第77話【回る精神論】
TIPS【心は記憶から作られる】
宿屋に戻って情報を整理する一同。
「まずはローブは見つかったし居場所も割れた
だがこのままじゃローブは過去に行ってしまう、と言う事だな」
「過去に行くとか言っていたけど過去には行かないと思います」
ハックの言葉に驚く3人。
「その根拠は?」
「今日、ローブの通っていた孤児院や学院を回りましたが
ローブが『変わった奴』だったと言う話は聞きませんでした
もしも未来から過去に行くんだったら行動が変になると言うのは予想がつきます」
「どういう事?」
「要するに未来の記憶が有るのなら行動は皆とは違う、っていう事を言いたいのか?」
「そうです」
「せむし男は精神をワープとか言っていたし
記憶はワープ出来ないんじゃないか?」
「・・・記憶と精神は別物なんですか?」
「どういう事?」
「精神、と言うか心って思い出で成り立つと思うんですよ
昔あった色々な出来事でこういう人になった、みたいな」
「???」
「昔の経験から偏屈になったりとかって言う話か?」
「そうそう、そういう事です」
精神と記憶は密接な関係に有り切り離して考えるのは不自然であると言うハック。
「だが精神を精神だけで切り取って移動させる事があのせむし男には出来るかもしれない」
キョクはそのハックの論に真っ向から対立する。
「何でですか?」
「そもそも肉体と繋がっている精神や記憶を過去に飛ばすと言う事が
無茶苦茶な話だ、この無茶を肯定するのなら、記憶と精神を分けると言う無茶も可能に」
「ちょっと待て二人共、ここはもう少し冷静に考えよう」
キンが議論を止める。
「?」
「私達がやらなくちゃいけない事はこうして議論をする事でも
未来だ過去だどーのこーの言う事でも無く、ローブを依頼人の元に連れて行く事でしょ」
「まぁそうだな・・・」
「でも如何やって連れて行くんですか?あのせむし男が居るから無理矢理は無理ですよ」
「じゃあ説得になるな・・・」
「如何やって説得しろと?」
「そうなんだよなぁ・・・未来には可能性が有るとか・・・そういうの?」
「そんなんで説得出来るか?」
「うーん・・・クハル爺は何か無い?」
「・・・・・」
さっきから黙って考えるクハル。
「クハル爺!!」
「!!す、すまん考え事をしておった」
「クハル爺、まさかアンタ過去に戻っても良いかなと考えてるんじゃないでしょうね?」
「・・・・・」
「・・・・・クハル爺マジですか?」
思わず敬語になるキン。
TIPS【記憶の死は心の死である】




