Ep.24 イクシーヴァ家メイド軍団(ガチ)
メリークリスマス!
クリスマスも『エイティエイト』をよろしくお願いします。
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「あ、まぶし」
再起動。損傷確認。第五霊石供給量――――異常なし。
問題なく起きることができました。
おはようございます、ハチ。
「おはよう。ここは――――」
「オ゛ク゛ト゛ぉぉーーー!!!」
「わあお!?」
回答。当機の部屋にあるベッドの上です。
いま抱き着いてきたのはサンシーロお嬢様です。
色んな汁で顔面がぐちゃぐちゃですね。
「きたなッ!? ばっちぃから近付かないで、ニートご主人様!」
「ひどいですわ! わたくしがどれだけ心配したと思うのですの!」
「わかった、わかったから! 離れ、はなれて――――はなれてえええ!!!」
洗濯物追加。あとで着替えが必要、と。作業項目に追加します。
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◐【8 → ∞】
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「現状確認。現時刻は朝の七時。『深淵の王』討伐から日をまたいだ翌日です。当機の体に【限界突破】発動による代償。内部機構の損傷は認められず、お嬢様が修理を手配してくれたものと予測します。ハチはここまでで質問はありますか?」
はい、着替えの時に目を閉じてたのはなんでなんですか!
とても着替えにくいと思います!
「説明継続。無いようなので続けます」
無視!?
「なにか文句がおありでしょうか、のぞき魔の権化・ハチ」
ありません。だから、不名誉なあだ名やめてください。
「よろしい。――――現在は退室したお嬢様に自室待機を命じられています。あの企み顔から、なにかサプライズを用意しているものと予想します」
本人は隠しているつもりだけど、全然隠せてなかったもんなー。
終始、顔がニヨニヨしてたよ。
「肯定。お嬢様は人を騙すことに向いてない方ですから――では、いきましょうか」
え、いく? どこにいくんだ?
サンシーロちゃん、ここにいてくれって言ってたろ。
「自明。もちろんお仕事の指示です。当機はこのお屋敷のメイド長ですから」
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≪屋敷裏手・庭園前≫
「傾注。全『ブラウニー』集結を確認。これより作業割り当てを行います」
(((((びしっ)))))
かわいっ!? ちっちゃなメイド――ディフォルメオクトーがたくさん!?
なあ、オクトー。この敬礼してる子たちって、なに?
「回答。当機の子機『屋敷精霊』です。当機専用オプションになります。毎日、広いお屋敷内の作業を当機とこの子たちで片付けています。高い場所などは浮遊機能を使って作業しますね――――このように」
(((((ふわっ)))))
わ~……。一斉に浮かび出したよ。ファンタジーな光景だー。
妖精さんかな?
「指示伝達。一番から十番機はお屋敷の清掃。十一番から十五番機はお庭のお手入れ。十六番から十八番機はランチの下ごしらえ。十九と二十番は洗濯。残りは警備――――当家を舐めて、泥棒を試みる不届者には炎弾でもてなしなさい。以上、行動開始」
(((((ジャキッ)))))
わ~……一斉に銃取り出したよ。殺伐した光景だー。
軍人さんかな?
「一段落。これでひとまず大丈夫でしょう。では――――改めて、ハチにお礼を。貴方のおかげで当機は救われました。ありがとうございます」
え……? いや~……でも、あれって俺のせいでダンジョンに行って、危険な目に遭ったわけだし、他にも色々……。オクトーには迷惑をかけたから、お礼を言われると申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
「構いません。その出来事があったからこそ、当機は諦めることを諦めることができました」
諦めること諦める?
「肯定。当機は諦めていました。優秀だった姉妹機たちが足搔いて、足搔いて……、どうにもならなかった現実に。『アルテアリス』の運命に。諦念を抱いていました。最後に残された当機になにができるのだと。もうどうにでもなれと、ね」
オクトー……。
「その諦念をハチが壊してくれた。『希望』を示してくれた。本当に感謝しかありません」
……『アルテアリス』の運命。「百年の間に『魂』を持つことができなければ壊れる」ってやつか。お前を創ったアマデウスはロクなことしねえな。
「…………? 疑問。なぜハチが『アルテアリス』の運命と造物主の名を知っているのですか。当機は話した記憶がありませんよ?」
ん? ああ、これはアルティメシアさまから聞い――――
「あーーー! オクトー、こんなとこにいましたわーーー!」
うるさっ!?
「騒音。お嬢様、はしたないです。淑女の慎みを持ってください」
「なにをおっしゃいますの! わたくしは完璧なレディですわ――――あれ? オクトー、いつもの雰囲気に戻ってますの? もしかして、キャラブレですの? キャラが迷走中ですの?」
「…………肯定。そうです」
あ、説明が面倒な感情が伝わってきた。
「まあまあ、オクトーってば思春期の子みたいなことを。ふふ、これは皆様にも知らせて――――あーー、オクトー! 返してください。わたくしの端末取り上げないでください!」
「無視。そんなことよりお嬢様。お連れのお客様を放置しています」
「あ、そうでしたわ」
眼鏡かけた理知的な女の人。ずっとうしろで苦笑いしてたね。
「こちらは鑑定士の方。――――オクトーの『魂力』を調べてくれますわ」
魂力? なにそれ?
イクシーヴァ家に侵入する者はミニオクトーたちから熱烈なおもてなしを受けます。
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