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12-13. キャンプ村モニターのバイト(13)~温泉心得と湯煙~

「水着なのか?」


【いえ。温泉では服は身につけませんwwww 入ったら、自動的にハダカになるので、脱衣の必要はないですがwwww】


「それって全年齢対象じゃないんじゃ……」


【大人のお姉さん向け有料オプションを除き、基準は満たしてますのでご安心くださいwwww】


「む、むしろ…… その大人のお姉さん向けオプションが超気になるんだけど」


【ダメですよwwww】


 こんなやり取りをチロルとコソコソ交わした結果、分かったのは……


『 マジカル・ブリリアントな温泉心得


(1)温泉では裸になろう。

(2)服や持ち物は浴場に入ったら一時的に自動オフされる (脱衣場ナシ)。

(3)けれども、浴場で欲情するような仕様ではないから安心 (除・大人のお姉さん向けオプション)。 』


 たったこれだけ……!


 俺はいい。もともと付いてるもんも付いてないこの身体(カラダ)で、恥ずかしいも何もないからな!

 むしろ、もしかしたら、このゲームでだけ付いてる2つのモノを生でプニプニできるチャンスじゃないか、とかそんなことまで考えてしまっている (ダメダメ!)。


 別に、NPCたちもいい。あいつらとは良い友達になれたし、今日のお昼に 『そういう意味』 で付き合う約束もしたばかりだが…… 正直な話、あいつらの肉体には 『そういう意味』 での興味は1ミリも湧かないからな!


 しかし、問題は……

 サクラ…… はまだ、意識せずにいようと思ったら意識せずにいられそうな気がするとして、問題は……


 エリザ (服オフ状態) が目の前にいて、俺は平常心を保てるだろうかっていう、それだ……!

 嬉しいんだけど嬉しくないというか、恥ずかしすぎて見たくないんだけどやっぱり見たいというか、欲情するところまで見たくなって夜寝られなくなったらどうしてくれるんだ、とかいう、そういう悩みが……


 じっと、浴場の扉を睨みつける俺。


 ――― この中にはすでに、エリザもサクラも、NPC(男の子)たちも入ってる。


「わあっ 素敵です」 というサクラのコメントや 「ま、認めてあげてもいいわね!」 というエリザの高飛車な声が漏れ聞こえてくる。


 ――― 激しく入りたいが、一方ではなかなか勇気が出ないっっ!


【まぁまぁww もっと気楽に考えてくださいよww 大したことありませんからwwww】


 チロルの激励と、ミシェルの 「お姉ちゃん、早くぅ……!」 という声に励まされて、やっと浴場に一歩踏み入れた途端……


「をを!?」


 ブーツに被われていたはずの足が、素足になった。

 シャツやパンツ、身体を覆っていた衣服が無くなって、すっぽんぽんになった体に熱い湯気が纏いつく…… うーん、これだけでもう、気持ちいいな!


 そして、これはもしかして、ついにチャンス到来では!?


 慌てて胸に手を持っていってみるが、湯気が当たるばかりで、生のマシュマロ感からは程遠い。


「くっ…… もう少しな気がするのにっ」


「をんっ!」


 しつこく挑戦していると、チロルに尻尾ではたかれた。


【イケないところはこの湯気がしっかり隠しますので、ご安心くださいww】


 鏡を見れば確かに、胸やお尻あたりの主要な部分は、絶妙な透け感の白みがかったモワモワで覆われている……。


【ナチュラルさにも配慮してますww】


「そ、その…… もう少し、不自然でもいいかな、と…… 俺はそう思う」


 見えては、いない。

 見えてはいないんだが、その……。


 ついつい、前かがみになってしまう、俺であった。

 ――― エリザの方は、見ないことにしよう。





「うっわー! 広い!」


「お姉ちゃん!」


 メインの大浴場に入ると、モヤモヤした湯気を纏いつかせたミシェルが走ってきた…… 隠すべき場所は隠されてるのに、なんだか照れちゃうな。夜目にも白い肌がなまめかし…… いや、何を考えてるんだ、俺ったら!



「300年前の 『スーパー銭湯』 を模してみたんですよ、お姉ちゃん。色々なお風呂があって楽しそうでしょ?」


「ほんとだ!」


 ミシェルの言う通り、浴場の中にあるのは色々な形、色々な機能がついた風呂だった。

 大理石の浴槽に持ち手と枕がついていて寝転んで入れる風呂や、泡がモリモリと浮いてくる風呂、水流がある風呂など…… つい試してみたくなるのが満載だ。


 一番贅沢なのは、やっぱり木で造られた浴槽だな! 入るとすごく良い香りがする。


総檜(そうひのき)造りですからね。リラックス効果満点です…… あ、あっちは電気風呂なんですよ!」


 ミシェルは風呂にほんの数十秒入って、ぱっと出て次の風呂に行くので、俺も忙しい。


「電気風呂?」


「ピリピリします」


「どれ…… うぉぉぉぉ……」


 お湯の中に入ると、全身が軽く痺れる感じの刺激が襲ってきた。


「こ、こ、これは……?」


「血行促進効果ですよ。最初はビックリしますけど、段々クセになってきますから」


 段々、と言いながらも、ミシェルは電気風呂からも30秒くらいでサッと上がってしまった。


「さー、次は岩盤浴行きましょうっ! そこでみんな、待ってますよーっ」


「ちょっ、待てっ……」


「お姉ちゃん、早くぅ」



 ――― 俺、まだ湯気姿のエリザやサクラと会う自信が、ないんだけどーーー!?


※145部分・146部分誤字訂正しました!ご報告下さった方、どうもありがとうございます!

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◆日常系の異世界恋愛作品です◆ i503039 

バナー制作:秋の桜子さま
― 新着の感想 ―
[良い点] いやいや素晴らしい☆彡 [気になる点] >生のマシュマロ感からは程遠い。 ぇ~ Σ( ̄□ ̄|||)ww [一言] 間咲様の感想に爆笑しましたww さもありなん (`・ω・´)シ☆彡
[良い点] ビミョーに見えない方が、ヘタにゼンブ見えちゃうよりも悶々としちまうっていう……アレですかねえ。(笑) まあ、その気持ちは分かる気がするぞ、ヴェリノくん。 [一言] どこぞの魔王「スーパー…
[良い点] 「浴場で欲情」とはまた! 上手い事言いますなぁ笑 こういう日本語遊び(外国語のもあるけどさ)大好きです (*'▽')ノ してな! 毎度ながらのチロルの対応と来たらよ! 的確なアドバイスと…
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