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王国到着

剣闘士と少女の名前が決まりました。

旅は道ずれ世は情け・・・誰が言ったかは知らないがまさにそのとおりだと思う。


俺一人だったら、たぶんだが辿り着けなかったが、助けた少女のお陰で何とか国に行くことができた。


「マスターここがラギア王国です。」


「ああ、案内ご苦労リリアここがラギア王国ね・・・ってなんかやたらとでかくねぇか?俺が見たときはここまで立派じゃなかった気がするんだが?」


「何を言っているんですかマスター?はやく中に入りましょうよ。」


「あん?ああ、そうだな細かい事は気にしたってしょうがないからな」


俺はそれだけ言うとリリアを引き連れてラギア王国に入るため門を潜ろうとした。


そのときである。


「待て、怪しい奴だな。何者だ」


目の前に門番が現れた


まぁー怪しいも何も俺は上半身裸で腰に刀を差して麻袋を肩に担いでいる、リリアは元の服がビリビリに破かれていたから、俺が着ていただぼだぼのシャツを着させていた。


「旅人だ。なんか文句でもあるのか?」


「ちょっとマスターいきなり喧嘩腰にならなくても・・・・」


リリアは慌てるがその事に門番は気にした様子も無く俺が肩に担いでいる麻袋に目をつけていた。


「ふむ、旅人か・・・良いだろう。ではその麻袋の中身はなんだ?見せなさい」


「ほらよ」


麻袋の中には盗賊から奪った金が入っているだけ・・・隠す必要が無い


「ほう、かなりの金額を稼いでいるな。特に怪しい物も見当たらないし良いだろう入る事を許可しよう。」


俺とリリアは無事にラギア王国に入ることができた。


門を通過したあと早速俺たちは服を買いに行った


店に入れば店員達は訝しげに見てきたが気にしない事にした。


俺が買ったのは白のシャツに通気性の良さそうな黒のコートと黒のズボンと

ブーツを購入した。


リリアは白のシャツにこれまた通気性の良さそうな赤いコートと黒のズボンとブーツを購入していた。


ちなみに盗賊から奪った金の半分以上が一瞬で消えてしまったの割とどうでもいい話である。


「マスターこの後はどうしますか?」


「そうだな~、散歩でもするか?」


「はい、マスター」


俺とリリアは服屋を出たあとラギア王国を歩き回った。


そのお陰で、宿屋、武器屋、道具屋など色々と見て回ることが出来た。


そして、今俺とリリアはここ冒険者ギルドに来ている。


中に入ると荒くれ共が酒を飲んで暴れていたり、娼婦と呼ばれる女性が華やかなドレスを着て男たち誘惑し、吟遊詩人は好き勝手に歌っていたり、一人でちびちび飲んでる奴も居れば、冒険者が仲間を募ったりしている。

しかし、リリアにとっては冒険者ギルドの雰囲気はまだまだ刺激的が強かったようだが、かつて剣闘士だった俺には酒と血の匂いが混じるこの物騒で危うい雰囲気はとても懐かしく思えた。


しかし、ギルドに遊びに来たわけでは無いことを思い出して、緊張しているリリアを引っ張って受付のところに行く。


「ギルドに登録したいんだが?」


声をかけられた受付嬢は俺を見てにっこり笑って受け答える。


「あのねー冒険者ギルドは君みたいな子供が来るところじゃないんだよー。分かったらお家にかえんなさい」


まー言いたい事は分かる。


中身はどうあれ、今現在俺の見た目は推定10歳児の子供


そんなこと子供に何か出来るわけが無いって思われるのも仕方が無いだろう


ま、いくら実力があれど人はやはり外見に惑わされる。


だが、それの対応にイラッくるのも仕方ないよな


だから、俺は刀で受付嬢の服を切った。


「え?今何したの?」


刀を鞘に戻して一拍置いて受付嬢の服がバラバラに宙に舞い、その裸体を晒す事になった。


「きゃああああああああああああああああああああああ」


その日冒険者ギルドに受付嬢の悲鳴が響き渡った。



「いきなり何するんですか!!!!!」


立ち直った受付嬢は案の定顔を真っ赤にして俺に切れ掛かる


「何をするって・・・あんたに分かりやすく実力を見せた。それだけだ」


「そうです。マスターを馬鹿にしたのはあなたです。だから当然の報いです。」


「ふぐぅ!!で、でもほかに方法もあったはずですよね。」


「仮にあったとしてもだ、俺がそれを選ぶ理由が無いな。それに相手の実力を見抜けずに喧嘩を売ったお前が悪い。」


「うぅわかったわよ。ギルドに登録してあげるわよ。じゃあこれに名前と年齢を書きなさい」


名前ね・・・・まぁ問題無いだろう


「ほらよ」


「はい」


「えっと・・・あなたがヴァルトで、こっちがリリアね。年齢も10と14ってまぁいいわ。はいギルド登録は終わったわよ。で、何か依頼でも受けるの?それともダンジョンにでも行く?」


