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Ep.43 突発!感情表現バトル


 さあ、唐突に始まりました感情表現バトル。

 実況はオクトーの中に住む居候、八満と。

 オクトー専門家を自称する、ハチ。一人二役でお送りします。



「さあ、いくんだ十二号! 旧式のガラクタに格の違いを見せろ!」



 先手はキリアくんの魔導人形、十二号さん。

 サイバーパンクを思わせる格好と装備をした二十代半ば女型の人形になります。

 美形なのにどこか特徴が薄い。一時間も顔を合わせなければ記憶から消えそうな印象を受ける彼女。命令に無言でうなずき、準備に取り掛かりました。

 個人的には番号呼びは愛が無いように感じられます。

 そこのところをどう思いますか、ハチさん。


 ええ、そうですね。八満さんに同意です。

 キリアくんにはちゃんとした名づけをしてあげて欲しいですね。

 とはいえ、それは(おれ)No8(オクトー)にブーメランがぶっ刺さりそうなので、深堀りはやめましょう。


 わかりました――と、十二号さん準備が終わり表情が変わり始めました。

 喜――無表情から一転、満面の笑顔。

 怒――笑顔から一転、柳眉りゅうび逆立てる険しい顔。

 哀――険しい顔から一転、沈痛な面持ち。

 楽――沈痛な面持ちから一転、はじけるスマイル。

 見事に喜怒哀楽を表現しました。敵ながら天晴あっぱれです。


 たしかに賞賛に値する表情変化です。

 主であるキリアくんもこの結果にご満悦。オクトー(こちら)を見てドヤ顔をしています。ですが、彼は気づいているのでしょうか?

 この勝負に勝ったところで、「なんか意味ある?」ということに。


 きっと気づいてないでしょう。

 視野が狭まった彼の頭の中にはオクトーを負かすことでいっぱい。

 あれは恐怖した自分に打ち勝つという目的を完全に忘れてる顔ですね。十二号さんを前に出した代理対決が不毛なものだと早く気づいて欲しいところです。

 ――――おや? 我らがオクトーに動きがありました。



「…………感情模擬実験(シミュレーション)開始」



 腰の四次元ポーチから手鏡を取り出しました。

 この某青タヌキばりの異世界アイテムにはいまだに驚きを隠せません。銃火器から鏡まで。割れモノも同時収納可能とは、中がどんな状態になっているのか非常に気になります。――――普通にチートアイテムだよね、これ。


 アイテムボックスと呼ばれるモノですね。

 ラノベ作品によっては世間を震撼させる代物が、この世界では当たり前に流通している。そのことにこの異世界の技術力の高さを実感します――と、話が逸れました。

 オクトーの実況をお願いします、八満さん。


 わかりました、ハチさん。

 オクトーはジッと鏡を見つめ――――。

 喜――口角、不動。

 怒――眉、微動。

 哀――目元、まばたき数回。

 楽――口角を指で無理矢理上げました。レギュレーション違反です。

 総評とするなら、よく頑張ったで賞。個人的には花丸をあげたいです。


 苦手なことでも挑戦する姿勢。誰かさんに見習わせたいですね。

 オクトー(こちら)を指さして高笑いするキリアくん。お前のことを言っているんだぞ。



(怒。いつまでおふざけをしているのですか、ハチ)



 あ、やべ。オクトーさんお怒りだ。

 じゃあ、解説ごっこはここまで。さらば、もう一人のハチ(おれ)


 わかった、もう一人の八満おれ

 また会う日まで達者にな――――


(架空友人。ボッチはひとり遊びがお上手ですね。孤独夢想の達人・ハチ)


 ごめんなさい。

 もうやらないので、ちょっとかっこいい不名誉なあだ名はやめてください。


(……交代。当機ではこの勝負は不利です。あとは任せます)


 別にいいけど――――いいのか?

 いまさらだけど相手は王族で、不敬を働いちゃいけないって言ってたよな。

 危害を加えられないなら、この勝負は負けてもいいんじゃないか?


(肯定。合理的に考えればその通りです。ですが――――)


 ですが?


(キリア第二王子殿下のドヤ顔を見てたら腹が立ってきました。少し()()()()()あげたいです)



 なるほど単純明快だな!

 了解だ。不敬やなんちゃらの不祥事は未来の俺たちに任せて、いまはただ全力に。いっちょ、調子に乗るクソガキをわからせてやりますか!


 (委任。お願いします――――<You (ユー)Have(ハブ) Ⅽontrol(コントロール)>)


 おう、任された。<アイハブコントロール>!



 ◐【(オクト―) → (ハチ)



「どうしたどうした、さっきから黙ってばかりじゃないか! くやしいか? くやしいのか? だろうなぁ! これが旧型と最新型のちがいだ! 『究極の芸術(アルテアリス)』だ、なんだと持て囃されても、しょせんは百年前の骨董品――――」


光輝シャイニング!」


「え?」



 魂光アストラル・ライト最大放出。ハチの存在力急上昇。

 ほとばしる魂の輝きがダンジョン内部。『クリスタル・レイク』内を照らしてゆきます。想像の埒外な魂を前にしてキリア第二王子殿下は絶句。目を丸くしています。


 規格外。当機も驚愕しています。

 ハチがこの世界を訪れて三日目でこの魂の放出量。手慣れた感じ。その環境適応能力は想像を絶するものがあり、調べる必要性を強く感じています。


 とはいえ、調査は後回しです。

 いまはただ――――目の前のことを全力に。



進言アドバイス。殿下に言いたいことがあります」


「え、は、はぁ?」


ラブを、とーきがわからせてあげる、ぞ☆(ウインク、バチコーン)」


「……は?」


 ……は?



 元気系メイドの再降臨に二人の思考フリーズ。


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