表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
57/58

Ep.57 最善の解決手段:拳


 2/7。前話のセリフを一部加筆修正しました。

 大筋は変わらないので読み返しは不要です。



 喋れないはずなのに、喋れる――。

 これに似た現象、クソ神モドキどもに怒鳴った時にもあったな。

 なんでこんなこと出来んだろ。


 う~ん――――ま、いっか。

 喋るのに越したことはない。そんな些末なこと、どうでもいい。

 今は、オクトーの姿で言いたい放題した偽者をどうにかする方が先決だ。


 なんか、さっきまでの饒舌じょうぜつが嘘みたいに静かになって、目を見開いて固まってる。けど、今さら黙ったくらいで許すと思うなよ。



当機オクトーのまま、あふれた魂光アストラル・ライト……。現実に干渉する力を持った、情報生命エーテル体……。精神の超越……。超越者……。まさか――ありえない』


「ぶつぶつ、訳の分からんこと言ってんじゃねーよ」


「ハチ……ごめんなさい……。ごめんなさいッ。」



 弱々しい声だ。

 偽者が言った事なんか気にしなくていいのに。



「オクトー、大丈夫。あとのことは任せておけ」


「ですが……ッ。当機は自分勝手にも、貴方を利用して……ッ」


「それがどうした」


「え?」


「わがままオクトー上等! 美少女メイドさんに振り回されるなら本望だ!」



 この際だから明言しようか。

 二度とオクトーが惑わされないように。



「異世界からやってきた俺、八神 八満! 夢は女の子とキャッキャ、ウフフな青春を送ることです!」


「…………はい?」


『…………はい?』


「はい、そこ。いきなり何を言ってんだコイツ的な声を出さない。俺は真剣マジで、この夢を叶えたいの」



 俺以外には分からねーよ。

 前の人生を病床でほとんど過ごした、俺の気持ちを。



「憧れてたんだ。昔、病院の窓から見た、同年代の男女が楽しそうにしていたのが。友だち、親友、恋人。関係性は分からないけど、本当に楽しそうだった。俺も、あんな風になりたいと願った。――――前の人生じゃあ、出来なかったけどな」


「ハチ……」


「そんな俺に対等の相棒と呼べる女の子――――オクトーが現れた。人形だろうが、人間じゃなかろうが関係ない。お前が、相棒マイ・バディって呼んでくれた時、俺がどれだけ嬉しかったか……。内心じゃあ、すごくはしゃいでたんだぞ」



 分からなくても伝わって欲しい。

 俺にとって、オクトーがどれだけ大事な存在か。



「友だちが困っていたら協力する。親友が頼るなら力を貸す。恋――――いや。相棒が困難な道を往くなら、一緒に往ってやる」


「……それが、自分勝手な理由でも?」


()()()()だ。遠慮なく頼れ。一人で背負い込むな」


「……それが、命に係わる危険な場所でも?」


()()()()だ。危険な場所だからこそ、一人にさせられない」


「……当機と離れる手段があると言っても?」


()()()()()ッ! 泣いてるお前を、一人になんかできるかッ!」



 断固拒否!

 遠ざけようとしても、絶対に離れないからな!

 それになぁ――――。



「忘れたのか! 俺たち二人で『運命』を乗り越えようって約束しただろうが!」


「――――忘れたことはありません。片時も」


「だったら、迷うな。惑うな。遠慮なんかするな! お前が望むなら、いくらでも力を貸してやる!」


女の子(とうき)とキャッキャ、ウフフな青春を送る『夢』のために?」


女の子(おまえ)とキャッキャ、ウフフな青春を送る『夢』のためにだ!」


「――ふふ。ハチは本当に愉快ですね」


「おう。八満さんは本当に愉快だぞ――――というわけで」


『――――ッ!?』



 なにビビってんだ偽者。

 テメエが売ってきたケンカだろうが。



「あとは任せてくれ。俺たちの青春を邪魔するヤツにご退場願うから。

 ――――≪アイハブコントロール≫」


「委任。お任せします。当機たちに立ち塞がる厄介者の排除をお願いします。

 ――――<You (ユー)Have(ハブ) Ⅽontrol(コントロール)>」




 ◐【(オクト―) → (ハチ)



 選手交代。同時に勢いを増すハチの魂光アストラル・ライト

 幻覚に囚われた空間に無垢なる魂の輝きが満ちていきます。



「おうおう。ずいぶん好き勝手言ってくれたな、パチモン。覚悟は出来てんだろうな」


『――――ッ。表層を変更しましたか。ですが、当機わたしのやることは変わりません。――――いま一度、己が【過去うんめい】と向き合え!』


「あん?」



 警戒。ハチ、気をつけてください。

 対象はこちらの表層思考・記憶を読み取り、こちらが最も嫌がるであろう幻影を見せています。


 姿が変化を確認。

 屈強な体躯をした青年。おそらくハチの元の姿だと思われます。

 もう一人の自分の言葉に惑わせられないで下さ――――。



「先制メイドパンチ!」


『ぶッ!? ちょ、まッ――――』


「なんて? メイドボディブロー!」


『ぐふぉッ!? おま、元の自分の身体だぞ!?』


「そうだな! おかげで遠慮なく殴れる、メイドアッパー!」


『ぶふぅッ!? ま、待て! ちょっと待て! 少しは人の話を聞け!』


「了解! 渾身・メイドフィニッシュブロー!」


『がっは……ッ!? コイツ、聞く気ねぇ……』



 ……対象霧散。

 ロクに言葉を発する機会も得られないまま消滅しました。

 実体なき幻影を物理で黙らせました……。

 えぇー……どうやったのですか……。



「やはり、暴力。暴力こそ、全異世界でも通用する解決手段だ」



 空前絶後。

 精神攻撃を物理で殴って解決するのは、全異世界の中でもハチだけだと思います。




 異世界でも通用する意思伝達手段。

 万国共通パーフェクト肉体言語コミュニケーション:暴力。

 誠心誠意、拳で説得すれば相手は何も言えなくなります。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