Ep.12 グリーンデーモンとはちがうのだよ!
予約投稿がされてないことにいま気づきました!
先に13話・14話を投稿してました! すみません!
――――って、オクトー! ゴブリンロボがこっちに向かって走ってきた!
「分析。考えなしに肩部キャノンを撃ちすぎたようです。熱暴走を起こして、接近戦に移行したと予想。――――素人ですね」
――なんだ? なんかゴブリンロボの動きがゆっくり見えて……。いや、ゆっくりなってるのは……世界? それに視界に見えてるのはターゲットマークか?
「【時間膨張】起動。目標補足。ようこそお客様。コートを脱ぐのをお手伝いします。『五連射』」
はや!? なんちゅう速さのボルトアクションだよ!?
速すぎて手がブレて見える!
「全弾命中。メイン・サブカメラ、両足、動力源の破壊を確認。――――コックピットハッチ開きます」
へ? コックピット? ――――ッ!? 機体前面が開いて、パイロットスーツ着た歴戦風ゴブリンが出てきたーーー!?
<GYA……GYAGYAGYA…………>
「肯定。ええ、貴方の敗因は初手で当機を破壊しきれなかったことです」
<GYAGYA……GYAGYAGYAGYA…………ッ!>
「否定。何度やっても結果は同じです。貴方程度に負ける当機ではありません」
オクトーさんカッコよ……(キュン)。けど、なに言ってるかわかんない……。
ねえ。俺、ゴブリン語会話履修してないから翻訳プリーズ。
「不要。大したことは言ってません。では――――」
あ、ゴブリンの頭に銃口を合わせた。
「逝ってらっしゃいませ」
撃った! うわ、グロ――――くない?
光の粒子に散っていったよ……。
「当然。相手は魔法生物です。死ねばエーテル体に還るのは常識です」
ごめん、俺って異世界人だからこの世界の常識は詳しくないの。
「呆れ。まだハチはそんなイタいことを言っているのですか?」
イタい? え、なんのこと――――
「む? 敵機補足。センサーに感あり。先ほどの同型機が出現。その数、十機」
また現れたのか!? しかも多い!
これ逃げたほうがよくない!?
「心配無用。すぐに片付けます――弾倉交換。出力調整。
IAー八式狙撃炎霊銃『ほうき』の由来。お見せしましょう」
銃身が燃え出した!? なにそれ、かっけぇ!
「敵機散開。こちらの考えに気づき、密集による一網打尽を避けたようですが――――無駄です。第三霊石出力全開。目標補足。左端から右端まで捉えました」
ロボットアニメみたいなロックオン表示が出た!?
「汚物消毒。ゴミはすべて焼き払い――――薙ぎ払います」
ビームで薙ぎ払ったーーー。ゴブリンロボすべて爆散したーーー!?
このメイドさん豪快過ぎない!?
「殲滅確認。戦闘モード解除。銃身冷却開始。これでしばらくは湧いてこないでしょう」
わぁ……。一面焼け野原。
ゴブリンロボ跡形もなく消し飛んでら……。
「通話開始。――――お嬢様。本日の装備でこれ以上の戦闘を継続するのは困難かと具申します。帰還の許可を――――お嬢様? 聞いてますか? ……応答なし。これはゲームに夢中ですね…………」
あのニートは、あれだけの戦闘があってもゲームやってんのか……。
大物なのか、能天気なのか…………。
あと、配信やってる話だったけど、あれどうなったんだ?
「予測。おそらく配信は放置してますね。――――仕方ありません。【森鬼】の残骸を漁りながら待ちましょう。それと、お嬢様は能天気の方です」
オクトーは苦労してそうだな。
でも、漁るといっても大丈夫なのか? 敵出てきたりしない?
「否定。ありえません。ここまで地形を破壊すればダンジョンのリソースは修復に回されて、しばらくリポップは停止します」
へぇ~。じゃあ、いまは安全なんだ。
「肯定。天文学的に運が悪くない限り、大丈夫です」
なんか気になる言い方だけど、そこまで言うなら大丈夫か――――
≪貴様が生存する間、常に【不幸】が襲い続ける≫
――――ッ!? …………なんで今クソロン毛の言葉思い出した?
それにこのザワザワする感じ――――ヤバい!
「通告。ハチはこちらの心配よりも自分の心配をしたほうがいいです。当機はダンジョンから出たら真っ先に、ゴーストをバスターするものたちを呼んで――――」
オクトー、交代だ!
「ッ!?」
◑【∞ → 8】
辟易。また意識が切り替わりました……。
いったいなんですか……。当機の身体を好き勝手操って。
「そんなこと言ってる場合じゃない! なんかわからないけど――ヤバい!」
抽象的。ハチの発言は曖昧で根拠が示されてません。
なにがヤバいのでしょうか? 当機のセンサーには脅威になる反応はない――――
「くる!」
ッ!? ――――……回避成功。直前にいた地点に巨大物体落下着地を確認。
塵芥が晴れて、姿が現れます。個体識別開始。【ライブラリ】からの回答――――来ました。
全身を赤く染めたこの機体は――――『突然変異個体』。
『特殊強化外骨格:鮮血塗装型エースゴブリン【炎鬼】』
【森鬼】とは隔絶した性能を誇り、別名を『赤い流星』と呼びます。
「え? 赤い彗星?」
否定。赤い流星です。




