表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天日ノ艦隊 〜こちら大和型戦艦、異世界にて出陣ス!〜  作者: 八風ゆず
第一章 艦隊結成編
24/34

第二十二話 日月談話会の始まり

──第二艦隊──


大和含む第一艦隊が敵主力艦隊と交戦していた時の話である。

「紅い霧」のせいで、武蔵に積まれている高質な伝達機器すら性能が劣化してしまっている。

かろうじて至近にいる味方艦艇への通信は可能だ。

しかし、距離が離れている第一艦隊へは一切の通信が強制的に遮断されている。



そのため、援軍を要請することは不可能だった……。




「後部艦橋炎上!消火作業中!!」


「魚雷左舷後部命中!損害は軽微!」



第二艦隊を攻撃した敵航空機の目標は武蔵に集中した。


因みに空母数や艦艇数は第一艦隊より第二艦隊のほうが多い。

けれども対空火器の量が少ないのだ。

1隻1隻、信濃や伊勢日向のように噴進砲を載っけている艦は居ない。


それに加えて戦艦武蔵は対空火器が大和の倍少ない。

そのため、合計の対空戦力差は負けていた。

だからアレほどまで疲弊したのだという。



──報告書──


  第一次対幽闇海戦


戦果

敵主力艦隊壊滅 詳細以下

戦艦4

空母5

巡洋艦4

駆逐艦8

撃沈


戦艦2

空母2

巡洋艦7

駆逐艦11

大、中、小破


被害報告


第一艦隊


死者 0名

負傷者 ほぼ全員


第二艦隊


死者 0名

負傷者 ほぼ全員


第一艦隊


喪失艦 なし

大破 なし

中破 なし

小破 巡洋艦1 駆逐艦3隻



第二艦隊


喪失艦 なし

大破 なし

中破 巡洋艦3 駆逐艦4

小破 巡洋艦2隻 駆逐艦5隻 潜水艦1


詳細 

戦艦武蔵乗員約二十名、腕、又は足の片方を喪失。 

戦闘不能重傷者、第一第二艦隊合わせて約1万人。




第二艦隊は疲弊しきっていたが、戦闘不能というわけではないので、第一艦隊と合流後、月灯本土沖に180度回転した後向かった。



「長官、月灯に向かう奪還作戦につきましては、艦数を絞ったほうがよろしいかと思います。現在、小破や中破ではありますが、疲弊している艦合19計隻、戦闘不能の重傷者は1万程おられます。我々が停泊地としていたあの島の座標を教え、離脱させたほうがよろしいかと。それに、特務艦や輸送艦に関しては装甲も薄く、魚雷などを撃たれたらお陀仏です。足手まといになります」


「それもそうだな」


こうして、大和艦長奪還作戦に参加する艦艇を絞った。


奪還作戦参加艦艇表


戦艦

大和

武蔵

長門

陸奥


空母

信濃

雲龍


巡洋艦

四万十

青葉

衣笠

羽黒

那智

足柄

妙高

熊野

三隈


駆逐艦

雨雲

藤波

谷風

朝潮

雪風

磯風

若葉

初春

海風

不知火



潜水艦

伊202 

伊201 



空母に関しては、航空機発艦許可を停止したため、全艦離脱させても良いかと思ったが、一応の事があるため、1隻のみ護衛として編入させた。

因みに、空母は建前として「大型輸送艦」と称している。


そして、作戦にはなかった上陸作戦は、幽闇海戦にて月灯との平和交渉を早めるべく、「予備」作戦として編入させた。 


駆逐艦「松」「梅」「竹」「桃」「梨」搭乗した全陸戦隊267名。


 



桜の花弁が舞い風に運ばれる。

コユキと俺は、この月灯の総本山「桜月城」内にある巨大な地下神社の前に列を作り進む。

地下ではあるがどこか明るく、周りの壁の石が赤桃色に光る。

そして半円の道の左右対称に置かれた桜がまた美しさを際立たせる。


カツン、カツンっと、行列を組んだ人々の足跡が重なり合う。

歩きながら琴や笛、三味線などが春を感じさせる音楽を奏でる。

少し進むと桜の道は途絶え、次は竹林の道が続く。


いいのか……これで。

俺はいくらカスミに同情し、しょうがなくやったとしても、後悔は残らないのだろうか。

嫌なのは分かってる。

でも、あんな顔をされては……。


その時だった。


道の向こうから走ってくる狼の耳をつけた女性が走って、列最後尾の人に何かコショコショと話をする。


その話された人は思わず言葉を漏らした。

「な、なんだと!?」


それを聞きつけた行列の人々は何事かと足を止めその人の方を向いた。


「何事だ。今は儀式の途中である」


「そ、それが……巨大な「漂流物」にのった「漂流者」達が、平和交渉の談話を求めているとの事です!これに応じなかった場合、月灯民間区域に艦砲射撃(・・・・)を実施するとの事です……!!」

最後尾にいたウサギ耳の男の老人が話す。


『ッ……!!??』


「それは本当ですか?」


化粧をし、普段美しい顔がより美しさを見出しているコユキが思わず言葉を漏らした。


民間区域に艦砲射撃!?

山本長官がそんな事をするか?

いや、恐らく脅しだろう。

ここで月灯側が黙秘を貫いたとしても、艦砲射撃が実施されることはないと思うが……そもそも民間区域がどこか分かるのか?

いや、月灯の民間区域は軍港に近すぎる。

灯を頼りに場所を察したのだろう。

脅し……だよな??


「そんなものはただの脅しに過ぎん!」


「しかし本当ならば民間区域に尋常じゃない被害が出ます!」


「クッ……ヨザクラ艦隊は一体何をしているんだ!」


「それが……先の防衛戦にて、沈没艦などはないのですが大分疲弊していまして、現在大方が戦闘不能状態です!」


「何ということだ……」

さっきから色々話していたタヌキ耳の男の人は頭を抱える。


「談話を許可いたしましょう」


「「「ッ……!?」」」


「し、しかし女帝陛下、今は儀式の途中にございます」


「いいのです。今は国民の安全が一番ですので。いいですよね?貴方様」


「あ、あぁ」


「ならば、談話の場を設けると伝えてちょうだい。場所は桜月城の宴会場。直ぐに来賓のおもてなしの用意を」


「「「はッ………!!!!」」」





「長官、本当に打つつもりですか?」

成斗が尋ねた。


「まさか。ただの脅しに決まっているだろ?しかし、これで月灯が黙りしたら、困ったことになる。予備作戦はあまりやりたくないしな」


「そうですね。敵の陣地のど真ん中に約たった300人の陸戦隊を送り込むというのは、あまり勝率が見えないように思えます」


けれども仕方ないことなのだ。

第七師団を送り込もうものなら、輸送艦で輸送することになる。

上陸経路では直に敵軍港内から突入することとなっているため、いくら口径が小さく、動けなかったとしても敵の海岸砲か主砲などで一網打尽にされる。

時間がないのと足して、この島の地図がない以上、回り込んで上陸は作戦にしても困難なのだ。


「月灯本土から通信!「貴殿等の談話の場を設けんとする」っとのことです!」


「ふぅ……脅し作戦は上手くいきましたね」  


「あぁ。よし、内火艇を降ろしてくれ。これより、「奪還作戦」に移行する」



※あけましておめでとうございます!今年も、今作品「天日ノ艦隊 〜大和型戦艦、異世界にて出陣ス!〜」と私「八風ゆず」をよろしくお願いいたします!!※



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