表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

僕はマスクが外せない 1限目


僕の初めての恋は突然始まった。

 4限目授業終わり、皆がそれぞれ自分のお弁当を持ち高校も2年生で、ある程度グループという物が出来ていた。

 ところが僕は何処にも属することも無かった。いや無かったのでは無い。”出来なかった”が正しいのかもしれない。

 その日も1人自分の机でお弁当のふろしきを解いていた、その時だった。

「それほんと?凄いね〜w」

 クラスで言う一軍と言ったらいいのだろうか。そのグループが僕の目の前の机に集まって話していた。

 こういう事は何度かあったしその日も少し机を後ろにずらしやり過ごそうとしていた。

 その時一軍の中でも中核となる一軍の人物が僕の机に当たって僕の箸が落ちた。

 

 その人物が僕が初めて恋をした人―柊あおい―であった。

 

 柊は人当たりが良く誰にでも仲良くできて俺とは対照的な正にクラスの光だった。誰にでも優しく、そして綺麗であった。モデルをやってても誰も「嘘だ」なんて言わないであろうルックスをしていて、そして何より光っていたのが、その整った顔立ちであった。


 柊「ごめんね…当たっちゃって…お弁当大丈夫?」


 その一言がクラスのどこにも属せなかった俺にはあまりにも優しくて、そして暖かかった。


 俺「だ…大丈夫…気にしないで……」

  案の定キョドる、そして、いつもなら同時に自己嫌悪に浸る所だった。


 柊「よかった…!!ほんとにごめんね!!皆〜中庭で話そ〜」


 その時僕の初めての恋心は柊が落とした箸みたいに簡単に”落ちた”。


 何気ない言葉がここまで暖かくそして鼓動を早くしたのも初めてだった。


 これが柊あおいに恋をしたと分かった。初めての時間だった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