後輩女子登場です!!
稲叢先輩と別れて家に帰った日の翌日、俺は学園で突っ伏して唸っていた。
洸「う~あ~……」
榎梨「おっはよ~う!って…なに唸ってるの?」
洸「…柊が……」
榎梨「ラギー?そう言えば姿を見かけないけど、どうしたの?喧嘩でもしたの?」
洸「そんなんじゃなくて……昨日、人酔いしたっていって柊のやつ寝ちまっただろ?」
榎梨「うん…ん?もしかしてあれから起きなかったの?」
俺は頷き大きく息をはきながら話を続ける。
洸「…そんで、命さんに聞いたら……人酔いで寝てしまった場合時間にもよるけど、半日ちょっとは絶対起きないから…だそうで…」
榎梨「あ~…そう言えば、去年もそんなことあった気がする」
洸「……去年もあったのか?」
榎梨「うん、僕は去年もラギーと同じクラスだったし」
洸「へぇ~」
榎梨「でもさ、洸君が唸っている理由ってそれだけじゃないよね?」
洸「…たいしたことじゃないんだけどな……つか、よくわかったな」
榎梨「まぁ、よく見てるしね~」
宮本は昔から俺がなにか困っているときすぐに察知して聞きに来ていたっけ…小さい頃はなんだかんだでよく一緒にいたし、お互い悩みとか言い合ったりもしたこともあったっけ…そんなんだらすぐに見抜かれるのかもしれないな…そう思い俺は頭を掻きながら宮本に話をする。
洸「実はさ、柊起こすのに時間取られて弁当を作るのを忘れてたみたいで……」
榎梨「ほうほう、つまりお弁当を忘れたから唸っていたと……」
洸「ああ、だからたいしたことじゃねーって言ったろ?」
榎梨「……それじゃあさ、洸君!今日僕と一緒に学食行こっか?」
俺の言葉を聞いた宮本がそう言ってきた。
洸「学食?この学園学食とかあんのか?」
榎梨「前の学校にはなかったの?」
俺の言葉に首をかしげる宮本に対して俺は冗談めかしながら。
洸「購買はあったけどな」
と答えていた。
榎梨「それじゃあ、今日のお昼に一緒に行こうよ‼」
そう言いながら目を輝かせている宮本に俺は苦笑いを浮かべながら頷いた。
榎梨「お昼楽しみにしておくね~」
そう言いながら自分の席に戻って行く宮本に手を振っていたら一人の男子生徒に話しかけられた。
竜悟「よーっす神前!!宮もっちゃんとなに話してたんだ?」
そう言って軽くい感じで話かけてきたのは雨宮だ。
洸「学食に行こうって話をしてたんだよ…お前はなんのようだ?」
竜悟「うおっほ!!あって二日目にしてお前呼びとは!もう俺らマブダチって感じ~!?」
……ウゼェ…なんなんだこいつ?ノリが果てしなくウザすぎる!!!
洸「……用がないならさっさと自分の席に行けよ…」
竜悟「まーまーまーまー、そう言いなさんなって!!あんな風に宮もっちゃんと仲良さそーに話してたから
気になってさ~」
洸「はぁ?別に普通だろ?」
竜悟「いや~、その"普通"が気になってさ~」
洸「?どうゆうことだ?」
竜悟「宮もっちゃんって結構モテるって話だよ」
洸「…まぁ、モテるだろうな」
実際贔屓目でみても昔と比べてかなり可愛くなってると思う。
ただ、性格があまり変わってないから異性として意識しづらいのかもしれない。
竜悟「そ・れ・で・さ~神前は宮もっちゃんとはどうゆう関係なのかにゃ~?」
洸「どうゆうって…昔からの知り合いだよ」
竜悟「本当に~?」
俺の言葉に納得してないのか雨宮はしつこく聞いてくる。
こういうグイグイくるタイプは昔から苦手だ。
洸「なんでそんなことを聞いてくるんだよ?」
竜悟「ん~?俺っちはさ~学園の情報通ってやつでさ、気になる情報は集めたくなる性分なんだよね~」
なんて面倒な性格してるんだこいつ…正直相手にするとめっちゃ疲れるな…。
洸「…そうかよ…少なくともお前が期待するようなことはねーよ」
竜悟「え~…でもよ~」
洸「しつけーなー…なんなんだよ⁉」
竜悟「まーまー、そう怒りなさんなって!実際に気になったのは神前じゃなくて、宮もっちゃんの方!」
