村娘、出稼ぎに往く
私はミリィ。ド田舎だけど、優しいおっとぅと暖かいおっかぁ、ひもじいけど笑顔が耐えない良い村に生まれ15年間過ごしてきた。自給自足の生活で、ウサギがいれば狩って食う。イノシシがいれば狩って食う。食べれる薬草があれば採集して食う。そんな生活だ。
王都っていうでっかい街は色々便利らしく自分で狩りに行ったり薬草を選別したりする必要はないらしい。毒の入った薬草とかも間違って口にしたりしなくていいね!
まあその王都ってトコに比べるともしかしたら私たちは大変な生活なのかもしれない。でも、毎日楽しいし私にとって不便なことは何一つない。みんなが笑顔で暮らせればそれでいい。そう思っていた。
そう、思っていたのだ。
✱✱✱
「うう、ミリィ。ごめんね、ごめんねぇ。」
「ミリィよ、帰ってくると信じているぞ……!」
うぐうぐと涙を流しながら私に語りかける両親。
「おっとぅ、元気でね。おっかぁ、無理しすぎないでね。みんな、私、頑張るからね……!」
自分を鼓舞するように、拳を握りしめた。
実は、村の経済状況は最悪だったらしい。というのも、それを知っていたのは村長とその身内だけ。村の蓄えが完全に底を尽きてから村長は書き置きを残し出ていってしまった。
残った私たちは自給自足をしながらギリギリの生活をしばらくは送っていたが、それももう厳しいとのこと。
わたしも馬鹿じゃない。村にこれからがないくらい分かっていた。だからこそ、自分から出稼ぎに行ってくると申し出たのだ。
正直、出稼ぎに成功すれば万々歳、しなくても村の口減らしになると思った。両親には最初子供がそんなことは考えなくてもいいと猛反対されたが、私はみんなに幸せでいて欲しい。恩を返したい。だから行くのだ、王都へ。
「それじゃあ、またね!みんな!元気で!」
大きく手を振って、私は村をあとにした。
✱✱✱
王都までは歩いて35日。手持ちの食糧はだいたい頑張っても10日分くらいしかない。残りは慣れっこの自給自足である。
愛用の弓を背中に、石で作ったナイフを腰にな