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エピローグ

あの日から数ヶ月。俺は高校三年生になって受験勉強に勤しんでいた。そして花蓮は高校二年生になって文芸部の部長になった。とは言っても、新入部員が誰も入ってこなかったから、結局花蓮一人なんだけど。


「受験勉強は捗っていますか先輩?」


「まぁぼちぼち。花蓮こそ部誌の作成は進んでるのか?」


「もちろんです。先輩との初体験を題材にしたこの小説は渾身の出来と言っていいでしょう」


「え、あの時のことを書いてんの!?」


「ええ、私にとってあの時間は本当に素敵な瞬間でしたから。先輩はそうじゃなかったんですか?」


「い、いやそれは……め、めちゃくちゃ良かったけどさ」


「ふふっ、そうですよね。まぁ、本当にそれを部誌に載せるつもりはないんですけど」


「な、なんだよ……びっくりさせやがって」


「びっくりする先輩は本当に可愛いですね。そうだ、受験が終わったらまたどこかに旅行に行きましょう。今度はもう、邪魔者も絶対に入りませんから」


「……だな」


 温泉旅行の一件以降、真衣は二度と俺たちの前に姿を現さなかった。風の噂だと今も入院をしていると聞くが、かつての明るさはもう完全消失しているらしい。


 そして、夏樹は退院こそしたものの、あいつはあれを切られたショックがでかすぎて退院してから一度も登校することなく退学した。そして今は家でひきこもりになっている。正直、ざまぁとしか思えない。


 事件のことに関しても、なぜか花蓮が犯人だとは一切バレることはなかった。どうしてバレないのか俺にはよくわからなかったが、それは聞く必要のないことだと思って未だに聞けずにいる。


「事件のこと、思い返しているんですか?」


「……まぁな。花蓮が捕まるんじゃないかって恐怖は、正直あるし」


「その心配はご無用ですよ。でも、もし捕まったとしても先輩は出てくるまで待っててくれますか?」


「当たり前だ。俺はもう花蓮とずっと一緒にいるって決めたんだから」


「そう言ってくれて嬉しいですよ。ぎゅー、してあげますね」


「おわっ!?」


 花蓮に抱きしめられてついついびっくりしてしまうものの、俺も花蓮のことを抱きしめ返す。ああ、やっぱりこうしていると落ち着く。今の俺にとって、花蓮の存在は本当に必要不可欠なんだ。


「大学生になっても、浮気しちゃダメですよ」


「するわけないだろ、花蓮がいるのに」


「ふふっ、そうですよね。それに、もし浮気したらちょっと痛い目にあってもらうかもしれないですし」


「それは説得力がありすぎて怖いな……」


「でも、先輩はそんなことしないってわかってますから。これからもずっと、一緒にいましょうね」


「……ああ」


 そして俺たちは抱きしめあいながら、お互いにキスをした。これからもずっと一緒にいるって、誓いを込めたキスを。


 (終)

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