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警戒
あるところに、すごく警戒心の強く腕もいい男がいた。
男は、その警戒心から、なかなか敵に捕まらず、生き延びてきた。
しかし、男は、圧倒的な力を持つ王に捕まってしまい、引きずられていった。
そこには、二人の男がいた。一人は警戒心の強い男だった。王は問う。
「お前は、今、警戒しているか?」
と。
男は答えた。
「いいえ、何故ならばあなた様の前で警戒などしても、無意味だからです。」
と。
そのとき、二人の男の横にいた雑兵が、二人の男の首に向かい剣を振るった。
一人の男は、いき絶えた。
一人の男は、生き延びた。
王は問う。
「何ゆえ、そなたは警戒している?」
と。
男は答えた。
「あなた様の攻撃は警戒していても避けれないが、警戒していれば避けられる攻撃は、避けることができる。警戒していないために、避けられる攻撃で死にたくないからだ。」
と。
王は、その片腕を振るった。
男の首は弾けとんだ。
王は言う。
「ふむ。どうやら私の腕はまだ鈍ってはいなさそうだな。」




