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間章:「忘れられし遠き日の記憶」

 ……たいへんだ。どうしよう。道に迷っちゃった。

 ここはどこ?あっちにもこっちにも木しかないよ。

 ……あ、カラスさんの歌だ。ってゆーことはもう5時!?

 あわわわわ、たたたいへんだ。早く帰らないとママに叱られちゃう。

 でもどうしよう、どっちに行けば帰れるのか分かんない。

 ……うう。誰がだずげでぇぇ。

「おいボーズ、あんまりびゃーびゃーなくな。なんか恥ずかしいだろ。……っておい、×××、なんだよその目は」

 ……誰かいる!誰だろう?

「失礼しました。とても可愛らしかったものでつい」

 喋った男の人、笑ってる。でも隣の男の人はなんだか怒ってるみたい。もう一人いるけど、なんだかすごい怖い顔してる。

「そんな悠長に笑ってる場合じゃねぇ。だから時間駐在員は嫌いなんだ」

 じかんちゅーざいいん?なんだろうそれ?

「あー、ボーズ。あんま考えるな。これ考えると頭こんがらがってめんたまぐるんぐるんになって最後には頭爆発しちまうぞ。ってか自分に忠告すんのってどーなのよ?」

 おにいちゃん、それ怖いよ。

「あぁ、だから考えんのやめとけ。実際俺は今、考えちまってるせいで爆発寸前でいろいろ困っ……あああ、分かった、分かったから泣くな。そうだな、爆発なんかしないよな、俺が馬鹿だった。はぁ、俺ってこんな泣き虫だったっけ?」

「いいじゃないですか。とても子供っぽくて僕は好きですよ、こういうお子さん」

「お前に好かれても雀の涙が枯れちまってもう何も出てこないより嬉しくない」

「お前ら、少し黙れ。奴がだんだん近付いて来てる」

 おにいちゃん達が急に真剣な顔になった。何?どうしたの?

「ボーズ、今から起こることをちゃんと覚えておけ。じゃないと俺がめんどいことになる」

 …?なんで僕が覚えてないとおにいちゃんがめどいんになるの?

「めんどいだよ、めんどい。くそっ、俺はこんときからこんなだったか。成績が上がらないのはDNAレベルに問題があるのかもしれん。あぁ、ボーズ、そんな難しい顔するな。これも考えるとさっき言ったみたいになるぞ」

 わかった。考えるのやめる。

「よし、それでいい。じゃぁ絶対にこのニコニコ野郎の隣を離れんな」

 何かするの?

「…見てのお楽しみだ。××、今あれはどの辺にいる?」

おにいちゃんは怖い顔をしてたおにいちゃんの方を向いて、僕も気になってそっちを向いた。……え!?

「てめぇがごちゃごちゃやってる間にもうすぐそこまで来ちまってら。さっさと準備しろ」

 着てる服は一緒だから、たぶんさっきの怖い顔したおにいちゃんだ…と思う。でもあの頭は何!?あれたしかこの間テレビでやってた……えっと、えっと、そうだ!おおかみだ!なんで?なんで?でもなんか……かっこいい!

「あー。ほんとにやんなきゃいけないのか。俺まだ慣れてないんだよな、あいつらにも、この武器にも」

 言いながらおにいちゃんはズボンの後ろのポケットに右手と左手を入れて、何かを取り出した。あれはなん……

「グギャガガァァギィラァァァ!!」

 …!?なっ何!?僕は後ろからした変な鳴き声の方に振り返った。

「ひっ、か、怪獣……」

 そこで、目の前がいきなりまっくらになった。音も聞こえなくなった。そして…


 意識も、なくなった。

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