8-10. レベルアップとプチ改修(2)
≡≡≡≡ステータス ③≡≡≡≡
☆プレイモード☆
モブコース(好意値半減)/友情
称号効果 +25%
☆交遊 (PL)☆
◆エリザ・テイラー : 公爵家令嬢・学生・ルームメイト
◆サクラ・C・R : 子爵家令嬢・学生 ※誕生日 07/07
◆エルミアさん: 男爵家令嬢・学生
◆リーナ2525 : ショップ 『リーナの万屋』 店長
◆ねこねこねこん : ショップ 『Mon Chaton』 店長・猫型獣人
◆アイリス・グリーン : ショップ 『アイリス&ヴェーナ』 店長
◆ののみや しの : ショップ 『志乃』 店長
☆交遊 (NPC)☆
◆エルリック・クレイモア : 王子
(好意値)1,253 (友情値)1,060
◆ジョナス・ストリンガー : 侯爵家次男
(好意値)1,283 (友情値)720
◆ミシェル・ブロックウッド : 伯爵家長男
(好意値)1,190 (友情値)850
◆イヅナ・T・J・クルス : 海運王家・男爵家長男
(好意値)615(友情値)730
≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡
「おおっ!?」
ステータス③ 『交遊』 画面を開いた俺は、思わず驚きの声をあげた。
「プレイモードが 『モブコース』 に変わってるぅ!」
「をんっ♪」
チロルが黒く濡れた目で俺を見上げ、しっぽをパタパタと振る。
【以前から、コース名の変更については運営サイドも検討していたようなので、今回は対応早かったですねwww】
「なるほど、運営も気にしてたんだな!」
「あなたのせいじゃないの、ヴェリノ」
エリザはこう言うが、まさかだよな。
俺、攻略掲示板なんてものを見たことすらない、ただの一般ユーザーだし……
(大体、日常メインのゲームで何を攻略するんだか)
「確かに 『モブコース』 はあってもおかしくないですね」
サクラが納得したようにうなずき、チロルがチョロリと舌を出した。
【そもそも 「モブ」 を設定した所で敢えて選ぶプレイヤーがいるのか、「恋愛なし」 の方が分かりやすいんじゃないか…… ということで、あの名称だったのですがww
ヴェリノさんが今回やっちゃいましたからねww 運営としては大慌てですよwww】
「えっ……」
絶句。チロルまで、俺のせいで運営が動いた、とでも言いたいのか?
「ふっ…… モブを侮る者はモブに泣く、と」
エリザが扇で口元を隠しつつ、名言ぽい何かを吐き出しているが、いやいやいや。
…… 単に初心者ユーザーひとりのためにとか、絶対にないから!
「ま、いいじゃん! 次行くぞ、次!」
改めて交遊画面を見直すと……
おお、そっちも名前が増えてるな。
エリザが魔法の杖でツンツン、とそれをつついた。
「誰よ。『エルミアさん』 って」
「あーそれは……」
後夜祭で話しかけてきてくれた女の子のことだろう。
「学園祭でスチル撮って、後夜祭で話した子だと思う。若草色の髪と尖った耳の、キレイ系な美人さんだけど、知らない?」
「ああー、エリザさんが遠目に見て 『男女かまわず引っかけるわね』 ってイライラしてた時の」
「べっ別に、イライラだなんて……っ!」
サクラがぽん、と手を打ち、エリザの顔が扇の陰に隠れる。
「あの女とヴェリノがやたら親しげに話してるのを見たから言ったわけじゃないのよ!?」
おおー これは。
思わずエリザの赤くなった耳に注目する俺。
――― 脳内では 『エリザかわいい祭り』 が開催されてるんだけど。
やっぱり、なんか、言えない件!
ひそかに身悶えしていると、エリザがこほん、と咳払いした。
「いいから、さっさとNPCをお出し!」
「お、おう! そうだな」
急いで画面を下にスクロールして。
「………… おお…………」
俺は、絶句した。
エルリック、ジョナス、ミシェルの好意値が1,000超。イヅナもなんだかんだ、順調に数値が上がってる。
「明らかに 『お友達でヨロシク』 宣言に効果はなかったみたいですね」
わざわざ解説を加えてくれるサクラ、明らかに嬉しそうだ。
「い、いや…… あいつらには判断力があるんだ。きっと、自制してくれるに違いない!」
「…………ふふふふ。今後が楽しみです」
おっとりとしたサクラの笑みが、なんだかこわい。
「こうなれば」 と、エリザがさらに怖い発言を繰り出した。
「次は合同プロポーズに合同結婚式ね」
「い、いや…… 100歩譲って合同プロポーズは仕方がないとしても、それ断ったら結婚式にはならないだろ!?」
「大丈夫ですよ」
ニコニコと保証する、サクラ。
「結婚式なんてウェディングドレス着て教会の前でスチル撮るだけのイベントですから……」
実害は無いんですからプロポースは是非ともOKしちゃいましょう、と言うサクラの夢見る瞳が…… 間違いなくかわいいのに、なんでだかやっぱり怖い。
「……い、いや。俺はやっぱり、NPCの理性と思いやりの心を信じるぜ……!」
そうだ、あいつらならば絶対に大丈夫なはずだ。
――― 信じるんだ、俺! 信じろ……!
「じゃ、次のお休みは予定通り、皆さんでピクニックですねー」
「心配しなくても、ヴェリノは普段通りでいいのよ。天然王者ですものね、おーほほほほ!」
サクラとエリザの楽しそうな声を聞きながら、繰り返し、自分に言い聞かせる俺であった。
読んでくださり、ありがとうございます!
これにて後夜祭終了です。
以後はほのぼの日常みを強めつつ、それなりに恋愛イベント(笑)も起こせたらなー、という感じで考えております。
再開予定は来週末です。少し間あきますが、お待ちいただければ幸いですm(_ _)m
ではーーー!
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台風お気をつけてーーーー!!!