表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

真空管の中に生きて

作者: 絵の具箱




笑えない冗談ばかり溢れていて

なんだか笑えなかった

私一人

行くあてもなくて

泣きすがる場所は壊してきたから

泣くに泣けなくて

途方に暮れた




優しさが嫌いだから

優しい人が嫌いだった

信じることは恐かった

疑い始めたらきりがなくて

そんな風にしか

人を見れない自分が

もっと嫌いで恐かった




足を抱えて

うずくまって

前は見ないように

期待なんかしないように

そうしたら

楽に生きられるとばっかり思ってた

そうじゃないとわかった時

どうして良いかなんてわからなかった










上辺ばかりでいくつも同じ顔が並んで

吐き気がした

私一人

同じように笑えない

ぽっかりと浮いて弾かれた後

つねった頬が痛くて

やっと泣けたんだ









約束が果たされないから

次の約束は結ばないようにした

もう叶わない約束なら

忘れてしまえばいいのにと

簡単に言わないで

そうやって

何でもないことみたいにしないで









腕に爪が食い込む

跡が残ればいい

私だけは忘れないように

責められるのはかまわないから

いっそ狂人になって

それだけ想えていたら

幸せなんじゃないかと思えたから

はやく狂わせて

私を私を







前も後ろも

見えなくなっちゃったよ

心はさっき粉々にして

風にとばしたよ

涙腺はつぶしたから

もう涙もでないよ


幸福を探しただけなのに

いつも孤独ばかり手に入る










瞼を引き剥がして

目をつぶして

ゆっくりゆっくり

二度と世界なんか見たくないと思えるように

期待も不安も消して

そしたら私も優しくなれるかな

それとも

私一人ぶん消えたなら

世界は優しくなれるのかな




笑って

ほら

笑って

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] タイトルの真空管って、単に中身空っぽだと思ってる様な気がするけど、中は部品がゴチャゴチャ入ってるから違和感がありますね。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