第1章 〜始まり〜
ーーー200年前ーーーーーーーーーーーーー
3月4日静かな湖畔のある小さな村、「ウォカステー村」
ではいつもの平穏な
一日が始まろうとしていた。
「よぉ、ラン。宿題はやってきたか?」
彼の名はジョン. この村の高校生であり、村長の息子だ。
「いやぁ全然やってないや、、」
そして僕はランビー。ジョンと仲良しであり、
まぁ、至って普通の子供だ。
僕達はまだ知らなかった。
この村に、あんな悲劇が襲うなんて、、、
授業が終わった午後。僕達はいつものように
いつもの秘密基地に来ていた。
そこはもう使われていない廃墟で、彼らの高校からは少し離れた場所にある。
廃墟ではあるが中はきれいで、今も誰かが住めそうな程である。
「ケームしようぜ、ラン!」
「いいけど、、お父さんの」
言いかけてハッと口を閉じた。
ジョンは村長の息子であるせいで彼は次の跡継ぎとしてみんなに期待されている。
だけど当の本人はそのことは全く気にしていなく、
ゲームばっかりやっている。
ジョンと仲良くしている僕が言うべきなのかもしれないけど、彼にそんな重荷を背負わせるのは、
やっぱり気が引ける。
「まぁいいか、、」
結局僕達はゲームをすることにした。
「ラン。俺ちょっとトイレ行って来るから待っててくれ」
「うん」
やっぱりちゃんと言うべきだろうか。
そんな事を考えて待ってていると、
「あれ?遅いな」
ジョンがなかなか帰ってこない.なにかあったのだろうか。
立ち上がろうとした、その瞬間、、、
ダンッッ
「おいっ聞いてくれ」
勢いよくドアが開いたかと思えば、
ジョンが僕に向かって叫んできた。
「ど、どうしたの??」
「いいから一回来てくれ」
僕は言われるがままについていった。
不意にジョンが立ち止まった。
あたりを見回すと、2ヶ月はこの場所にいたのに
見たこともない場所だった。
「こんな場所ここにあったっけ?」
「いや、俺もさっきここを見て初めて知った。
まぁ今はそんなことどうでもいいんだ。
とりあえずついてきてくれ。」
そんなことをジョンが言うと、ポケットから鍵を取り出し、目の前の扉を開けた。
その後も3分くらい歩いたあとに小さな部屋にたどり着いた。
ここはなんの部屋なのだろうか。
閉塞感が溢れる部屋で、まともな人ならばここで住もうとは思えない。
しかもここで人が暮らすには狭く、人が思いっきり詰めて入ったとしても10人入るか入らないかくらいの広さだ。
「ここになにかあるの?」
僕が聞くと、
「ああ、少し見ていてくれ。」
そうするとジョンは、目の前の壁を押した。
すると壁は回転し、何やら箱のようなものがくっついている壁に変化した。
ジョンはその箱の中から何枚かの紙を取り出した。
「その紙は何?」
「これがランに見せたかったものだ。
急に連れてきて悪かった。いち早くお前に
知らせたくて、、、」
そう言ってジョンはこれまでの経緯を話し始めた。
彼によると、あのとき廊下に出たジョンはトイレに行く途中に何やらうめき声を聞いた。
それに疑問を持ったジョンはその声が聞こえる方向に歩いていった。すると階段付近で幽霊を見つけ、
ついていったらここにたどり着いた。
ということらしい。
「この鍵はあの幽霊が持っていてな、
俺にこれを託した途端に消えていったよ。」
ジョンの話は到底信じられるものではなかったが、
とりあえず話だけは聞くことにした。
「この紙にはとある料理のレシピが書いてある。
確証はないがきっとこれはとても流行る。
この料理の名前は
”””””””hamburger”””””””””””””」
「は、はんばーがー?」
「そう、この料理は牛肉のパティと呼ばれるものを
パンズというパンで挟んだものだ。」
「う、うん。
大体わかってきたけど、、」
「まぁ困惑はすると思う。
だけどこれを世に出せば絶対売れる。
俺の勘がそう言っているんだ。
そこでなんだけど、俺と一緒にこれを作って一儲
けしてみないか?」
予想外の展開で僕は頭が回りそうになった。
この料理を売って一儲け?
何を言っているのだろうか。
本当に売れるかはわからないし、
そもそもジョンの父親はそれを許すのだろうか。
「流石にやめたほうがいいんじゃない?
勝手にこのレシピを使っていいのかさえもわか
ないし、そもそもジョン君のお父さんはダメ
っていうと思うよ。」
すると
「アイツのことはどうでもいいっ!!」
ジョンのけたたましい叫び声が部屋中に響いた。
「ご、ごめん。」
失言をしてしまった。
お父さんのことを出すのは失敗だったか。
ああは振る舞ってはいたけど、みんなからの圧がすごかったのだろう。
「いや、いいんだ。こっちこそ叫けんでしまって済
まなかった。この話は聞かなかったことにしてく
れ。」
どうしよう。
気まずい雰囲気になってしまった。
こ、こうなったら。
「やっ、やるよ!」
「え?」
「さっきはああ言ったけど、本当はいいと思って
いたんだ。」
言ってしまった。
耐えられなかった。
「ほ、本当か?
ありがとう。。。
とりあえず続きはまた明日な。」
「う、うん。」
はぁ、これからどうなるのだろうか。
家に帰る僕の頭のなかでは、今日起こった出来事が永遠と流れていた。