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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

愛しい人よ、さようなら

作者: 東雲 環奈

世界はただ私を中心に回ってると思っていた。

だから、私が一目ぼれした彼が婚約者になってうれしかったし、友達も沢山いた。

順風満帆って言っても過言ではなかった。

わがままを言う私に少し困った顔をしても私の我ままは聞いてくれた彼。

手を少し握ったらびっくりして困った顔をして


「しょうがない お姫様ですね」


といっては握り返してくれた彼。

毎日が幸せすぎた。


けど 彼女がきてからかわった。

少し変わってる彼女は最初は嫌われていた。

でも段々変わってきた。

最初は彼女を嫌っていた私の周りの友達も段々笑顔になっていた。

そして彼も・・・

彼は彼女の前で私に見せたことのない笑顔で笑っていた。


彼は相変わらず私に甘いけど、何かが違うと一歩引いてみている。

やはり違うのだ。彼女といる顔と私といるときの顔が、

そう思うとどんどん疲れて行った。


放課後聞いてしまった。

私がいないところで彼女と彼が話してるのをきいてしまったのだ。

彼が  愛してる という言葉が聞こえた。


どーしてでしょう?

何がいけなかったのでしょうか?

彼に構った欲しくて わがままをいったのがいけなかったのでしょうか?


その瞬間 私の中でなにかが壊れてしまった気がした。


壊れていく私を心配してる彼が愛おしかった。

彼女とどんどん会話が増えていく彼が憎かった。


もう終わりにしよう。

今日は 婚約した記念日だった。

いつもこの日にお祝いをして来年 彼が卒業したら籍をいれる話になっていた。

だから かけをしたの


だっていつもお祝いをする日だよって言うのは私。

プレゼントを用意するのも私。

だからね かけをしたの。


私は紅茶に一滴のしずくを垂らした。

段々 身体をむしばんでいく毒をのんだ

勿論 解毒剤はあるわ

でも 婚約した記念日までに飲まないと死んでしまう毒


彼女にはね

少しだけ怪我をしてもらったの。

死なないけど1か月2か月で治る怪我。


彼が私との約束を忘れてそちらに行くのかをかけたの

そしたらね 案の定 そちらにいったの

あぁ やっぱりもう終わりなのね。


さようなら愛しい人。



私の最後の日

右手の手が温かった。

誰かが握ってくれてるみたいだった。

そして、誰かが泣いてる。


私は 繋がった手の暖かさに何故か涙が溢れた。

もう何も感情がわかない。

その時私の恋は終わったのだ。


「ああ、うまくいかないね、なにひとつ。全部終わっちゃった。」


…愛しい人よ、さようなら。


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