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ゴブリンテイマー、ゴブリン軍団を召喚する

「とりあえず、まずはそのうす汚ぇ魔物からだ」


 ヒュンッ!


 鋭い風切り音を立て、矢は一直線にゴブトに向かって飛ぶ。


 子供にすら勝てない最弱種であるゴブリン。

 それが、いくらショートソードを二本構えているとは言っても、冒険者の放つ矢をこの至近距離で避けられるわけが無い。

 誰もがそう思っただろう。


「死ねぇ、ゴミ魔物がぁ!」


 男の顔に残虐な笑みが浮かんだ。

 だが、その笑みは次の瞬間に驚きの表情に塗り替えられる。


 カインッ!


 なぜなら、彼が放った矢は、ゴブトが振るったショートソードによってあっさりと弾き飛ばされたからであった。


 最弱の種族であるゴブリンに、まさか自分の矢を弾かれるとは思っていなかったのだろう。

 男も、周りにいるパーティメンバーであろう者たちもあっけに取られた顔をしている。


「どうしたのおじさんたち。そんな間の抜けた顔しちゃってさ」


 僕はあえて彼らを馬鹿にするような声音でそう声を掛けた。

 

「そ、そんな。たかがゴブリン如きが俺の矢を弾いた……だと」

「ありえねぇ」

「まさか。偶然だろ」

「適当に剣を振ったらまぐれで当たっただけに違いねぇ」


 男たちは最初こそ驚いていたが、すぐにそれは偶然のことを結論づけたようだ。

 だが、そう口にしながらもその目は先ほどまでと変わって警戒の色を宿している。


『ゴブゥ』


 油断無く身構えるゴブトの周りを、ゆっくりと油断なく冒険者たちが慎重に包囲していく。


 所詮新人狩りをしている程度の冒険者パーティだと侮っていた。

 どうせその実力なんて大したことはないだろうと。


 しかし、今の本気になった彼らの動きは僕が思っていた以上に洗練されていて。

 さすがに彼らを同時に相手にしてゴブト一匹では簡単に勝てるとは思えない。

 そしてゴブトより弱い僕が参戦しても、逆にゴブトの足手まといになりかねない。


 それに――


「僕の本業は【テイマー】だからね。正面で殴り合うのは僕の役目じゃない」


 誰にも聞こえないような声で呟くと、意識を集中させて、体内の魔力を練り上げていく。

 その間にもゴブトへの包囲網が着々と完成していく様子が目に入るが、今はゴブトを信じるしか無い。


「よし、魔力は十分足りそうだ」


 そうやって練り上げた魔力を腰のテイマーバッグに流し込む。

 そして僕は告げた。


「お前たち! 出番だぞ!!」


 ぽん!

 ぽぽぽん!

 ぽぽぽぽぽん!


 僕の声に応じて、次々とテイマーバッグから丸い影が飛び出していく。


「なっ、なんだ」

「どうなってやがる。テイマーがあんなにたくさん魔物を使役できるわけがねぇ」

「馬鹿な。ありえねぇ」


 僕のテイマーバックから次々と飛び出すソレを見て、男たちが驚愕の声を上げる。


 彼らが信じられないものを見るような目で見つめているのは僕が次々と放ち続ける――大量のゴブリンたちの姿だった。


【ゴブリンテイマー】を読んで下さいましてありがとうございます。


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