御影として生き返らしたいこと。
俺の魂はここに呼び戻されそうになってること。(御影の体に)
俺の予想だと体を全部集めて、縫い合わせて父のカラクリ人形として生きることになる。
それは、研究者として禁忌のことだと俺は解釈している。
父の言いなりだけはなりたくない。
思い出していることを気づかれないようにしないといけないと俺は考えている。
そうだ!窓から飛び降りよう誰かしら気づいてくれる。
俺は窓の方へ走って行った。俺は顔が挟まりそうになりながら窓から滑って降りていた。
一番下にはだれもいない。
誰も住んでいない。そうだここは孤島なのだ。昔は人がすんでいたがここの施設のせいで空気が汚染されて誰もいない。
入るとしても俺だけ。俺だけなんだ。気づいた。俺は録音していたんだ。
親父もとっくにもう孤島にいない。寂しさを紛らわすため、俺は自分に10年という時を漫画の世界という暗示をかけていたんだ。そして起きると親父の声が聞こえるように脳に指令をだす。
そして俺があたかも閉じ込められたように感じさせるため仕掛けだったんだ。
俺はまた研究室に戻り、暗示をかけ繰り返す。