Ep.14 調子に乗るのはBADルート直行便です
申し訳ありません!
十二話の予約投稿がされていませんでした!
話が飛ぶようになるので、お手数ですが十二話から先に読んでいただけると幸いです。
「赤い流星だか、赤い竜さんだか知らないけど、ひとつわかることがある――――あいつ、ヤバいよねぇ!」
駆動系安全装置解除。判断即応。一目散に全力逃走中。
当機が一度使った機能をすぐさま使いこなしますか……。
それと肯定、対象は『深淵の王』と呼ばれる『突然変異個体』
数百年に一度現れるはずのダンジョンの災厄です。
ちなみに前回出現が確認されたのは十年前です。
「数百年に一度じゃないじゃん!? けっこう直近に出て来てるじゃん!」
原因不明。過去に何度か同じような事例がありましたが、どれも原因が解明されていません。遭遇率は百億分の一。天文学的数字で起こる不幸な事故です。
「なんで俺達がダンジョンにいる時に限ってーーー!!!」
回答。ハチがいるからじゃないですか?
「……………………」
驚愕。え? なんですかその沈黙は?
適当に言ったのですが、まさか心当たりが?
「話せば長くなるから省くけど、これだけ言わせて――――
クソ神モドキども、よくもやってくれやがったなーーー!!!」
思考共有。いま邪悪に嗤う三人の悪魔のイメージが伝わってきたのですが、これは一体なんでしょうか?
「邪知暴虐な超常存在さまだよ! 俺をこの世界に落とした元凶どもだ!」
…………虚偽反応ゼロ。まさか、ハチは本当に異世界から来たというのですか?
「最初からそう言ってるよねぇ!――――ッ。あぶなッ!?」
熱線通過。【炎鬼】の主兵装『炎霊魔銃』による一撃。回避に成功しました。
…………疑問なのですが、なぜハチは背後からの攻撃を躱せるのでしょう?
完全に死角ですよね。背中にセンサーでもついているのですか?
「勘だよ、勘! ――――やばい、くる!? はやっ!?」
敵機高速接近中。遠距離からの攻撃では効果がないと判断したようです。
アフターバーナーを噴射して高速移動しています。
距離は徐々に縮まり――――接敵、いま。
『炎霊熱剣』展開。斬撃きます。
「ビー〇サーベルじゃねぇえかああああぁ!!!」
訂正要求。へんてこな名前で呼ばないでください。『炎霊熱剣』です。
「いま名前にこだわってる暇ないよねぇ!――あぶっ、あぶっ、あぶなっ!」
<GAAAAA!>
…………超高速機動戦闘。
当機には連続する光の線にしか見えない剣閃ですが、ハチは回避し続けています。ここまで被ダメゼロ。本当によく避けれますね……。
「ははは! 動く動く! イメージ通り避けれる。これなら――――いける!」
「GAAAA!?」
心なしか、エースゴブリンの声から焦りが見えます。
「なぜ当たらない!?」という声が聞こえてきそうです。
「ハッ! ご自慢のイグニスなんとかも当たらなければ関係ねえな!」
<GAAAAAAAAA!>
「吠える暇があったら当ててみろ! ま、無理だけどな。こっちはテメエの挙動を見切ったぞ!」
<GAAAAAAAAAAA!!>
「どうした、どうしたぁ! 早く当てないと逃げちゃうぞぉ?」
<GAAAAAAAAAAAAAA!!!>
通告。煽る余裕をみせる調子に乗ったハチにお知らせがあります。
悪いお知らせと、とても悪いお知らせ。どちらから聞きたいですか?
「良いお知らせさんはどこにいったの!?」
行方不明。良いお知らせ様は所在不明なので悪いお知らせ様から伝えます。
――――『深淵の王』が出現した時点で出口は消えました。
退路はありません。エースゴブリンを討伐しなければ脱出は叶いません。
「マジか!? ならコイツをどうにか倒して――――」
次に、とてもお悪い知らせ様です。
全力機動による回避行動を続けた結果。第五霊石の消耗が激しく、まもなく尽きます。
「つまり、どういうこと!」
つまり――――もうすぐ活動限界が来ます。
「え?――――あ、身体が動かな、い…………」
警告。『炎霊熱剣』、眼前に迫ります。
「避けない、と――――」
体内第五霊石残量ゼロ。仮死形態に入ります――――。
次の投稿は12/16の7時ちょうどからです。
時間をずらしました。




