聞きたいこと
学園長の暇潰しに付き合ってしばらくたった頃…俺と楠木は学園長室から教室に戻っていた。
洸「まさか昼休みまで付き合わされるとは思わなかったな〜」
楸「まったく…先輩と一緒にいるとろくなことが起きません」
不機嫌そうに楠木が言う。
洸「いや、本当に悪いと思ってる」
楸「そもそも、自分は別に教頭先生に目をつけられてる訳でもないですし」
洸「焦ってたから仕方ないだろ?あ、でもお前の手が小さくて驚いた」
楸「っっ!!!そんな感想いりませんよ!!」
真っ赤になって怒る楠木に苦笑しながら階段につき、楠木と別れる。
洸「またな、楠木」
楸「うっさいです!さっさと行って下さい!!」
洸「はいはい…」
そう言って俺は楠木から離れ教室に戻る。
教室に入るとなぜか背後から殺気を感じその場で体を横に避ける。
すると数本のチョークがものすごいスピードで目の前を通り過ぎ…
竜悟「うごっ!?」
雨宮に直撃した。
霧香「チッ!避けてんじゃねぇよ…」
洸「えと、暁先生?なぜ…そんなに殺気立ってるんでしょうか?」
霧香「さぁなぁ〜…ただ、職員会議が終わって教室に戻ってきたら女を連れて出てったまんま戻ってこない男がいるって言うじゃないか」
そう言って指をバキバキ鳴らしながら近づいてくる。
洸「いや、これには深い事情が…」
霧香「問答…無用!!」
暁先生の弾丸チョークの雨を避け続けながらさっきチョークをくらって倒れていた雨宮を拾い暁先生にぶん投げる。
霧香「っ!セイッ!!」
竜悟「ゴフッ!!!」
暁先生は雨宮を蹴り飛ばし雨宮はキリモミ状に吹っ飛んだ。
霧香「……神前、次あたしの授業に出なかったら殺すからな」
洸「マジですみませんでした!!」
先生はため息をつきながら去っていった。
俺は倒れていた雨宮に一言謝ってから自分の席に座る。
榎梨「おかえり」
柊「おかえりなさい」
洸「おう」
榎梨「ひーちゃんの用事ってなんだったの?」
洸「ああ、それは…」
俺はかいつまんで説明する。
柊「ななちゃん学園までついてきちゃったんだ」
榎梨「それで、七緒ちゃんはどうしたの?」
洸「学園長に預かってもらってるから帰りに学園長室によって回収することになってる」
竜悟「いつつ…お前ってなにげに凄いよな〜」
雨宮が先生に蹴られた頬を撫でながらよってくる。
洸「生きてたのか」
竜悟「あの程度じゃ死なねーよ!それよりも学園長にあったんだよな?」
洸「ああ、かなり変わった人だったけど…それがどうかしたのか?」
竜悟「生徒会長と同じで学園長もあんまり学園に来ないんだよ。だから話を出来たってだけでも凄いって話」
洸「そういうもんか?」
俺は首を傾けながら弁当を広げて食べ始める。
洸「そういえば、職員会議ってなに話してたんだろうな?」
榎梨「時期的に多分修学旅行じゃない?」
洸「修学旅行って…6月に入ってからするものなのか?」
榎梨「生徒数がバカにならないからね〜行く所もクラスごとに違うって部長が言ってたし」
竜悟「つっても、行くところは毎年変わってないけどな」
洸「何処に行くんだよ?」
竜悟「北海道と京都と沖縄のどれかで毎年先生が職員会議のさいにくじ引きで決まるって新聞部の部長が言ってた」
洸「つーことは、修学旅行のしおりとかももう出来てるってことか」
竜悟「6月の下旬に行くから五、六時間目は基本的に班決めとかだろうな〜」
班決めか…あんまりいい思いでないな。
中学の時は基本的に誰か余ったら適当な班に入れられるけどその場合入る班によってはかなりキツイ…
仲良しグループに入れられたときとか地獄のようだったのを覚えてる。
洸「班の編成って何人で分けるんだ?」
竜悟「クラスの基本人数だと5人分けだと思うけど…神前が入ったから5、6人かな?」
洸「自由に決めるなら俺達で4人だからあと1人か2人だな…」
修学旅行の話をしながらその日の学園生活は滞りなく過ぎていった。
そして、その日の夜の俺と柊は晩御飯を食べ終え、柊と話ながら過ごしていた。
