ある肉体ある場所で
ある肉体がこう言った
「私ならあなたを幸せにできる」
と。
それを聞いたある肉体、こう考えた。
何を以てそう考えた。
と。
ある肉体、
「ふさわしい」
と。
ある肉体、
固定価値観か。相手の何を分かったつもりになって、幸せにできると。何が相手の幸せになる。何故それで幸せにできるなどと抜かす。
ある肉体、
「それがあなたのためだ」
ある肉体、
そう考えたのはお前であり、あいつではない。とくに考えもしていない価値観を一人よがりでおしつけるな。だいたい、それはそう考えたお前がしてほしいことであり、それはお前のためだろう。いったい、何を以て相手の事を分かったなどと抜かす。
貴様は、そいつが小さき頃からこの瞬間そして変化に至るまでのそいつに関する情報を収集したか。行為、状況、変化、その他コンマ一秒単位で収集したか。
貴様は、そいつがその状況で、コンマ一秒単位で何を認識し何を感じ何を思い何を考え何を呼び何を表現したか、情報を収集したか。
貴様は、そいつがそれでどのようなプログラムを組み立てどのような部分にシフトしたか、情報を収集したか。
そして、貴様は、今、これから、先、コンマ一秒単位など生温い、それらの変化を認識し、情報を収集したか。
そして、めぐるまく変化において、変化後を予測出来るか。
そして出来たところで、それは予測。
貴様は、何を以て相手を分かったと思っている。
だいたい、貴様ではその子を幸せにはできまい。その子の幸せにお前はおらず、お前がやろうとしていることは、その子の不幸せであろう。もっとも、これも予測だが。
まあ、悲しみがあった幸福など、ゴミに等しいと、そう、言っておこう。




