表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

村娘、出稼ぎに往く



私はミリィ。ド田舎だけど、優しいおっとぅと暖かいおっかぁ、ひもじいけど笑顔が耐えない良い村に生まれ15年間過ごしてきた。自給自足の生活で、ウサギがいれば狩って食う。イノシシがいれば狩って食う。食べれる薬草があれば採集して食う。そんな生活だ。


王都っていうでっかい街は色々便利らしく自分で狩りに行ったり薬草を選別したりする必要はないらしい。毒の入った薬草とかも間違って口にしたりしなくていいね!


まあその王都ってトコに比べるともしかしたら私たちは大変な生活なのかもしれない。でも、毎日楽しいし私にとって不便なことは何一つない。みんなが笑顔で暮らせればそれでいい。そう思っていた。


そう、思っていたのだ。






✱✱✱






「うう、ミリィ。ごめんね、ごめんねぇ。」

「ミリィよ、帰ってくると信じているぞ……!」


うぐうぐと涙を流しながら私に語りかける両親。


「おっとぅ、元気でね。おっかぁ、無理しすぎないでね。みんな、私、頑張るからね……!」


自分を鼓舞するように、拳を握りしめた。

実は、村の経済状況は最悪だったらしい。というのも、それを知っていたのは村長とその身内だけ。村の蓄えが完全に底を尽きてから村長は書き置きを残し出ていってしまった。

残った私たちは自給自足をしながらギリギリの生活をしばらくは送っていたが、それももう厳しいとのこと。

わたしも馬鹿じゃない。村にこれからがないくらい分かっていた。だからこそ、自分から出稼ぎに行ってくると申し出たのだ。

正直、出稼ぎに成功すれば万々歳、しなくても村の口減らしになると思った。両親には最初子供がそんなことは考えなくてもいいと猛反対されたが、私はみんなに幸せでいて欲しい。恩を返したい。だから行くのだ、王都へ。



「それじゃあ、またね!みんな!元気で!」



大きく手を振って、私は村をあとにした。






✱✱✱





王都までは歩いて35日。手持ちの食糧はだいたい頑張っても10日分くらいしかない。残りは慣れっこの自給自足である。


愛用の弓を背中に、石で作ったナイフを腰にな

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