洸「宮本?なにか気になる事でもあったのか?」
竜悟「宮もっちゃんって誰に対しても分け隔てなく接するから男女ともに人気者なんだけど…どこか距離感を感じるわけよ?でも、神前と話すときはみたことない位いい顔してるからなんでだろうってね」
洸「お互いに昔の事知ってるぶん話しやすいってだけだろ?そこに特別な意思や感情なんてないだろ?」
竜悟「そうかい!そんじゃ、そーゆー事にしておこうかね」
そう言って雨宮は他の喋っているグループの和に入って談笑をしていた。
そうこうしているうちに先生が教室に入って来た。
霧香「おら~、授業始めッからとっとと席につけー!」
暁先生は気性が荒く先生を知らない生徒に怖がられがちだが性格事態は大雑把でサバサバしているため
暁先生が受け持つ生徒からは絶大な人気を誇っている。
身長が低いせいもあるんだろうけど…。
霧香「おい、神前!お前今あたしの事をちいさいっつったか?!」
洸「言ってませんよ?!」
言葉にしていないのに察知できるとかエスパーかこの人は?!俺は心の中で先生に対して小さいとか言わないようにしようと誓った。
竜悟「霧ちゃん先生今日も小さくて可愛いっすね‼」
霧香「ふんっ!!!!」
─ズドン‼!!!─
竜悟「おぶらいえんっっっっ!!!!」
暁先生が投げたチョークが雨宮の眉間に直撃して謎の悲鳴をあげる雨宮に対して皆ひきつった顔をしていた。
洸(つーか、あり得ない速度で飛んでなかったか?チョークってあんな速度で飛ぶもんなの?)
そんな事を考える俺とは裏腹にもんどりうって倒れている雨宮に殺気全開で睨み付けている暁先生を止められる生徒は誰もいなかった。
ちなみに雨宮が撃退された後の授業は先生が雨宮を説教すると言って自習になった。
──昼休み──
結局説教に行くと言って帰って来ないまま授業は終わり昼休みになった。
洸「二時間目にほかの教科担任が来るかと思ったけど来なかったな」
榎梨「この学園は大きくて生徒数は多いんだけど先生がビックリするくらい少ないんだよね~ひとつのクラスに一人の担任だからね」
俺の言葉に反応して宮本がそう言ってくる。
洸「そうなのか…小学校みてーだな」
榎梨「そんな事より、学食行こうよ」
洸「そうだな、じゃあ行くか」
そう言って宮本と教室を後にする。
榎梨「洸君はなにか食べたいもの決まってるの?」
洸「なにがあるのかさえわかんねーのに決められるわけねーだろ?」
榎梨「それもそっか」
宮本と話ながら学食に向かい俺は適当に相づちをしながらふと、見覚えのある後ろ姿を見かけて声をかける。
洸「稲叢先輩!」
椿「え?あ、神前君!エリーも」
榎梨「こんなとこで偶然ですねー部長も学食ですか?」
椿「ええ、そうなんですよ、昨日ちょっと夜更かしをしてしまって、朝お弁当を作る時間がなくって」
洸「そうなんですか、それじゃあ先輩一緒に行きませんか?」
椿「いいんですか?それじゃあ、お言葉に甘えさせていただきますね?」
榎梨「テッテレー‼部長が仲間に加わった‼」
洸「なにいってんだ?」
榎梨「なんか言いたくなるじゃねーですか!!」
洸「少なくとも俺はならねーな」
椿「すみません、私もちょっと……」
榎梨「ちぇーちぇーちぇー」
洸「剥れんなって…」
そうして話しているうちに学食に到着する。
洸「へぇ~、学食もでかいんだな…」
榎梨「この学園の生徒数的を考えて作ってるからって建前になってるんだよね~」
椿「エリー?そうゆうことを言ってはダメですよ?」
洸「建前ってどうゆうことだよ?」
椿「神前君まで…」
洸「あはは…すいません、でも気になっちゃって」
榎梨「お金持ちのために最高の鮮度と衛生をしている学食ってやつですよー」
洸「でも、庶民側も使ってるんだろ?」
榎梨「まーそーなんだけどねー」
洸「なんか、歯切れの悪い返しだな?」
榎梨「今にわかることだしね~」
俺は頭に疑問符を浮かべながら二人と学食のなかを歩く。
男子生徒「ああ、稲叢様!!今日はこちらでお召し上がりになられるのですか?」
