学園をみていこー
時間かかりながらでもしっかり書きたい。
よね!!?
僕が彼に出会ったのは小学生の低学年の時だ。
お父さんが護身用に剣道を習っておいたほうがいいと
ある剣道場に連れていかれたときのことだ。
正直僕は最初乗り気じゃなかった。
榎梨の父「榎梨、あれを見てみ榎梨と同じくらいの子がいるぞ?」
お父さんが指を指す方を見る。
そこには僕と同じくらいの男の子が大人の人と勝負していた。
少年「…………」
大人「 ……っ」
よく見ると大人の人が押されているような様子で
うってかわって少年は落ち着いている。
少年「……っ胴!!」
気づいたときには勝負はすでについていた。
本当に一瞬僕が瞬きした瞬間だった。
その姿を見て僕は格好いいと思った。
榎梨「格好いいね?お父さん」
榎梨の父「……そうだな」
それから僕は彼のことがとてもお気に入りでいつも
一緒にいたのは忘れられない思い出だ。
そんな昔の夢から目が覚めると、教室の机で寝ていた。
洸「…ん?ああ、起きた」
榎梨「……洸…君?」
洸「どうした?」
榎梨「…なんでもねーですよ……ただ、本当に洸君なんだな~って思って」
洸「なんだそりゃ?」
一目惚れだったんだと……僕は思う。
榎梨「洸君…」
洸「ん?どうした?」
榎梨「僕は洸君に会えて本当に良かったって思うんだ~」
洸「そうか?…なんか照れるな…つか、それなんか別れの言葉みたいだな?…」
榎梨「あはは……」
柊「……じーっ」
洸「ん?………」
~視点変更 洸~
視線を感じ振り向くと柊がこちらを見ていた。
榎梨「……ラギー?どうしたの?」
柊「っ!!」
顔をそらす柊……まぁ、言いたいことはなんとなく
分かるが……そんな事よりも。
洸「ラギーってなんだ?」
榎梨「え?柊だからラギーだけど…ダメだった?」
洸「それは俺じゃなくて柊に聞けよ」
榎梨「確かにそうだね…それはそうと洸君…上島さんとはどーゆー関係なのかな?」
宮本のその言葉に周囲の人|(主に男子)が反応する。
俺は少し悩んでから答える。
洸「従妹ってことになるのかな?」
榎梨「なんでギモンけーなんですか?」
洸「俺もどう言っていいかわかんねーんだよ」
榎梨「ふ~ん……」
洸「…そんな事より今昼休みなんだけど……宮本は昼飯どうするんだ?」
榎梨「ああ、昼休みだったのか…ん~…どうしよう?」
洸「俺に聞くなよ…」
宮本と話していると制服の袖を引っ張られる。
顔を向けると柊がなにかを言いたそうにしているが、
言葉が出てこないようで目線が泳いでいる。
俺は苦笑いを浮かべながら柊に伝える。
洸「柊…何を伝えたいのかわかんないけど……無理はしないで、ゆっくりでいいから自分のペースで
伝えてくれればいいよ」
柊は俺の言葉に頷き深呼吸をすると、いつもと
違う雰囲気で喋りだす。
柊「ありがとう……洸ちゃん」
洸「っ!!……お、おう…どうい……たしまして?」
柊の笑顔に思わずドキッとしてしまう。
命さんと一緒の時はいつも笑っていたと聞いたけど…正直女子の中ではかなり可愛いだろうなと思っていた。
榎梨「……じーっ」
洸「……なんでしょうか…宮本さん…」
榎梨「いやいや、気にしねーでくだせー」
洸「いくらなんでも無理あんだろ…めっちゃ近いし…」
宮本はほとんど俺に張り付いた状態の至近距離で俺を見てきていた。
榎梨「いや~だってね?今の一瞬二人だけの世界で
ランナウェイしようとしてたでしょ?」
洸「ちょっとなに言ってるかわかんないんだけど」
榎梨「うそ……でしょ……」
洸「なんでショック受けてんの?」
榎梨「坊やだからさ!!」
洸「お前女だろが‼」
榎梨「…あー………てへ☆」
洸「うわ~腹立つ~」
榎梨「リアリー?!」
洸「よーし、張っ倒すから動くなよ?」
榎梨「まさか、女の子に手を挙げるの?」
洸「昔馴染みだから手を挙げるんだろ?」
榎梨「優しくしてね?」
─スパーン!!!─
榎梨「イッタ!!マジで痛いんですけど⁉」
洸「いや、なんか……イラッ!!としちゃってさ」
榎梨「イラッの部分を強調したね」
洸「したな……」
