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反抗期は麻雀で★

作者: エリエール

「学校始まっちゃうよ!

ほら、さっさと起きなさい!」


母親が部屋のカーテンを開けたため、日射しが顔面に降り注ぐ。


「もうちょい寝たら行く」


俺は悪びれもせずに、顔を日射しから逸らし再び眠りに就こうとする。


「先生が言ってたでしょ!これ以上授業サボると留年だって!」


「うるせぇな、寝るっつってんの。」


眠い理由は、昨日バイトの先輩たちと夜遅くまで麻雀をやっていたからだ。


「毎日毎日チンチンいじってるから起きられなくなるのよ!

ほら、パッと起きて!」


昨日はいじってねぇーー!!


そんなツッコミも浮かんだが、なにせ眠い。


無視して寝ることにした。


「ほぉーら!!」


母親が俺の体を揺する。


「うっせぇなババア!寝るっつってんだろ、黙っとけ!!」


朝から大声を上げてしまう。


自分が悪いのは分かってる。

逆ギレもいいとこだが、眠いものは眠い。


「ババアだからうるさく言うんでしょ!

黙ってんのは、ただの他人!!」


ババアは認めるのか…。


他の家庭なら親父が出てきて、バカ息子をブン殴ったりするのだろうか。


親父に首を絞められたことはあるが、殴られたことは一度もない。


俺が言うのもなんだが、甘い部類の両親なのだと思う。


「わかった。行くから部屋出てって。」


「早くしなさいよ!ご飯冷めちゃうから」


母親はそう言って、俺の部屋から出ていき階段を降りる。


いつもの朝のパターンだ。

今日も目覚ましテレビを見ながらゆっくり朝食を食べて、結局学校には遅刻するのだろう。


俺は5分ほどゴロゴロした後、一階のリビングに降りる。


親父は出勤。兄貴と妹も学校に行き、リビングには母親しかいない。


母親は食器を洗いながら、作ったような怒り顔で俺に向かって言う。


「お・は・よ・う!」


「飯は〜?」


俺自身、この習慣を直す気が全くない。


将来やりたいことも、全くない…


      *


毎日学校に遅刻するのは、学校が嫌いというわけではなく、単に習慣だ。


バイトには絶対遅刻しないのだが、学校はこちらが金を払っている。

(両親に払って貰っていることは置いておく)


授業を受けないで何が悪い!と思っている。


「おはよ、おはよ。」


「おはよ。じゃねーよ!」


前の席の友達がツッコム。


二時限目の途中に当たり前のように登校し、席につき眠りに就く。


教師もクラスメートも今ではそれが当たり前になっていて、特に何も言ってこない。


「見捨てられたら終わりだよ。」


どこかの教師がそんなことを言っていたが、俺はさっさと見捨てて欲しかった。


この先どんなことになろうとも、他人のせいにはしないし、他人に頼らければ問題ないだろ。


この考え方が終わっているが、それも気にしない。


学校は楽しかったし、授業も体育は好きだった。


というか、他の科目は寝ているので好きも嫌いもない。


      *


その日も学校が終わって、バイトに制服のまま直行。


バイトが終わると今度は先輩の家に直行。

麻雀だ。


麻雀中に、自宅から着信があった。


最近は電話してくることも少なくなってきたので少し疑問に思ったが、今は大事な場面!


スルーする。


さらに着信。


スルー。


「なぁ、兄ぃさんたち。今から点棒十分の一にしてやらねぇかい?」


麻雀で敗けっ放しの先輩が、マンガのセリフを真似する。


「お前だけ十分の一な。」


「さぁ!いでよシェンロン!!

ツモォォオーーー!!!


…失礼、誤ツモです。」


「チョンボだろ今の!」



そんなアホなやりとりが楽しくて仕方なかった。


アホなやりとりしか楽しめなかった。


他にやりたいことなんて、なにもないから。


      *


深夜を過ぎてから自宅に戻った。


一応家族を起こさないように注意しながら玄関ドアを開ける。


この時間には珍しく、リビングに明かりがついていた。


リビングに入ると、食卓にメモ帳が置かれいる。


『電話ください』


一言書かれたメモの下には兄の名前、よそよそしい文面が俺と家族との距離を表していた。


家族は全員どこかに出掛けているようだ。


悪い予感がする…。



『母さんが事故にあい、病院に運ばれたが、さっき息を引き取った。』


電話の内容を聞いて、俺はしばらく何も言えなかった…


      *


夜が明ける。


「おい、朝だぞー!」


あぁなんか、すげぇ嫌な夢見た気がする。


てか、親父が起こしにくるなんて珍しいな。


母ちゃん出掛けてんのか?


(リビング)で待ってるからな、チ○コいじり終わったら降りてこいよ。」


いじらねぇーけどっ!!


そんなツッコミも浮かんだが、なにせ眠い。


無視して寝ることに…


親父が部屋を出ていこうとする。


俺はバッと上体を起こし、ベッドから降り


「おはよっーー!!!」


と大声で叫んでいた。


なぜか言わなければいけない気がした。


親父は少し驚いてこちらを振り向き


「おはよう。下で待ってるから。」


そのときの親父のなんとも言えない笑顔が、

ボクの胸をえぐった。





袋のネズミ…否、瓶詰めのナメタケ並みに逃げられない


逃がすはずがない


左手は奈落の底、右手は絶壁の崖、後ろはつり橋を落としておいたので戻れない


「羽根かパラグライダーでも持ってない限り、逃げ場はないよ」


「でもお姉ちゃん、あの人ドードー鳥に載ってるよ?」


「ドードーってのは陸上を走る為の鳥でね

あの羽根は何百年も前に退化していて、今はただの飾りだよ」


横穴にはいった途端に落とし穴



なに!?


更に壊した

バカかあいつは!?あれじゃぁ自ら谷底に落ちるぞ?


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