椿「ええ」
洸「……稲叢様?宮本…稲叢先輩って学園では有名人って聞いてたけど…これもその一興か?」
榎梨「あれ?言ってなかったっけ?部長は稲叢財閥のご令嬢様なんだよ?」
洸「へぇ~……は?!ご令嬢?!!稲叢先輩ってお嬢様だったのか?!」
俺の言葉を聞いた男子生徒が俺の顔を睨むようにみてから稲叢先輩に尋ねる。
男子生徒「ところで、稲叢様そちらの男性の方は」
椿「最近お友達になった、神前君です!」
俺は稲叢先輩の言葉を聞いて軽く会釈する。
椿「神前君、こちらの方は倉野 寿樹君です」
寿樹「よろしくお願いいたします神前君」
そう言って握手を求めてくる。
俺はそれに答えるように手を差し出すと倉野は俺の腕を引き寄せて俺だけに聞こえるように言葉を発する。
寿樹「貴様、稲叢様と仲が良いようだが…あまり図に乗るなよ?貴様と彼女では住む世界が違うんだ……貴様の様な庶民風情が一緒にいていいようなお方ではない」
洸「…………」
こうゆうやつって本当に居るんだな~…正直三下臭が半端なく伝わってくる。
しかも、露骨に脚踏んできやがる。
洸「…まぁ、ほどほどに仲良くしてくれ」
寿樹「ええ、勿論ですとも」
そう言ってなおも俺の脚を踏んでこようとするのでそれを避けて脚払い。
寿樹「んなっ?!」
尻餅をつく倉野を見ながら白々しく聞く。
洸「どうしたんだ?一人で転けたりして?」
寿樹「……っっ!貴様っ!!」
洸「どうかしたのか?」
寿樹「白々しいぞ!!貴様が僕を転けさせたんだろう!!」
洸「俺はなんにもしてないぞ?」
寿樹「…っっっ!!!……ふんっ、まあいいこの借りはいつか返してやる、覚えておけ」
洸「ああ、明日には忘れると思うぞ?」
俺は挑発するようにそうかえすと倉野は舌打ちをして去っていった。
榎梨「洸君…なかなか面白い事をするね~」
宮本がニヒルな笑みを浮かべながら近づいてくる。
洸「…なんの事だよ?」
榎梨「まーまー、別に隠さなくてもいいよ♪僕もやられてたらおんなじことしただろうし」
洸「……こうゆう事って、よくあるのか?」
榎梨「まぁねぇ、この学園一学年九クラス分けでしょ?そのなかでも1組から4組が僕たちみたいな庶民が集められるクラスで、5組から8組が漫画やゲームで言うところの貴族が集められるクラスになってる」
洸「そうだったのか…で?俺ら9組はどんなやつが集められるクラスなんだ?」
榎梨「9組の人たちはね…所謂はみ出しものが集められるクラスにだよ♪」
洸「…………」
榎梨「…………あれ?…もしかして……スベっちゃった?」
俺は宮本の言葉に反応せず無表情で宮本をみる。
榎梨「ちょっ?!その無表情やめて‼目茶苦茶恐い‼」
椿「あの~?はやくしないとお昼休み終わってしまいますよ?」
洸「そうだった…宮本のボケに付き合って忘れてた」
榎梨「あはは、まあクラスの話はボケじゃないんだけど」
マジかよ…と思ったけど口には出さず席を探す。
そこで、ふと席に座っている女子生徒が気になった。
なぜか女子グループとは距離をとって座っているのともうひとつ……。
洸「……宮本…俺先に席とっとくから適当に俺のぶん頼んどいてくれ」
榎梨「え?ちょっと!洸君!?」
俺はその女子生徒に近づき声をかける。
洸「…よう、"久しぶりだな楠木"」
女子生徒「?!…なっ!?…先輩??!」
そう、この女子生徒は俺の中学のときの知り合いで、後輩の少女……楠木 楸だ。
洸「それにしても、まさか楠木がこの学園にいるなんてな~驚いたよ」
楸「……先輩こそ、なんでこの学園にいるんですか」
半分怒り気味に聞いてくる楠木に対して俺は軽く答える。
洸「一昨日この学園に転校してきたんだよ!正直また会えて良かったよ」
楸「自分は会いたくなかったですよ!」
そう言って箸を投げつけてくるが俺はそれをキャッチして楠木に渡しながら話を続ける。
洸「相変わらず元気だな~お前は、変わってなくて安心したよ」
