表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
58/58

Ep.58 宇宙<ソラ>へ――


「お。景色が晴れたな」


 幻覚解除。幻影を殴り飛ばしたことで視界が元に戻りました。

 当機たちの周りには、アヴィオール王太子殿下。ウナ姉様を抱えながらうつむき「ローズすまない」と、うわ言を繰り返しています。

 他二名の護衛は姿が見えません。脱落したと思われます。


「護衛リーダーさんも、護衛くんと同じ末路を辿ったか……」


 戦力激減。彼らの星滅装備からは尋常ならざる気配を感じていました。

 その助力がないとなると、攻略はだいぶ厳しいものになると予想されます。


「そっか~――――ところで、オクトー。この特級試練っていうヤツをクリアすれば、お前の姉妹を助けることができるって、パチモンが言ってたけど本当か?」


 ……肯定。伝承では特級試練を攻略した者には、女神アルティメシア様が相応の『願い』を代償デメリットなしで叶えると言われています。


 過去には死者蘇生も行われたと聞きます。

 修復不能になった魔導人形を元の状態に戻す程度なら容易く叶えてくれるはずです。


「おお! マジか!」


 しかし、攻略の成功率は絶望的。

 星廻魔導世界アルティメシアに『ダンジョン』が現れて二千年と少し。

【八極星】に至る者は数百と現れましたが、攻略できたものは両手で数えるほど。

 最後に攻略が確認されたのは二百年前です。


「おぉぅ……マジか……」


 補足。その攻略した者は亡くした妻子の蘇生を願った、と伝わっています。


「それって、ハッピーエンドで終わってる?」


 微妙。どちらかと言えば苦い結末(ビターエンド)です。

 アルティメシア様に告げられた蘇生人数は一人まで。攻略者は妻と子、どちらを生き返らせるか苦悩し、子を選んで妻を諦めたと言われています。


「ん? もしかして、特級試練って一回しか受けれない感じ?」


 否定。選ばれし者が資格を失うまで【八極星】すべての試練を受けることが出来ます。

 ただ、一度攻略しただけでも奇跡です。蘇生を願った攻略者は二度も奇跡を起こせるとは思わなかったのでしょう。



「なるほど~――――じゃあ、問題はない」



 え?


「特級試練の数は八つ。オクトー含めて姉妹は八人。ちょうど願いの数は足りる」


 ……疑問。ハチはすべての試練を攻略するつもりですか?


「当然。オクトーの姉妹を救うって約束したからな」


 前人未踏。星廻魔導世界アルティメシアの長い歴史の中、すべての試練を踏破した者は皆無。これを聞いても考えは変わりませんか?


「歴史上初の偉業か! これは益々やる気が出るな!」


 猛進。迷わず困難に挑みますか……。――ふふ。

 ハチならそう言いますよね。一時いっときでも疑った当機が愚かでした。


 短い付き合いですが、貴方となら出来る。攻略できる。

 そう、当機も思えます。


「おう。やってやろうぜ!」


 やりましょう。

 すべての試練を超えて、姉妹たちすべてを救ってみせます。


「オクトーもやる気が出たな。じゃあ手始めに、この試練から攻略しようぜ!」


 了解。では、現在の戦力・装備の確認して攻略計画を立てます。

 この場にいるのは三名。当機たち・幻覚に囚われた殿下・眠るウナ姉様。

 戦えるのは当機たちのみです。


 武装は、星滅装備『三相断界トリニティ・へカティア』。

三相の一(トリニティ・ワン)』・『境界崩壊ボーダー・ブレイク』。全力砲撃三発分。

三相の二(トリニティ・ツー)』・『境界断絶サンクチュアリ』。耐久力は状況次第。

三相の三(トリニティ・スリー)』・『境界超越ワールド・ビヨンド』。限界跳躍三回分。


 通常装備は、IAー風・地霊混成狙撃銃・改良型カスタムはたき(ダスター)』。全力射撃六発分。

 IAー八式狙撃炎霊銃『ほうき(ブルーム)』。全力射撃一発分。


 その他諸々。

 爆弾やら近接装備が異次元収納にありますが、【無限円環ロード・オブの竜道(・ウロボロス)】の巨体に効果は得られないと予測。説明は省きます。


 そして、重要なのはここから。当機たちには『切り札』があります。


「切り札?」


 お嬢様から託された上級星滅装備。【星廻器:『廻天』】

 天地逆転。現状の劣勢を覆す可能性を秘めた、規格外の人工神器になります。


 ・

 ・

 ・


 ★



 ――――というわけです。

【星廻器:『廻天』】を使えるのは一人につき一回。

 チャンスは()()だけです。

 試運転をする余裕はなく、ぶっつけ本番でいくしかありません


「出たとこ勝負か……よし、わかった。あとはウロボロスの頭に辿り着くだけだな」


 所在不明。それが問題です。

 足元の動く巨体から予想される、このダンジョンの広さは広大。小惑星規模に達すると思われます。


 そんな広大無辺な世界で頭部を探すのは至難。

境界超越ワールド・ビヨンド』で跳躍できるといっても、長距離移動は三度が限度。ウナ姉様の導きがあっても、どれだけの距離があるか分からない。辿りつくのは難しいですね……。


 それに跳躍できるのは目視できて、目印があるのが条件。激しくうごめき、山地のごとき遮蔽物に囲まれた現状では長距離移動は不可能です。


「遮蔽物のない空から見るのは?」


 ですから、ハチ。目印になるものがないと――――



「サーニャさんが打ち上げた人工衛星みたいものが夜空に輝いてるだろ。あれを目印にできないか?」



 ――――!?

望遠テレスコープ』起動。目視確認……。高度およそ二十キロ……。

 ハチ。結果だけ言えば――――いけます。



「よし! じゃあ、決まりだ。宇宙から強襲するぞッ!」





流星作戦発動!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