「まずは依頼だな。何があるんだ?」


「今のところはアニマルジャッカル退治よ。それも100匹」


「ま、良いだろう。討伐部位はどこだ?」


「討伐部位は犬歯でそれを200個集めてきて」


「分かった。良いだろう期限はいつまでだ?」


「一週間後のこの時間までよ。あとアニマルジャッカルは王国を出て南の平原に大量に出現しているわよ」


「そうか、リリア行くぞ」


「分かったマスター」


俺とリリアはそれだけ言うとすぐさまギルドを出た。


その後道具屋に行き、カバンを購入しその次にリリアのために武器屋に行った。


武器屋でリリアは俺と同じく刀が良いと言っていたが、リリア自身刀を今まで扱って来たわけでは無いので今回は刀より短く、扱いやすい小太刀にした。


小太刀が案外高くお金が底を着いてしまった。


これはとっとと依頼を完了しないとな



受付嬢が言ったとおり王国の南の平原のに行くとアニマルジャッカルが無数に居た。


「そういえばリリアお前って戦闘経験はあるのか?」


俺がそう思うのも無理は無い、何せ初めて出会った時リリアは盗賊に捕まっていたからな、もしかしたら弱いなんてことも考えられる。

もし、そうならそれはそれで面白いんだがな。


「大丈夫マスター、アニマルジャッカル如きに遅れは取らない」


しかし、俺の考えは杞憂の様でリリアは鼻息をフンスと上げて俺に力強く答えた。


「頼もしいお供だな。じゃあ行くぞリリア」


俺とリリアはそういうとアニマルジャッカルの群れに飛び込んだ。



アニマルジャッカル・・・魔物の中では最弱の部類に位置しており、動きも遅いため冒険者ではなくとも成人した男性が思いっきり蹴っ飛ばせば大抵一撃で殺せるぐらい弱い。


しかし、それでもアニマルジャッカルの依頼は後を絶たない。


それは何故か?


答えはアニマルジャッカルの繁殖スピードが速すぎるのである。


そのため、一匹見かけたら一千匹は確実に近くに潜んでいる。


一匹、一匹は雑魚でもそれが千匹ならば話は変わる。


なので、ギルドに良く依頼されるのである。


もっともこれを受けるのは大抵冒険者見習いか暇な冒険者ぐらいである。


そして今回ヴァルトがこの依頼を受けた理由は2つ


1つは金である。依頼料自体は大したことは無いが、アニマルジャッカルの牙はポーションの元になるのでそれを道具屋に持っていって売ればある程度まとまった稼ぎになる。


2つ目はリリアの戦闘能力の確認である。


この時ヴァルドはリリアを疑っていた。


何せ盗賊二人に捕まっていたのだから、かなり弱いんじゃないかと思ってすらいた。


だが、ここでヴァルドの予想の斜め上の事が起きていた。


リリアが何かぶつぶつ言い、アニマルジャックの群れに手をかざすと、リリアの手から大きな火の玉が飛び出し、アニマルジャックの群れは消し飛んだ。


その時、リリアの背後から一匹のアニマルジャックが飛び掛った。


それをリリアは反対の手で逆手に握っている小太刀で振り向き様に一刀両断にしていた。


完全な軌跡で無ければ小太刀で一刀両断など出来るはずも無い、ましてリリアは魔法すら使って見せたのだ。


その光景に唖然とするヴァルト。


それを隙だと思って襲い掛かるアニマルジャック達を見もせずに刀で切り裂く


何千匹もいたアニマルジャックの群れの討伐が終わったのはわずか10分前後であった。


それから討伐部位を集めるのに時間がかかり、集め終わった時にはすっかり日が沈み始めていた。


その後、ギルドに行き受付嬢に討伐部位を渡し報酬を受け取ったヴァルトとリリアは時間もころあいだったので宿屋に行き、休むことにした。


部屋に入って扉を閉めて二人っきりになったのを確認してリリアに昼間のことを確認した。


「なあリリアなんで魔法使えるんだ?」


「何言ってるんですかマスター今時魔法なんて珍しくも無いですよ。学校に行けばすぐに習えますよ。」


リリアの答えに驚くヴァルト


「そういえばマスターはまだ10歳ですよね。じゃあ魔法を知らなくても当然ですね。」


何やらうんうん頷いているリリアを余所にヴァルトは未だに開いた口がふさがらなかった。


何故なら彼が生きていた時代では魔法が使えるのは魔王率いる魔族やエルフのみであった。


しかし、目の前にいるリリアは魔族ではなく、エルフ特有の尖がった耳をしている訳でもない紛れも無い人間であった。


「リリア魔法が広まったのは何時からだ?」


「えっと確かラギア平原の聖戦が終わった後に魔王の身体を研究してからですから約300年前くらいですね」


その言葉を聴いて開いた口がふさがらないヴァルトであった。





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