楸「なにが"安心したよ"ですか!!ふざけないでください‼」
洸「おおう、なに怒ってんだよ?俺なんかしたっけ?」
楸「自分、始めてあったときから言ってましたよね?あんまり関わらないでくださいって!!なのに、先輩はことあるごとに自分に話しかけたりしてくるから…」
洸「…友人なんだから普通の事だろ?」
楸「友人じゃありません‼他人です‼」
洸「例え血の繋がった家族でも言ってしまえば他人だろ?」
楸「そんな意味不明な賃回答求めてません‼」
洸「じゃあ、どうすればいいんだよ?」
楸「今すぐ自分から離れてください半径2㎞くらい!!」
洸「それもう学園のそとじゃねーか……」
楸「それぐらいの気持ちで離れてくださいって事ですよ‼」
洸「つっても、まだ昼飯食ってないし」
楸「だったら食べてきたらいいじゃないですか」
洸「俺は席をとっとく係りだから動けねーの」
楸「席をとっとくって一人じゃないならなおさらべつの席にいってくださいよ」
洸「もうこの辺しか空いてる席がねーよ」
楸「……はぁ、もうこの人は本当に面倒な先輩だなぁ…今回だけですよ」
洸「やり!」
俺は小さくガッツポーズをして二人が来るのを待つ。
洸「……ところで、楠木はなに食ってんの?」
楸「見ればわかるでしょ?カツカレーうどんです」
洸「へぇ~」
カツカレーうどんって……また随分ボリュームのあるもん食ってるな…この身体のどこに入っていってるんだろう?
そう思っていると、宮本と稲叢先輩が料理の乗ったトレーを持ってこちらに来る。
榎梨「待たせちゃってごめんね~洸君」
椿「少し騒ぎがありまして遅くなってしまいました」
洸「お!きたきた」
楸「……先輩…自分はもう行きますから」
洸「待て、楠木…お前は相変わらず知らないやつが近くに来ると逃げようとすんのな?」
楸「先輩の知り合いでしょう‼自分は関係ないじゃないですか!!」
洸「俺がお前を紹介したいの!そんだけの理由だよ それに相手は女子だし平気だろ?」
楸「……この先輩ほんっと苦手だ…」
洸「なんか言ったか?」
楸「いいえ!なにも」
俺が楠木と話していると早々とトレーを置いて席についた宮本が聞いてくる。
榎梨「洸君、その子は?」
洸「ああ、同じ中学の後輩だった楠木だ」
榎梨「へぇ~名前はなんてーの?」
楸「……楸です…」
榎梨「ほう、じゃあ、ひーちゃんだ!」
楸「ひー!?なんですかそれ!!」
榎梨「可愛いっしょ?」
楸「嫌ですよ‼」
洸「楠木、諦めろ…そいつになにを言っても無駄だ」
楸「そもそも、先輩のせいでこうなったんですよ‼」
洸「へーへー」
椿「ふふ、皆で昼食をとると賑やかで楽しいですね」
洸「そうですね、また機会があれば一緒に食べましょう」
楸「ちょっと先輩!!こっちを無視しないでください‼」
洸「そんな騒いでないで残り食ったらどうだ?」
楸「そんなことわかってますよ‼バーカ!バーカ!!先輩のバーカ!!!」
洸「はいはい、知ってる知ってる~」
榎梨「あはははは」
そうして、初めての学食は賑やかに過ぎていったのだった。
元ウィザード級のハッカー少女
楠木 楸
一人称 自分
9月9日生まれ15才
B型
152㎝ 44㎏
スリーサイズ 78、54、78
好きな食べ物 ミカンゼリー 、ミルクプリン
嫌いな食べ物 ピーマン、きゅうり、海藻サラダ
趣味、特技 ゲーム、ハッキング、テレビ観賞
詳細
風町学園の一年生の後輩。
洸と同じ中学に通っていて、洸がサボってる最中に出会った。
機械を弄るのが得意で昔はウィザード級のハッカー
だったが学園に入るさいにハッカーを引退した。
昔から正義の味方に憧れていてよく正義感で突っ走ってしまいがち。
洸に対してなぜか強い敵対心を抱いている。
動物が好きで特に猫が好きらしい。
友達がおらずよく一人で過ごしている。
小学生の時に男子とイザコザがありそれ以来
男嫌いになったとのこと。
感情の変化が激しく分かりやすい性格をしている。