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第六話

祖父様が乗って来たという竜は、めっちゃかっこいい。

西洋風の竜で、色は赤。身長は祖父様の三、四倍はある。

「かっこいいー!」

前世は男同然で育った事もあり、竜は大好きです。

きゃっきゃと騒いでいると、信じられない事が。

「…………ブレン。なんだ?このちっこいのは。」

竜が喋った!?

喋る竜ってラスボス級だけじゃじゃないの!?

「この子は孫のレイラじゃ。レイラ、わしの竜、オーディンじゃよ。」

「よろしくお願いします、オーディンさん。ところで、オーディンさんは喋れるのですか?」

「普通の竜なら無理じゃが、力をつけると喋れるようになる。」

へー。ラスボス級ってのもあながち間違いではないのか。

オーディンさん凄いんだな。

「ブレンの孫………?」

じーっと観察される。迫力満点ですね。普通の子供なら狂ったように泣き叫ぶだろう。

「………にしては、顔が怖くないな。」

「何じゃと?」

祖父様顔こわっ。

普段の五割増しくらいこわい。

祖父様は少し怖いので、オーディンさんに話しかける。

「あの。オーディンさん。」

「ん?」

「今日は、祖父様と出かけるので、オーディンさんに乗せてもらいたいのですが、よろしいですか?」

ここで断られたらファンタジー生物と触れ合えない!お願いします!

「………ああ、良いぞ。小さいお前を乗せたところで大して変わりはない。」

「やった!ありがとうございます。」

念願のファンタジー生物!

「………それと、さん付けと敬語は止めてくれないか?なれてないからどうも落ち着かない。」

え、そうなんだ。竜って崇め奉られてるイメージなんだけど。違うのかな?

それに私は貴族としての教育上、敬語がデフォだから少し難しい。例外としてウィルがいるけど、その時は前世の記憶が微妙に混ざりきってなかったし、技が決まった嬉しさもあってタメ口になり、変えるのも変なのでそのままにしているだけだ。

でもオーディンさ…じゃなかった。オーディンの頼みなら、これくらいどうってことない。念願のファンタジー生物の頼みなんてよっぽどの事じゃなければ断れないしね。

「わかった。じゃあ、改めてよろしく、オーディン。」

「ああ、よろしくたのむ。レイラ。」

ところで、さっきからニヨニヨしてる祖父様が気になるんだけど。

顔が怖いのもあり、悪巧みしてる悪役のようにしか見えない。

こちらも普通の子供だったら泣きわめくね。

「………何だ、ブレン。何が言いたい。」

「ん?別に何もないぞ?さて、そろそろ行こうか。」

「はい!」

竜で空を飛べる!

祖父様は私を抱き上げ、そして驚異のジャンプ力で難なく乗った。凄い。

「行くぞ。」

オーディンが翼を動かすと、巨体がふわりと宙に浮いた。

そして、あっという間に上空へ飛び立つ。

「わぁー!」

初めて空を飛んだよ!

因みに前世でも飛行機に乗ったことない。兄弟皆で見たハイジャックの映画で、弟が怖がってしまったからだ。

「どうじゃ?」

「すっごく気持ちいいです!」

けっこうなスピードで飛んでるはずだけど、息苦しくはない。

聞いてみると、魔法を使って風の調整をしているそうだ。魔法って便利だね。

「私も早く魔法を使えるようになりたいです。」

「法律で魔法の使用が七歳まで禁止されているから、それまでは我慢じゃ。」

そうなんだよなー。七歳になると国民の義務で、皆魔力の測定を行うんだよね。一定以上の魔力

がある場合、魔石という特殊な宝石に封印することになる。一定のラインは日常生活に支障がない程度で、それ以上あると暴走する危険がある。そのため魔力を封印し、制御する術を小学校から中学校で習う。大抵はその時点で大丈夫なのだが、魔力が多すぎるために制御が難しい人もいる。そんな人達は、二つの選択肢がある。

一つは、一生魔石に封印する方法。魔法とあまり関係のない仕事に就職したい人が選ぶ。まあせっかく魔力が多いんだから、その選択をする人はあまりいない。 

そしてもう一つが、魔法学校に通うという方法。魔法学校でより深く魔法を学ぶ事で、自分の魔力をコントロールする適した術を見つける。魔法騎士や魔法研究者など、魔法に関わる仕事をしたい人が選ぶ。

魔法学校は、東西南北と中央(王都付近)の五つある。中央の魔法学校は特に難易度が高いため、家庭教師などを雇える権力が高い人が多く入学する。 

ゲームの舞台は勿論中央の魔法学校です。私もそこへ入学する予定ですね。そしてそこで私の死が決まるわけですね。

そこに入学しなければ済む話だけど、魔法学校はそれぞれ魔力のラインが決まっていて、私の魔力だと多分中央の学校にしか入れません。

じゃあ魔法学校に行かなきゃ良いじゃんと思うだろうけど、魔法に関わる仕事に就けるのは、魔法学校卒業生じゃないと駄目らしい。

せっかくファンタジー世界に転生できたのに、魔法に関わらない仕事に就くとか嫌だ!というわけで、魔法学校には入学したいのです。死亡フラグが立ってでも。

魔法学校に入学しても、キャラクター達を避け続ければ大丈夫!

………今フラグが立った気がしたのは気のせいだ。

「レイラ、ブレン、見えて来たぞ。」

「おお、そうじゃな。レイラ、あれが王都じゃぞ。」

お店、王都にあるんだ。楽しみ!

さあ、運命の武器はもう目の前です。

どんとこい!


………ところで、オーディンは何処に下ろすんですか?街に下ろすと間違いなく複数の建造物が犠牲になると思うのですが、どうしましょう。



次回、ついに武器が決まります。

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