プロポーズ
会話中心で進みます。ステキなプロポーズ、なるか?
「相談がある」
すごい真顔で切り出されたよ、おい。美形が真顔になるとカッコいいもんなんだな。
昔から知ってるけど、こんな表情は見た事ないな。
「事と次第によるけど」
奴のあまりの真顔にちょっと腰が引けつつ、まあ乗ってやらんこともないと匂わせつつ、の回答。
だって、普段ヘラヘラへラッピの奴が真顔で相談って、はっきり言ってこええ。
「実は…プロポーズしようと思うんだ。」
なんだってぇ?プロのポーズだぁ?バレリーナか?…じゃなくて。
そのままツッコミ入れたら最後、拳で語り合うのに付き合わされるパターンだ、落ち着かないと。深呼吸、深呼吸。こういう時は、なんて言うのがいいんだろうか?えーと。
「それは、おめでとう!」
なんとか言葉を押し出すと、
「ありがとう」
うわー。デレデレしやがったー。周りに花が飛んでる幻影が見える……。
幸せそうだな、付き合い長いから、こちらも嬉しい。
「で、相談って……」
「どうやってプロポーズしたらいいと思う?」
なんだそのヘタレ発言は。。。いやいや、奴は真剣だ、目がマジだ。
「それは、、、、わかりやすいのは、結婚してください、で指輪とか花束をプレゼントじゃないか?
一般的には」
自分が経験がないので無難なところを答えてみる。
「そうだな」
ふ、と奴は遠い目をした。そんな表情も魅力的だ。うん、彼女も幸せになるだろうな。
友人としても嬉しい。
「あとは、女性は気持ちを言葉にしてもらうと嬉しいらしいから、言葉で色々話した方がいいんじゃないかな?」
考え考え話すと、
「そうか」
「というより、お前、その顔なんだから、今までだって結構モテてたじゃん。歴代彼女との付き合いでなんかなかったのか?」
「それが今までは、だいたい向こうから寄ってきたから、俺の方から口説いた事がないのでわかんないんだよな。」
…今、殺意が芽生えたが、まあ回し蹴りくらいにしといてやるかー。
「いてーよ。」
「オメーが蹴られるような事を言ったんだろうが。リア充爆発しろ的な感じだぞ」
「そうかそうか、悪い悪い」
笑顔が無駄に爽やかだ。絶対悪いと思ってないパターンだ…。内心とほほと思ってたら、
「色々アドバイスありがとな。じゃあちょっと練習させてくれ。」
「は?」
驚いている隙に手を取られて
「優希、俺はお前が好きだ。昔から一緒にいたが、これからも一緒にいたい。
結婚してほしい」
う、うわぁ。ちょっと待て。顔に血が上ってくる。今、私、ゆでダコみたいになってないか?
「れ、練習?」
うろたえて、奴ー。雅樹の顔を見てみたらば。
「本番でも、いっかなー。でも、結婚を前提として付き合ってください、だな」
幸せそうな雅樹の満面の笑顔と目があい、
ちゅ!
赤くなった頬にキスをされてしまったのであった。
初投稿です。ドキドキでした。
実は女の子だった!というオチにしたかったんだけど、バレバレだったかなー?
雅樹がだんだんやな奴になってしまったのがおかしい。
そして、「プロポーズってなんや!プロのポーズか?バレリーナ?野球の王さん?」とか
お笑いチックにしたかったんだけど、何やら思ったより真面目な展開に^_^
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