洸「結局、修学旅行の班は大体いつも通りの面子だったな」
柊「そうだね…」
洸「…やっぱし気になるか?残り二人の人」
柊「ううん!そんなのじゃなくて…えっとね…私、修学旅行って初めてで…どういう風なのかよくわからないの」
洸「?修学旅行が初めてって小、中学校の時は行ってないのか?」
柊「小学生の時は風邪を引いちゃってたし…中学生の時はいろいろ…バタついてたから…」
洸「…そっか、じゃあこの修学旅行は名一杯楽しまないとな?」
柊「…うん……あ、洸ちゃん修学旅行中ななちゃんはどうするの?」
洸「ああ、宮本の家で預かってもらう予定にしてる」
おっさんも二つ返事で了承してくれたし。
柊「そうなんだ」
洸「ああ、だから修学旅行の話をしようか」
柊「うん」
俺と柊は二人で修学旅行の話を始める。
ちなみに、班の面子は俺と柊、宮本に雨宮とあとは…なんか、チャラい男子の柴田と口数が少ない女子加藤といった組み合わせだ。
洸「…つーか俺あの二人とあんまり話したことねーんだけど…どうしよう」
柊「洸ちゃんって人見知りしないタイプだよね?」
洸「しないっちゃしないけどさ、流石にあの二人は苦手かな?特に柴田」
なんと言うか雨宮の100倍くらい鬱陶しいと思う。
(雨宮は流石になれたけど)
加藤さんは…読書家だとしか言えない…たまにこちらを見たかと思うとすぐに本に目が戻るし…何を考えているのやら。
柊「洸ちゃん?」
洸「…ん?ああ、なんでもないよ。ただ、どこをまわるか意見を聞かなきゃな〜って思っただけだ」
柊「…私は、皆で楽しくまわれたら…それだけで満足かな」
洸「……でも、柊はあんまり人が多いところは駄目なんじゃなかったっけ?」
柊「うん、でも今は洸ちゃんや榎梨ちゃん、それに雨宮君とも話せるようになってきてるから大丈夫だと思う」
洸「そうか、だけど辛い時は言えよ?無理して倒れたら楽しめなくなるからな?」
柊「うん、ありがとう…洸ちゃん」
そう言って笑顔になる柊に少しドキッとしてしまう。
あんまり気にしないでいたけどやっぱり柊は可愛いと思う。
柊「洸ちゃん?どうしたの?顔…赤いよ?」
洸「えっ?!あっ!いや〜…なんでもないから!!気にしなくていいよ!!」
アホか俺は!どんだけ動揺してんだよ!!早口になってるうえに声裏返ってんじゃねぇか!!
そう自分にツッコミをいれている場合でもないんだど…。
そんな俺をみた柊が聞いてくる。
柊「もしかして…風邪?」
あまりにも心配そうに見てくるので段々落ち着いてきた。
洸「違うって…大丈夫だから心配すんな」
柊「よかった…洸ちゃんが一緒にいないと正直不安だから…」
洸「え?」
柊「あっ!いやっ!!そういう意味じゃなくて!なんて言うのかな…」
洸「ぷっ…」
あたふたしながら言葉を探している柊に思わず吹き出してしまう。
柊「あっ!洸ちゃん!なに笑ってるの!!」
洸「あはは!悪い悪い。ただ、出逢った頃に比べると、本当によく話せるようになったな〜って思って」
柊「…洸ちゃん…誤魔化そうとしてない?」
洸「うっ…そ、そんなことより!もう八時だぞ?早く風呂に入ってさっさと寝ないと」
柊「…わかった、じゃあお風呂先に入るね?」
洸「ああ、俺は部屋にいるからでたら言ってくれ」
柊「うん」
俺は風呂に行く柊をみてから自分の部屋に移動する。
洸「…修学旅行……か…」
俺は呟きながらしおりを開く。
行き先は京都…二泊三日で初日はある程度みてまわってから宿泊施設に移動することになっている。
洸「忘れ物…しないようにしないとな…」
そう思っていると電話がかかってきた。
相手は久しぶりの人だった。
洸「だれだ?…命さん?はいもしもし?」
命『ああ、洸おはよう』
洸「こっちは夜なんですけど?時差ボケですか?」
命『まぁ、そんなところさ。ところで、君たちはそろそろ修学旅行の話をしている時期じゃないかと思って電話したんだけど…』
洸「ええ、今日ちょうどしてましたよ」
