その二
『ドラゴンクエスト3』
残念ながら冒険心という創造力は失われてしまいました。
創始者効果によって、狭められる可能性。
合理的という無難に収束される選択肢。
今の僕らは真に自由かな?
オープンワールドにはない内的宇宙の物語。
心に描け、無限の仲間を想像し、創造しろ。
プレイヤーよ、お前の心が豊かなら、見えるだろう?
遊び人を極めれば、なぜに賢者へ至るのか。
激しく空虚な愛の物語?
人の暗黒面を見てしまったせい?
賢者に至る艱難辛苦。
心で感じろ、自分で作れ!
語られぬ落ちこぼれのサイドストーリー。
想像力は世界を作れるのだよ。
『忍者龍剣伝』
忍者の道は?
堪え忍ぶ道。
忍者の命の重さは?
すさまじく安い。
それを知れるよ、この物語を辿ればね?
オレは二面のジャンプの難関で、
ハヤブサさんの断末魔な音を、
心に刻んで数十年。
あの数秒間の音楽が、いまだ心に流れてる。
『魂斗羅』
洗練されない未来の果てに、僕らは戦士たちに出会うんだ。
独裁政治な軍国主義?
未来はタフな悪党に支配されていた。
ヒーローになれる条件は色々と違う。
でも、この未来では分かりやすい。
撃ちまくれ!
勝利せよ!
生き抜け!
消耗される命の重さ。
彼らにそれぞれの物語が内蔵されている。
戦いの愚かさと、
それに反比例したがる闘争本能。
自由のためなら戦いたい?
いいや、気にすんなって!?
これはマッチョなゲームに過ぎん!!
とにかく敵をぶっ殺して遊ぼうぜ!!
『パックマン』
伝統あるシステムだ。
シンプルだが、数学的。
オレは逃げる。
オレは集める。
単純明快なこの世界。
謎や哲学なんて削ぎ落として、
走り回ることで分かる真実がある。
単調な世界にだって、
人の心は移入できる。
我がなはパックマン。
数値化されない心の力。
そのうち尽きてしまうまで、
僕らは四角い迷宮を旅出来るのさ。
『ドラゴンクエスト4』
勇者はとても悲しくて、
人の命の軽さと重さを知っています。
愛憎の物語は、
うつくしくて残酷で。
愛の価値と二面性を教えます。
あなたは誰の物語に移入しますか?
私はピサロの愛が好きですよ。
恋人のために悪に狂う心は、
悲しくて美しく、おっかない。
魔王に愛される女の子。
それの幸福だって祈りたくなる。
『スペランカー』
オレだけじゃないと思うんすよね?
そりゃいるでしょ?
足回りに不安を抱えた奴って?
膝の軟骨やっちまったアスリートとか?
あんなんがさ、柔らかくないところに飛び降りたらよ?
お前、ゲームなんかしてる場合じゃないですよね。
死ぬ!って叫んでのたうち回るって!!
そう言われたら、整形外科の先生なら彼を許すさ。