榎梨「ちょ?!謝るからその握り拳を下ろしてくんない!!?…ところでさ洸君は何か部活に入る気ある?」
洸「いや、特にないけど……なんだ突然?」
榎梨「じゃあ、剣道部に入ら……
洸「断る」
榎梨「即答?!なんで?!」
洸「それは、あれだ、家庭の事情ってやつ?」
榎梨「いやいや、流石に無理があるよ?」
なぜだか宮本の中では俺が最強だと思われている。
俺が剣道部入らない理由は中学の剣道大会の試合で俺は相手選手から籠手を食らい右手の骨が砕けてしまった。
医者の話では回復すれば日常生活には支障はないが剣道はもうできないだろうと言われたからだった。
しかし、このままいくと無理矢理にでも剣道部に入れられそうだな……そう思った俺はある提案をする。
洸「じゃあさ、どんな部活があるか案内してくれよ」
榎梨「案内?なんで?」
洸「俺転校生、お前在校生……アンダスタン?」
榎梨「自分でやるのはいいけど人がすると腹立つな……」
洸「じゃあ、放課後に頼むな?」
榎梨「アイアイサー!」
宮本が離れるのを確認してから大きく息を吐く。
するとまた制服の袖を引っ張られる。
洸「どうしたの?柊?」
柊「私も…付いていってもいい?」
洸「いいけど、柊も在校生だよな?」
俺が聞くともじもじしながら答える。
柊「私は……こんな感じだから…部活に入れなくて…」
洸「…そうか、じゃあ一緒に行こうか」
俺がそう言うと目を輝かせて頷いた。
そんな姿を見て俺は苦笑した。
そして、放課後になった。
榎梨「第1回部活見学会を始めたいと思いまーっす‼
ワーッどんどん‼パフパフ~!!」
洸「自分で言うんだな……」
柊「……パチパチ(ボソッ)」
榎梨「案内役は僕こと宮本 榎梨がお送りします‼
そして、特別ゲストの上島 柊さんと流石に女子二人だと男一人の洸君が可哀想と言うことで、同じクラスの男子、雨宮 竜悟君をお呼びしました‼」
竜悟「どうも、雨宮でーっすよっろしく!!」
柊「……っっ!!」
雨宮の自己紹介とは裏腹に俺の後ろに隠れて警戒している柊がいた。
洸「……柊?大丈夫か?顔色悪いぞ?」
柊「えと……その…雨宮君は……苦手…なので……」
竜悟「うは~っ傷つくなぁー‼」
柊「ふぇ?!」
洸「うおおぉう?!」
俺は驚く柊に前後に振り回される。
脳が揺れて気持ち悪い。
柊「……あ…洸ちゃん……ごめんなさい……」
洸「いや、大したことないから大丈夫だよ…………」
俺は苦笑いを浮かべながら柊の頭を撫でる。
柊は始めは恥ずかしそうにしていたがすぐになれたのか、くすぐったそうに目を細めている。
なんか小動物を撫でているみたいで和む。
竜悟「うは♪なっかいいね~お二人さん!」
どうでもいいがこいつは無駄に声がデカイ…その上
性格とか喋り方の感じとか無性に鬱陶しい。
洸「……宮本…ちょっと来い」
榎梨「はいはーい!なんでしょーか?」
洸「雨宮を帰らせてくれないか?」
榎梨「なんで?」
洸「柊が苦手意識持ってるみたいでさ……このままだと柊が気になって仕方がない」
榎梨「洸君ってラギーには甘いよね?出会って2日しか経ってないって言うわりに」
洸「命さんに柊のこと頼まれた手前どうしようも出来ねぇだろ?」
榎梨「……ふ~ん…ま、そうゆうことにしとこーかな……ミリューンちょっと来て!」
竜悟「宮もっちゃんその呼び方やめてくれない‼?で、なに?」
榎梨「呼んどいてなんだけど、もう帰っていいよ」
竜悟「ひっでーな!宮もっちゃん!!急に電話で呼び出しといていきなり帰れなんて!」
榎梨「はいはい、ごめんごめんご~」
竜悟「うわ~てっきと~……わかったよ!!帰ればいいんだろー‼」
そう言って雨宮は文句を言いながら帰っていった。
洸「……今更なんだが…ラギーで定着させる気か?」
榎梨「可愛いっしょ?」
洸「いや、わかんねーけど」
榎梨「ちぇーちぇーちぇー」
洸「そんな事よりさっさといくぞ」
榎梨「はーいはいっと」
それから、俺は宮本に部活を案内してもらった。
宮本が言うにはこの学園は大きいから似たり寄ったりな部活が多いらしい。
