10-10. レベルアップと女心(2)
≡≡≡≡ステータス ②≡≡≡≡
☆持ち物☆
制服★ レースのドレス 海軍制服 浴衣(紺) 学生バッグ★ 普通の靴★
潮干狩り基本セット スチル用フレーム♡ 記念ボールペン(虹) 名刺 竜の涙(極小)50g 王室印・花のキャンディー缶
Pブラシ Pトリミングセット(バリカン付) Pフリスビー
B『犬種別☆おしゃれカット集』
B『ヴェリノのお料理メモ (焼きそば)』
T『ミラクル・リゾートへの旅』2枚
☆称号☆
◆潮干狩り初心者 ◆なりそこないライフセーバー ◆企画初心者 ◆生き物ふれあい中級者 ◆幸運の使者見習い・初級 ◆恋愛強者 ◆諦めない心 ◆ミス学園祭 ◆テイマー見習い・初級
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「あれ?」 と俺は、声を上げた。
「レターセット(白) と 骨カルガム が無くなってる……!」
【レターセットは使いきりましたww】
ペシペシと俺の足に肉球パンチをしながら説明してくれる、チロル。
【骨カルガムも、昨日トリミングで消えましたのでww 補充してくださいねw】
「骨カルガム食べ放題って、実際には5コくらいしか食べてなかったじゃん」
【それでもww 食べ放題を許可するとは、そういうことですwww】
「な、なんと……!」
【次は骨付きジャーキーにしてくださいwww】
『骨付きジャーキー』 だと!?
高価そうな名前だな、おいっ!
「こんなことなら、自分用にお土産なんか買うんじゃなかった……!」
「それを言うなら、全員に 『花のちちふさくん』 買って配るんじゃなかった、じゃないの?」 と、エリザはツッコミ入れてくるが……
「だって、初めて皆で遊びに行ったんだからさー、記念に何かあげたいじゃん! 『花のちちふさくん』 かわいかったし!」
『花のちちふさくん』 とは、初代ガイド犬のポメラニアンが首に花輪をかけている、ストラップタイプの小さなぬいぐるみで……
めちゃくちゃ可愛いのに、なんと1コ400マルしかしないという、超お買い得品だったのだ。
「当然、買うよな?」
「あたくしなら、買わなくってよ。そんなチマチマとゴマするような贈り物を、全員に、だなんて!」
「ハッチにはあげてないぞ!」
あいつは、ニコニコ受け取っておきながら陰でゴミ箱ポイするタイプだと見たんだ、俺は。
いくらエルミアさんの趣味でも、極力、関わりたくない……っ!
「贈るなら……」
サクラがくすっと笑って、注釈をつけてくれた。
「贈る相手は、エリザさんだけにしてほしかったんだそうですよ」
「そんなワケ、ないじゃないのっ」
エリザの顔が、ぶぁさっと開かれた扇の陰に隠れる。その扇のヒモに、さりげなくぶら下がっているのは…… おおお? 『花のちちふさくん』 じゃないか!
「エリザ、そうだったのかっ!?」
もしそうなら、これは、もしかして。
――― 俺にカノジョができちゃう日も近いかも!?
だだだ、だとすればっ!
お、俺、一体、どうしたらいいんだー!?
「だから、違うって言ってるでしょうっ」
扇のフチから紫色の目が、上目遣いに睨んできた。
「そもそも 『花のちちふさくん』 はプレゼントにすると、値段の割に好意値の上昇がかなり良いので有名なアイテムなのよ? そんなの、攻略対象全員に配った方が良いに決まってるじゃない!」
「あー、なるほど……」
つまり、エリザは。
――― 上から目線な態度を取りたくて、最初の 『チマチマと配るなんて』 発言をした。しかし、実際には全員配布の方が良い、という事実に思い当たり、自分の間違いが自分で恥ずかしくなった…… と、そういうことだな! (名推理)
――― ふーっ、ウッカリ勘違いして、エリザに 『俺も好きだ!』 とか言っちゃわなくて良かったぜ!
