1話 2019年5月20日6:30
目が覚めたがそこは何も変わっていなかったいつも通りの俺の部屋だ
埃臭い空気も部屋に溜まったゴミの山も何一つ変わっていない
しかし、目が覚め少し経ってから俺は違和感を感じた。
スマホの日付が2019年5月20日6:30になっている
これは紛れもなく俺が会社を辞めた日だ。
「くそッ、寝ぼけてんのか」
とりあえず洗面所に向かって歯を磨いて顔を洗うことにする
洗面所から戻ってきてスマホを見るとやはり
2019年5月20日6:30と書かれている
「マジかよ…」
昨日までの俺の自堕落な1カ月は全て夢だったということだろうか?
そうなると俺はまだ会社を辞めていないことになる。
「とりあえず職場に行ってみるか」
とりあえず身支度を整えて電車に乗り込む
電車を降りると急に足取りが重くなる
仮に今会社を辞めていないということになっているとして
それが状況を好転させてくれることにはならない
俺は相変わらず仕事ができないままだし
周りの同僚と上手くいっていないのも変わらずだ
「あー、やっぱこのまま帰ろっかなぁ」
俺は前回と同じに
アパートに引き返すことにした。
折り返しの電車に乗り込むと急にちょっとした目眩に襲われた。
気がつくとそこはアパートの布団の中だった
スマホを見るとそこには2019年5月20日6:30と書かれてあった。
「マジかよ…」