その説明通り、似たような部活が多かった。
黒魔術同好会やら白魔術同好会やらオカルト研究会、あと謎なのは研究会を研究する研究会をさらに研究する会だ……訳がわからん。
洸「文化部系は頭おかしい奴しかいないのか?」
榎梨「あはは……まぁ、文化部系はわりかし皆なかいーですからねー」
洸「運動部はそうでもないのか?」
榎梨「大企業の御曹子とかいるからね~先生とかそっちを優先するし、そのくせ試合することになったらわざと負けろとかふざけんじゃねーってかんじですよ」
洸「なるほどな……先生方はお坊っちゃまお嬢さまに頭が上がらないのか……」
榎梨「まぁ、女子剣道部は部長がその気遣いを嫌がってるからまだマシなんですけどねー……男子剣道部は部長までそのお坊ちゃんがやってるからどうしようもねー状態なんですよねー」
洸「そのお坊ちゃんは強いのか?」
榎梨「ぜんっぜん!!弱すぎて話になんねーですよ先生が金握らされて尻尾振ってるから何を言っても聞く耳持ちやしねーんです」
洸「そいつは困りもんだな」
榎梨「まぁ、例外もあるっちゃあるんだけど……例えば僕たちの担任の霧ちゃん先生とか!」
洸「ああ、あの適当な先生な」
暁 霧香先生……俺と宮本が授業をサボってしまい教室に戻った際に叱られた先生だ……けど性格が適当みたいで怒っているのかどうかさえビミョーで本人は
授業中に爆睡したりしていたので印象と言うか……
一度見たら絶対忘れないだろう。
榎梨「霧ちゃん先生は昔剣道やってて世界大会で優勝したこともあったんだって」
洸「へぇー…」
俺が宮本と話していると柊が再び俺の制服の袖を引っ張っていた。
洸「どうした?」
柊「…運動部に……いくの?」
洸「ああ、そうなるだろうな…それが?」
柊「……運動部は…嫌な所だと思うから……喧嘩とか
しちゃ…駄目だよ?」
洸「……気を付けとくよ」
俺は柊の言葉に頷き宮本が所属している剣道部に
着いた。
榎梨「はーい、ここが剣道部の練習場でーす」
洸「へぇー、見た感じ真面目にやってんじゃん」
柊「っ!!っ!!」
洸「……柊?」
剣道部の練習に感心している俺とは裏腹に柊の顔色が悪くなっていた。
洸「柊?大丈夫か?さっきの雨宮時より顔色悪いぞ?」
柊「……大…丈夫………ただ……人に酔った…だけ」
そう言って更に顔を歪めている。
本当に大丈夫なのか心配になる。
そう思っていると一人の女子部員が近寄ってきた。
女子部員「重役出勤ですね?エリー?」
榎梨「!部長!」
宮本の声に思わず驚いてしまう。
剣道をしているとは思えない綺麗な手と物腰をしていた。
あと気になったのは。
洸「エリー?」
榎梨「な~に?洸君いきなり呼び捨て?照れるじゃん!」
洸「いや、そんなつもりはなかったんだが?つか、クネクネすんな!!キショイ!!」
榎梨「きっ?!キショイって酷くねーですか!!?泣くぞコンチキショー!!!」
洸「悪い口が滑った」
榎梨「…………」
洸「無言でこっち見んな」
女子部員「こちらの方はどうしたんですか?」
榎梨「ブカツノケンガクニキタソウデスヨー|(棒)」
洸「マジで謝るから棒読みやめろ」
榎梨「ナニヲアヤマルッテンデスカ|(棒)」
洸「……今度甘い玉子焼き作ってやるから」
榎梨「こちらの方は僕の幼い頃からの友人で神前 洸君と同じクラスの上島 柊さんです
洸君が今日転校してきたばかりでどんな部活があるか知りたいとのことでしたので案内をしていて遅くなりました」
マジかこいつ……口調変わりすぎだろ……それに……
変わり身はっや!!玉子焼きだけで簡単に折れたな。
女子部員「そうでしたか、それはご苦労様でした」
そう言って優しく微笑み俺に近づいてくる。
椿「私は稲叢 椿と申します
僭越ながら剣道部の部長を引き受けさせていただいてます」
洸「ああ、ご丁寧にどうも、神前 洸です」
柊は俺の背中から離れず隠れながら頭を下げる。
椿「神前君と上島さんですねどうぞゆっくり見学をなさってください」
洸「はい、ありがとうございます」
榎梨「実はね洸君、部長はこの学園では一番の有名人なんだよ!
