真空管の中に生きて
笑えない冗談ばかり溢れていて
なんだか笑えなかった
私一人
行くあてもなくて
泣きすがる場所は壊してきたから
泣くに泣けなくて
途方に暮れた
優しさが嫌いだから
優しい人が嫌いだった
信じることは恐かった
疑い始めたらきりがなくて
そんな風にしか
人を見れない自分が
もっと嫌いで恐かった
足を抱えて
うずくまって
前は見ないように
期待なんかしないように
そうしたら
楽に生きられるとばっかり思ってた
そうじゃないとわかった時
どうして良いかなんてわからなかった
上辺ばかりでいくつも同じ顔が並んで
吐き気がした
私一人
同じように笑えない
ぽっかりと浮いて弾かれた後
つねった頬が痛くて
やっと泣けたんだ
約束が果たされないから
次の約束は結ばないようにした
もう叶わない約束なら
忘れてしまえばいいのにと
簡単に言わないで
そうやって
何でもないことみたいにしないで
腕に爪が食い込む
跡が残ればいい
私だけは忘れないように
責められるのはかまわないから
いっそ狂人になって
それだけ想えていたら
幸せなんじゃないかと思えたから
はやく狂わせて
私を私を
前も後ろも
見えなくなっちゃったよ
心はさっき粉々にして
風にとばしたよ
涙腺はつぶしたから
もう涙もでないよ
幸福を探しただけなのに
いつも孤独ばかり手に入る
瞼を引き剥がして
目をつぶして
ゆっくりゆっくり
二度と世界なんか見たくないと思えるように
期待も不安も消して
そしたら私も優しくなれるかな
それとも
私一人ぶん消えたなら
世界は優しくなれるのかな
笑って
ほら
笑って