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序 一番弟子

「新七」

 その日の講義を終えてから、浅見安正は門人の一人、若林新七に声をかけた。新七は書を小脇に抱え、小走りに近づいてきて安正の前で姿勢を正す。六尺を越える安正にはやや及ばないが、この男も上背はある方で、引き締まった体軀で背筋をぴんと伸ばした姿は中々に気持ちがいい。

 安正も若い頃にはそれなりに締まった身体をしていたと思うが、五十四歳になった今では随分肥満してしまった。

 新七は安正のちょうど半分の齢で、学力・熱意共に間違いなく門下で一番といってよい。正式に門弟となって三年になるが、初学者相手の講義であれば十分こなせるだろうと思われる。

 三十畳ほどの広さの講釈場には、今日は三十人ほどの門人が集まっていた。若狭小浜や播磨から京に遊学して聴きに来る者もおり、人数はその時々で異なる。多い時で四十人ほどだ。

「ツツジの弱った株が見苦しいゆえちと整えようと思う。手伝うてくれ」


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