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天日ノ艦隊 〜こちら大和型戦艦、異世界にて出陣ス!〜  作者: 八風ゆず
第二章 第一次異世界大戦編
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第二十八話 陸の覇者(1)

ミッドウェイ 第444世界線路線



1942年6月7日


黄色い弾幕がアメリカ軍の航空機に襲いかかる。

カキンっと、機体が弾を弾き返す音が多く聞こえる。


だがしかし、燃料タンクに命中し、黒い煙を放ちながらクルクルと回転しながら海面に向かって急降下していく。

40機程度はいたであろう仲間のドーントレス爆撃機は、もう四分の一にまで減っている。

上空に張めぐされているジーク(零戦)に加え、大艦隊の超高火力。

しかし、何故これほどまで多いのだろうか?

こんな戦いは聞いていない。

そう、計算外だ。


エンジンにも被弾し、炎が吹き荒れる。

操縦桿を強く握り動かすが、機体は一向にそれに応えようとしない。もう駄目だと諦めた瞬間、アメリカ軍の兵士は、死に際にそれを見た。


「……うそ、だろ……」


通りで弾幕とジーク(零戦)の防衛線が分厚いわけだ。

そうつぶやいた途端、海面に機体がぶつかり、爆発した。

事前の司令部からの情報では、赤城、加賀、蒼龍、飛龍の、空母四隻の筈だった。

しかし、なんということだ。




空母は、12隻近くいるじゃないか。





「長官!空母「信龍(しんりゅう)」から無線伝達、「航空機発艦準備ヨシ」っとのことです!」


南雲中将は双眼鏡を手に、頷く。


空母信龍。

信龍型空母の一番艦として建造された超大型空母である。

信龍の艦影は一言で言えば実際にあった空母「天城」や「葛城」が空母「赤城」並に巨大になった空母である。

搭載機数112機と、帝国空母最大の搭載機である。


「山本長官に伝えてくれ。「我、コレヨリ敵空母ヲ打ツ」っとな。一部航空機は爆装に変えろ!ミッドウェー島と米空母艦隊を同時に打つ」


空母を多く建造したため、資材や資金が大幅になくなってしまい、建造中の大和型戦艦一番艦の戦艦大和は建造期間が大幅に延び、ミッドウェー海戦数週間前と、ギリギリに竣工した。

今は戦力化に専念しているが、聯合艦隊旗艦に任命されている。

現在武蔵を建造中だが、恐らくあと2年はかかるであろう。


敵航空機は全機撃墜。

小破は多数あれど、大きな損害はなく、全空母は航空機発艦準備を整えていた。


「全機発艦!」


発艦許可が下り、赤城、加賀から続々と発艦する零戦。

瑞鶴、翔鶴、蒼龍、飛龍からも少し遅れて発艦する。


そして、空母「信龍」「赤龍」「白龍」「黒龍」「龍神」「龍鬼」からも発艦する。


零戦の群れが飛び立ち、爆撃機攻撃機もまた飛び立つ。

母艦も、丸腰というわけには行かないため、足して零戦数十機防衛に回させた。



1941年一二◯八ニイタカヤマノボレ。

日本は真珠湾攻撃を成功させた。

そして空母と航空機の大切さを知った日本陸海軍は、共同開発として大型戦略爆撃機の開発に走り出した。


しかし、技術力の問題と予算の問題が重なり、今直ぐに開発可能というわけではなくなってしまった。

そこで、日本海軍聯合艦隊司令長官山本五十六は、大和型3番艦信濃とそれ以降の尾張紀伊、超大和型の建造案を取りやめるように促し、潜水艦系統の建造を計画した。


「戦艦でなく潜水艦?」っという声も多数上がったが、確かに大和型の4、5番艦と超大和型の建造計画費用を考え、潜水艦系統艦を建造するとなると、期間から費用まで倍変わる。

なのでこの案「海神(わだつみ)案」は通ることとなった。




1942年4月18日午前7時20分


東京は初めての空襲に見舞われた。


そこで、帝国海軍は海神案建造期間を短縮すべく。

呉、舞鶴、佐世保、横須賀、大湊に国内の工業高校の生徒を集め

建造期間の短縮に図った。


1942年5月31日


僅か半年で海神(わだつみ)型一番艦「海神(わだつみ)」呉にて竣工。


海神型二番艦「住吉津(すみのえ)」横須賀にて竣工。


海神型三番艦「由良比女(ゆらひめ)」舞鶴にて竣工。


海神型四番艦「天津甕星(あまつみかぼし)」大湊にて竣工。


海神型五番艦「素戔嗚(すさのお)」佐世保にて竣工。


その他にも、伊400型と伊13型の建造を大型輸送船建造ドッグを海軍が所々買い取り、小型潜水空母合計24隻を竣工させた。




1942年6月7日


──情報──


全長243メートル

甲板239メートル

横幅24メートル

最大速力39ノット

23号電探1基

13号電探1基


兵装

前方54センチ酸素魚雷発射管8門

後方54センチ酸素魚雷発射管6門

25ミリ3連装機24基72門

12.7センチ連装高角砲8基16門



特殊 

エレベーター1基

零式艦上戦闘機5機

九七式艦上攻撃機12機

九九式艦上爆撃機13機


合計30機



空母のように横に艦橋があり、平べったく細く長い滑走路が横についている。

高角砲は艦橋の前部に2基、後部に1基。

その他の5基の高角砲は甲板の左舷に右、真ん中、左に1基づつ。

甲板の右舷前方に1基、後部に1基。

機銃は艦橋に前後1基づつで2基、艦橋を合わせて甲板右舷に11基。左舷に13基。

甲板の後方には八角形のエレベーターがある。

形状としては、通常の潜水艦の艦体に板が上に乗っかったみたいな感じだ。


「艦長、朝日が綺麗ですよ」


副長「天野 和仁(あまの かずひと)」は艦長「藤 亮一郎かずらりょういちろう」に話しかける。

気づけばもう水平線の向こうから朝日がこちらを覗いていた。


「あぁ。そうだな」


「どうしました?艦長。元気ないですね」

水雷長「沖名川 士郎(おきながわ しろう)


「いや……まぁな。ミッドウェイが海神の初陣とは、荷が重いんじゃないかってね」


「しかし、海神だけじゃありません。伊400型と13型の合わせて24隻。合計25隻です!更に南雲機動部隊が付くとなれば、我々は強靭無敵です」

航海長「畑名 源蔵(はたな げんぞう)


「その根拠が何処にある」


「え……」


そういいながら、亮一郎は艦内に戻った。

少し立つと、伊400型と13型のそれぞれ12隻と合流し、縦陣形を組み進む。

海神は相変わらず巡航速度21ノットで航行する。

太平洋の海は荒くなく、穏やかな波を立て、海神の艦体を叩く。

すっかり昇った太陽は細く長い甲板を照らす。

搭乗員達は木の甲板上を洗う。

南雲機動部隊からの命令を待っていると、伝聞が届いた。


「艦長、伝聞です。申し上げます!「我、敵機動部隊ト交戦ス。海神艦隊ハコレヨリ、ハワイ諸島へ進出スベシ」っとのことです」


「分かった」


こうして、第二次真珠湾攻撃の火蓋は打って切られた。



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