クリスマス(遅刻)
クリスマスに投稿したつもりが手違いで出来ていませんでした。悔しいです。ですがクリスマス要素は薄いので是非一度読んでみてくださいまし。
今日はクリスマスだし、ずっと狙ってた子に告白してきたぜ。
まず、俺が告白しようずとしてたのは、同級生の女の子。男じゃなくてごめんな。
身長はめっちゃ小さくて、160ギリ(自称)。髪型はポニテなんだけど、俺は髪解いてある方が好き。性格は素直で優しい感じ。人を騙せなさそう。
その子は中学からの幼なじみで、大学は別校。でも未だに連絡し合うような仲だった。
「お前は誰かと付き合わんのか?w」なんて小突きあってたけど、お互いに恋愛経験一切なし。彼氏・彼女いない歴=年齢。らしい。まあ嘘かも知れんけど。
そんで、今回踏ん切りをつけていざ鎌倉、いざ告白ってことに。でも、告白ってどうやるものなのか、コレガワカラナイ。
やっぱり直接会って直球で伝えるのが一番やろと思って、遊ぶ約束をしようとしたんや。
メッセージでは1、2時間おきにくだらない話しをしてたんだけど、なんとか話の合間を縫って、「明日はクリスマスだし遊ばない?」と伝えた。この時点で心臓バックバクww
そしたらすぐ既読がついて、「その言葉を待ってたよ」だってさ。
どういう意図で言ったのかわからなくて、その言葉に対しての気の利いた返しが思い浮かばなかった。
適当に「ご期待に添えられて光栄です」だのなんだのとほざいて、日程を決めようとした。
ちなみに大学生は某ウイルスのせいでめっちゃ暇だから、遊べるだろと思って連絡したんだ。
だがしかし、「クリスマスはバイトだから遊べませーん」とのこと。そういうバイトってイヴに入るもんじゃないのか…?と思ったけど、バイトなら仕方ないって事で一旦取り消した。
もちろんコレで諦めるわけにはいかないから、「じゃあ朝イチで行かせてくれ」って言ったわけだ。
自分でもなかなか攻めるなーって思う発言だったけど、意外にもその子は「そのくらいなら今来てよ」ってさ。
これは誘ってんだろ性の6時間キタコレ。というかもう告白するってバレてるのでは?
まあエチエチなことをするつもりは今のところなかったから、純粋に告白してやろうと寒空の下の夜の町を駆け出したわけだ。
俺は実家暮らしなんだけど、その子は一人暮らし。なんで、帰宅ラッシュの電車に逆らって街のほうへ。
そん時は告白のセリフしか考えてなかったけど、今思えばこれお泊まりコース確定だった。
そして駅から走って彼女の住むアパートへ。何処を見てもイルミネーションがある道のりだった。
彼女の部屋の呼び鈴を鳴らしたら、すぐ出てきてくれた。
「メリークリスマス」「メリークリスマス」
改めて見るとコイツすげーちっちゃいな、なんて思った。中学生の時から身長が変わってない。俺は180ギリ(自称)だから、その差20cm。おい今ロリコンって言ったやつ誰だ。
しばらく沈黙。玄関でもじもじする二人。側から見たらリア充かな?多分違く見えると思うが。
「とりあえず寒いから入りなよ」
言われるがまま部屋へ。何気に初めて入ったかもしれない。女の子の部屋って感じは…そんなにしなかったなw
割と所狭しとラノベやら吹奏楽器やらが置いてあった。そういえば最初に会った時の接点になったのは好きなラノベが同じ事だったっけか。
まあその時は彼女しか見てなかったよ。あとどう告るか。
「イルミネーション、綺麗だったから観に行かない?」って誘い出して、そこで告白することにした。
彼女は頷いて、二人でとことこ歩き出す。外はそんなに寒くない気がした。
一番大きいクリスマスツリーを見て、いや、ツリーじゃなくて彼女を見てた。
「わたしじゃなくてツリーを見なよ」って指摘されて、テンパって
「綺麗だねー君の方が綺麗だけどねー」
なんて言ってしまった。私のことながらコイツやべえ。
「なにそれー」
クスクス笑ってるのに救われた。かわいいなこいつ。
でもよく見たら、なんとなく目の周りも赤くなってることに気がついた。
「…泣いてたの?」
「あ、やっぱりバレる?」
「なにか、悩み事かい?私が聞いてあげよう」
「いやあ、いいよ。くだらないことだし」
「それはLINEの話よりくだらないこと?」
「…」
「辛いなら、言って欲しい。」
「…いいって。」
「…本当に?」
「……いいってば…」
「話してみてよ。ちゃんと聞くから」
「…引かないで」
「え?」
「話聞いても、引かないでよ?」
「うん、大丈夫。話してみて。」
「わたし、彼女がいたの」
「」
「その子は、優しくて、本当に惚れちゃった」
「……うん」
「クリスマスも、そのこと過ごせたらなって、思ってた」
「………うん」
「でも、陰ではわたしのことを馬鹿にしてたの」
「…なんて?」
「同性愛とかキモいって」
「……そっか」
「ねえ、ダメかな、これって、いけないことなのかな…?」
「…」
「ねえ、答えてよ!」
「そんなこと、」
「なに?なんなの?」
「そんなこと、ない」
「どうして?どうしてそう言えるの」
「私もお前のことが好きだからだよ」
「え、」
「いや、お前がそうなのはびっくりした。そして、ちょっと寝取られた気持ちになった。でもな、女が女の子を好きになっても、別にいいだろうよ!」
「それって、」
「…弱ってる相手を捕まえていうのはずるいかも知れない。でも、私の気持ちは本当だ」
「…」
「女の子らしいお前が好きだ。楽器の演奏が上手いお前が羨ましい。好きなラノベがおんなじなんて最高だ。」
「…!」
「心から、好きだよ」
「…うん」
「…嫌なら、振ってくれ。もとから玉砕覚悟だったから」
「…わ、」
「わ?」
「わたしも、好き、わたしのことを、そんなに見てくれてるの、あなただけだよ…」
「お前…」
「簡単に鞍替えして、軽い女とか思わないでね」
「思うもんか」
「あなたは、特別なの…!好き、好きだよ」
「ああ、それじゃあ」
「うん、付き合おう!」
そんなこんなでまた歩き出したよ。泣いてる顔も可愛かった。嬉し泣きだから余計に。
「ねえ、髪解いたほうが好きっていってたよね、解いてあげよっか?」
その子はポニーテールを支えるゴムに手を伸ばす。
「いや、部屋に着くまで待って。独り占め、したいから。」
「…うん!」