Noma&Sin side 戦争直前の雑談
「まさか宣戦布告叩き付ける前に向こうから来るなんてな」
「どっかで組むとは思ってたが、まさか今とはな~」
ここは、戦場にもうすぐなる場所。
しかし、おかしいのはそこに学生もいることだ。指揮官は貴族が務めており、徴兵した兵士たちが大勢だが…その中にノーマやフィン、その学友たちがいた。
ことことに関しては、ひと悶着があった。
国力が終わってる以外はマトモなウィーカルム王国は、もちろん学生を武力としてカウントするなど言語道断だった。
だが、他でもない学生自身が参加を表明したのだ。全員ではなかったが、それでも学園のほぼ全てに近い。
「王妃様なんて猛反対してたよな」
「俺が説き伏せたけどな」
剣や鎧を久しぶりに装備しつつ、ケラケラと笑い合う二人。緊張を隠せていない周囲とは違って異様ではあったが、落ち着かないのを誤魔化すための空元気と捉えられたようだ。
「なー、お前の『消去』で敵軍全部消せたりしない?」
「無茶言うなボケ、反動で俺が消えるわ」
異能はノーリスクではない。素質や修練によって程度は変わるものの、万能には足り得ない。
「敵軍多いなー」
「なー」
「でも中々攻めてこないな」
「宣戦布告してきたのにな」
「両国の誤算は、我が国も開戦準備を進めていたことだろうな」
「殿下」
パッと突如現れたのは、ウィーカルム王国の王子たるグウェインだった。『転移』の異能だろう。何しろ、ここに運ばれた武具や食糧などのほとんどが彼の異能で『転移』させられた物だ。
王位継承者がその姿を現したことで、注目が集まり辺りがざわめく。
「殿下、なぜここに…!?」
指揮官の貴族が代表して驚きを口にする。
「戦争が本格的に始まったら、私は後方支援しかできなくなってしまう。その前に、君たちの顔を見ておきたくて」
「そんな…」
「危険な戦場を君たち任せにしてしまうこと、心苦しく思うよ」
胸に手を当て、兵士の身を憂う表情は、彼らの心を掴むのに十分すぎた。
「何を仰いますか!」
「我々は今まで育ててくれた父と母、そしてこの国を築き上げた王族の方々を守りたいのです!」
「戦場まで足を運び、その御力を使って物資まで届けてくださって、私たちのことまで気にかけてくださるなんて…!」
「お優しいグウェイン殿下…一生付いていきます!」
その様子を端から見ていた二人は、
「「殿下の人心掌握術パネェ~~~~~~~…」」