しかも、ミスコンでは他の出場者を差し置いてのダントツで優勝!!凄くない‼?」
テンションが高い宮本に俺は若干引き気味で困ってしまう。
椿「エリー?貴女、部活に来たのでしたら準備をしてはどうですか?」
榎梨「はっ!!そうでした‼では、着替えてきまーす」
椿「はぁ、全く困った子です…神前君、エリーの昔からの知りあいとのことでしたが、昔からああだったのですか?」
洸「……そうですね…昔から明るかったけど……その頃より更に明るくなったと思います」
椿「そうでしたか……」
部長さんは少し考えるような素振りを見せたがすぐに表情が戻り、俺の顔をまじまじと見てくる。
椿「神前君……貴方は剣道をしないのですか?」
洸「いえ、俺は遠慮させてもらいます」
椿「そうですか?勿体ないですね……かなりの腕前をしているのに」
洸「っっ!!?」
一瞬部長さんから殺気染みた気配を感じ身構える。
しかし、すぐにその気配がなくなり部長さんは微笑み話しかけてくる。
椿「冗談です♪」
洸「……え?」
椿「冗談♪エリーが男の子を連れてきたので少しからかいたくなっただけです」
そう言って悪戯っこのような無邪気な顔をしていた。
そして、話しているうちに宮本が戻ってきた。
榎梨「着替えてきました部長」
椿「はい、では神前君、それに上島さん私たちは練習に戻りますので、これで失礼致します」
洸「はい、部長さんもありがとうございました」
椿「神前君、部長さんと言う呼び方は……その…」
洸「え、でも、宮本が部長って呼んでたからそう呼んだ方がいいのかと」
椿「いえ、構わないのですが…殿方にそう呼ばれるのは…少し恥ずかしいと言いますか……」
洸「じゃあ、稲叢さん?」
榎梨「部長は三年だよ?先輩って呼んだ方が良くない?」
洸「そうゆうことは先に言えよ……」
榎梨「敬語使ってたし分かってるのかと思ったんだけど……」
洸「喋り方につられて敬語になってただけだよ……」
部長さんはソワソワしながら待っていたので
俺は咳払いをして仕切り直す。
洸「それでは稲叢先輩で」
椿「はい、よろしくお願いいたします」
そのあと、稲叢先輩と宮本の練習風景を俺と柊は
終わりまで見ていたのだった。
元気全快の女子剣道部エース
宮本 榎梨
一人称 僕
7月23日生まれ16才
O型
156㎝ 46㎏
スリーサイズ 76、54、78
好きな食べ物 甘い玉子焼き ミルクティー
嫌いな食べ物 特になし。
趣味、特技 剣道、料理、トレーニング
詳細
洸の幼馴染みで洸の祖父の剣道場に通っていた。
実力は小学生で高校生の大会ベスト4を倒せるほどの才能を持っている。
喋り方が独特で砕けすぎた敬語とタメ口が交互に混ざりあった口調になる。
洸曰く昔から喋り方が変わらないらしい。
回りを盛り上げるのが得意なのだが、慰めるのが
とても苦手。
手先が器用で料理や裁縫などの家事全般得意。
勉強は赤点をギリギリとらない程度にはできる。
親にはそれでよく怒られている。
家は喫茶店を経営しており、父親が究極の喫茶店を
目指している。
母親は呆れつつもその夢に付き合っている。
今まで剣道をしてきて負けたのは洸と剣道部の部長だけとのことらしい。