電話の向こうでは命さんがなにかを考える風な声が聞こえる。
洸「どうかしたんですか?」
命『ん?いや、なんでもないよ。それよりも、最近柊の様子はどうだい?』
洸「そうですね…出逢った頃に比べるとよく話してくれるようになりましたね」
命『ほう…私の方が一緒にいた時間が長いはずなのに二ヶ月くらいの君の方が親密度が高いとは…妬けちゃうね』
洸「そうですか?」
命『ああ、私が話しかけても基本オドオドされるだけだったし』
洸「まあ、仲良くなってきたのは事実ですけど…」
命『それで?君たち…付き合ったりしないのかい?』
洸「は?なにをいってるんですか?」
命『いや、なに…年頃の男と女が一つ屋根の下なんだ…こうなにか浮いた話の一つや二つないのかな〜って思ってさ」
洸「ありませんよ…そんなもん」
命『なんだ、つまらない』
洸「そんなことより、仕事はいいんですか?」
命『今日はオフだからね…じゃなきゃ君にちょっかいかけるための電話なんてしないさ』
そんなことをいっているが、この人もこの人なりに俺たちの心配をしてくれてると思うと少し照れくさくなる。
命『話を戻すけど柊は大丈夫なのかい?』
洸「人酔いのことですか?大丈夫だとは思いますよ?俺だけじゃなくて宮本とも普通に話せていますから」
命『…そうか、じゃあ…"君は大丈夫なのかい?"』
洸「……なんの話ですか?」
命『君の体の話だよ…君、最近定期診断にも来ていないって医者から電話がかかってきているんだよ』
洸「………」
命『君は自分がどういう状態なのかわかっているんだろう?』
洸「…ええ、わかってます……だから無理はしませんよ」
命『…そうか、ならいい…君はそう言ってても無理してしまうだろうしね』
洸「……」
命『おっと、私はすることがあったんだった。それじゃ洸…お休み』
洸「…はい、命さんも頑張って下さい」
そう言って電話を切り俺はベットに倒れこむ。
洸「…無理はしてないはずなんだけどな……」
俺の体は昔、爺さんに鍛えられて子供にしてはとてつもなく強い力量を保持していたと噂されていた。
けれど、子供には耐えきれるはずがない力を振るっているうちに体は限界を迎えていた。
中学の剣道の試合で負けて骨折したさい医者に言われた……君の体はすでにボロボロで無理をすれば寿命を縮めるだけだと言われてる。
洸「寿命を縮めるだけ…か…この事は他のやつには言えないな」
俺は呟きながら時計を見る。
洸「…9時半か…柊はまだ風呂にいんのかな?だとしたら、風呂に入るのは10時過ぎたぐらいになりそうだし…漫画でも読みながら待つか…」
俺はベットから立ち上がり本棚にある漫画を適当に引っこ抜き漫画を読み始める。
〜一時間経過〜
洸「…いつもより長いな……まあ、女子の風呂と買い物は長いものって決まってるからな…もう少し待つか…」
〜さらに一時間経過〜
洸「11時半か…流石に…長すぎるよな?」
長風呂で二時間くらいなら聞いたことがあるけど、三時間も風呂に入ってるなんて初めてだ。
それにいつも柊は一時間ちょっとで風呂を出てくるはずなんだが…。
洸「…様子を見に行った方がいいかな?」
そう思い俺はベットから立ち上がり部屋から出る。
〜視点変更 柊(二時間と少し前)〜
私はお風呂から出て髪をタオルで拭いながら乾かしていた。
柊「…ふぅ、髪が長いと乾かすの大変だなぁ……洸ちゃんに頼もうかな?」
お風呂を出たら呼びに来てくれって頼まれてもいたし…そのついでならいいよね?
柊「…だれに、言い訳してるんだろう…」
洸ちゃんの部屋には何回も入ってるけど…それでも少し緊張する。
洸ちゃんの部屋の前に行くと話し声が聴こえてきた。
柊「…あれ?洸ちゃん…誰かと話してるのかな?」
気になって扉に聞き耳をたてる話してる相手は…命さん。
命『君は自分がどういう状態なのかわかっているんだろう?』
洸「…ええ、わかってます……だから無理はしませんよ」
柊(洸ちゃん…どこか悪いのかな?)
