僕が今まで言えなかったこと
久しぶりに別の作品を書かせていただきました。今回は、妖怪やそれに近い者たちとそれが視ることができ、祓い人として生きることを選んだ男子高校生のお話です。
よろしくお願いします。
秋晴れの朝、公園のベンチに座り込み僕はため息をした。
今まで誰にも言ってないことがあるからだ、それは何だと思う?幻聴が聞こえるから?それとも、何か視ることができるから?だろうと思う人が多くいるだろうね。
でも、それは少しあるのかも知れないね。小さい頃からたびたびそういうことがあった....
小さな人を見たり話しかけられたり、霊的なものを見た。でもそういう奴の中には、いい奴もいたし、良くないことを言う奴もいた。いい奴の中では、一緒に遊んでくれた公園にずっといたおじいさんだった。彼は、子供が好きでその子供達を見守っていきたいと言う理由で今も現世に居るらしい。例えば目の前に、困っている人や子供達、僕みたいなのがいるとします。そんな彼はそんな僕らの前に現れ、話しを聞いたり時には遊んでくれるそんな存在だとしたらあなたはどうしますか?
僕ならばそんな存在が近くに居たら少し気持ちが楽になると思います。
むしろそんな存在の霊かそれらの物たちが居たら僕は自分から行って何があったのか、話してみたいです。
___と言うように感じるのです。
こんなことを言う僕を見たらきっと何も知らない人はあの人は何をしてるのだろう....と不思議に思ってしまう可能性があります。でも、僕にとっては普通のことだから今さら何もできる訳でもないから深く考えないようにしているんだ。諦めることも少しは大切だと思うんだ。きっと、いつか僕にも良いことがやってくると思うから
そう、信じて歩いていけたらいいな。君や僕もきっと良いことに出逢えますように__...心から願っています。
ふぅ、しばらく人と会話をしてなかったからすこし疲れたな....と思っていると木の陰からガサガサと言う音が聞こえた。
「ほら、まだ言ってないことがあるだろう?
俺がいるんだ、そう誤魔化すな。」
「あっ、朱雀。何をしているの?そういえば言ってないことがあったね___。」
そうだ、まだ言って無いことがあったんだ。これは僕が小さい頃、妖怪と呼ばれる類いの者たちとの話しだ。
さっき僕にそう、誤魔化すなよと言った彼は、鴉天狗の朱雀と言う。小さい頃から視えたり、祓う力が強かったせいか他のあやかし者たちに襲われている時に僕のことを助けてくれた善き友である。彼は数年前から僕の相棒として時々助けてもらっている、良い奴だ。
おっと、僕の名前を紹介するのが遅れてしまったね。僕の名前は、五十鈴 零
北垣学園高等部二年、たまに軽いアルバイトもしている。後は、僕がお世話になっているおばさんは、彩子さんと言う。彩子さんは、宗次郎さんと一緒に住んでいる、その輪の中に僕が入っているのだ。親戚や近所をたらい回しされた僕は今、その家に住んでいる。
とても優しい人なんだ、この二人には悲しい思いをしてほしくはない。
だから妖怪のことも霊的なものが見えることも話してはいない。
今の場所が僕の父が住んでいたあの懐かしい家があるからだ。
僕が、五歳の時に父と母が交通事故で亡くなった。それから親戚の家を転々とした。移動した先でもあやかし者たちに襲われた。辛かった、悲しかったでも優しい人もいた。
でもそれのおかげで、近所の人に避けられたりする回数が減った。しかしそれは長く続かなかった、大人たちに言うとそんなことがあるわけ無いだろう!と言われた。でも、そこにいるんだ。信じてよ!と反論した。そのまま僕は玄関から離れ、走りだした。叫んでも叫びきれない思いが僕の中であちこちにいきよっていた。
走り回って、緊張と苦しみが交差し合う時、僕はその場で倒れた____。
この作品は長編となります。
また、訂正させていただく所があれば訂正させていただきます。