気持ち悪がられるとさすがに悲しいからな…… 危なかった。
「だよなー!」
ヤレヤレと胸を撫でおろし、俺はエリザに調子を合わせた。
「やっぱ全員に配った方が良かったよな!」
「ふんっ、当然よね!」
そんな俺たちのやり取りをニコニコ見守っていたサクラが、 「じゃあ、交遊関係のチェックしましょうか」 と、話題を変えてくれた。
サクラってやっぱりヒロインなんだなー、とこういう時思う。
気が利く! かわいい! 控えめ愛されキャラ! …… イヅナとの幸せを、ぜひ応援したいところだ。
だが、まぁ、それはさておき。
「よっしゃあ! いきますか!」
俺は勢いよく指をスライドさせ、画面を動かした。
≡≡≡≡ステータス ③≡≡≡≡
☆プレイモード☆
モブコース(好意値半減)/友情
称号効果 +25%
☆交遊 (PL)☆
◆エリザ・テイラー : 公爵家令嬢・学生・ルームメイト
◆サクラ・C・R : 子爵家令嬢・学生 ※誕生日 07/07
◆エルミアさん: 男爵家令嬢・学生 ※誕生日 05/10
◆リーナ2525 : ショップ 『リーナの万屋』 店長
◆ねこねこねこん : ショップ 『Mon Chaton』 店長・猫型獣人
◆アイリス・グリーン : ショップ 『アイリス&ヴェーナ』 店長
◆ののみや しの : ショップ 『志乃』 店長
☆交遊 (NPC)☆
◆エルリック・クレイモア : 王子
(好意値)1,810 (友情値)1,544
◆ジョナス・ストリンガー : 侯爵家次男
(好意値)1,942 (友情値)1,007
◆ミシェル・ブロックウッド : 伯爵家長男
(好意値)1,742 (友情値)1,126
◆イヅナ・T・J・クルス : 海運王家・男爵家長男
(好意値)1,021(友情値)1,377
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【ジョナスの好意値が500以上、ミシェルとエルリックが500近く、イヅナは好意値はそこそこですが、友情値が500以上upしましたwww】
ガイド犬の解説に、「頑張りましたね」 「今さら驚かないわね」 と、口々に言う、サクラとエリザ。
―――― いや、俺はびっくりしてるぞ。500っていうと、学園祭超えてるじゃないか!
「上がりすぎだろ!?」
チロルが前肢をきちんと揃えてお行儀良く座り直し、わうっ、と吠えた。
【称号 『ミス学園祭』 の効果が、しっかり効いたみたいですねwww】
「あっ……」
『ミス学園祭』 の効果は、恋愛イベント発生率+30%だった。
たかだか発生率、たかだか30%……とナメて、すっかり忘れ去っていたが。
【たとえば発生率5%のレアイベントでさえ、35%に底上げされてしまいますからwwww】
「もしかして、弁当にアタる確率も?」
恐る恐る尋ねれば、チロルが尻尾を振りながら、ぴょんぴょん跳びついてくる。嬉しそうだな。
【はいwww もともと、落ちた弁当の拾い食いは50%の確率でアタるのでwwww】
「じゃ、足して80%!? って、ほぼ確定だったんじゃん!」
【はいww 詳しくは申し上げられませんが、その他にも、けっこうイロイロ発生したんですよwwww】
「うぉぉぉぉ……」
頭をかきむしる、俺である。
「むしろ、良かったじゃないですか」
サクラが優しく、ガイドのトイプードルの毛を撫で、エリザは、扇で口許を隠す。
「この調子なら、学年末までに全員プロポーズ確定するわね」
「プロポーズ確定?」
「好意値が3,000、友情値が1,500以上でプロポーズ確定になるんですよ。で、学年末のダンスパーティーでプロポーズされます」
楽しみにしてますからね、とニッコリするサクラであった。
エリザが扇を胸元でゆるく動かす。
「その前に、来るんじゃない?」
「え? 誰が?」
「お誘いよ」
ああ超えましたからね、とサクラがうなずく。
「なんのこと?」
聞こうとした、その時。
「をんっ♪」
チロルが、吠えた。
【ジョナスから手紙が届きましたwwww】
読んでくださり、ありがとうございます!
ジョナスから手紙が届きましたが、それは置いといて (爆) 次回からは予告通り、閑話でお化け屋敷です!
再開は来週末予定です。
宜しくお願いしますーm(_ _)m
では!
感想・ブクマ・応援☆ いつもありがとうございます。
ちょっと早めに……
HAPPY HALLOWEEN♪
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/ OO|(・∀・) ―
`~uu′ ̄ ̄ \
10/23 誤字修正しました!報告下さった方、ありがとうございます!