そのあと二言三言言葉を交わしたあと電話を切ったのかベットに倒れこむ音が聴こえた。
洸「…無理をすれば寿命を縮めるだけ…か…この事は他のやつには言えないな…」
柊(寿命?なんの話だろう…)
電話の内容が気になった私は自分の部屋に戻り洸ちゃんが話をしていた相手に電話を掛ける。
柊「…もしもし?」
命『どうしたんだい?君のほうから電話を掛けてくるなんて珍しいじゃないか』
柊「…そう…ですね…あのっ!聞きたいことがあるんですけど…」
命『なんだい?ちなみに洸の好物は唐揚げとプリンだよ?』
柊「そうなんですか?じゃなくて!!」
命『あれ?洸のこと聞きたいんじゃなかったの?』
柊「…そう…ですけど…なんでわかったんですか?」
命『そうだね〜…母親の勘ってやつかな?で、何が聞きたいんだい?さっきの洸との話の内容かな?』
柊「っ!!な、なんで?!」
命『カマ掛けたつもりだったんだが…図星だったのか』
なにもかもお見通しといわんばかりに言ってくる命さんに私は聞きたいことを訪ねる。
柊「…洸ちゃんは…なにかの病気…なんですか?」
命『…ふむ……柊は彼のことをどう思ってる?』
柊「どうって…なんの質問なんですか?」
命『なに、単純な興味本位だよ。その答えで私は君の質問に答えるかどうかを決めようかと思ってね』
なんでそんなことを聞くんだろう…命さんの考えてることがわからない…一緒にいた時は感情を読み取ることが出来たけど…電話越しじゃそれも出来ない。
命『…質問を変えようか……君は彼が好きかい?』
え?
柊「えぇ?!!」
命『……いきなり大きな声を出さないでくれないかい?耳が痛いよ…』
柊「命さんが変なこと聞くからでしょ!?」
命『…ほほぅ……なかなかに気になる反応だねぇ?』
柊「っっ〜〜!!命さん!!」
命『はいはい、その反応に免じて話してあげるよ。洸の昔のこと』
柊「私が聞きたいのは洸ちゃんがなにか病気を患っているかどうかなんですけど…」
命『病気…というか、彼ついて話す前に彼の昔を知っておいて貰おうと思ってね。一緒に住んでいるわけだし…聞くかい?』
柊「…聞きます」
私が答えると命さんは少し深呼吸をしてから語りだした。
命『…あれは、13年前のことだった…私はまだ10代で学園に通っていた頃だ。
当時洸の母親…私の姉さんが結婚してしばらくたったころ…お爺さんが一人の子供を連れてきたんだ…
その子供は死んだ魚のような目をしていてまるで覇気を感じなかったんだ。
どうしたのか聞くとお爺さんは今は話せないとだけ言って姉さんに言ったんだこの子を養子にしてやってくれ…てね。
当時姉さんとお義兄さんには子供は出来ないって医者に言われててね…』
柊「え?どういうことなんですか?洸ちゃんのお父さんとお母さんに子供が出来ないって…洸ちゃんはその二人の子供じゃないんですか?」
命『…洸の本当の親は……殺人犯に殺されていたんだ。
その時洸の本当の母親は洸のことを庇うように抱き締めていて犯人に体を何度も何度も刺されて死んでいたらしい。
その時の犯人はすぐに捕まったけど洸はその事件のさいに本当の親を喪ったんだ…その親には親戚もいないらしくて実質的に彼は天涯孤独の身になった。
それをみかねたお爺さんが洸を引き取ると言って彼を連れて家に帰ってきたんだ。
姉さんとお義兄さんはそれを知ってか知らずか笑顔で彼を受け入れたんだ。
家にいるうちに彼は笑うようになってきた…だけどその笑顔は紛い物の作り笑いで…心の底から笑うことをどこかで拒むようになっていたんだろうね』
柊「…そんな……」
いつもみているあの笑顔が作り笑いだったのかと思うと少し胸がチクリと痛くなるのがわかった。
どうしてだろう?わからない?そんな私の考えとは裏腹に命さんは話を続ける。
命『そんな洸をみていたお爺さんはよく洸を連れ出してはありとあらゆることを彼に叩き込んだ…剣術、格闘術、料理、裁縫、気配の探りかたや消しかたまでね。
そうしているうちに彼は5才になる頃には子供なのに大人を打ち負かせる程の力を持っていた…けれど、それは彼自身の体に多大な負荷をかけていた…彼自身気づいたのはつい最近のことらしい…それは』
柊「……」
私は命さんの次の言葉を待っていると突然部屋の扉をノックする音が聞こえた。
柊「っ!!は、はい?」
洸「あ、やっぱり部屋にいたのか…」
柊「洸…ちゃん…どうしたの?」
洸「どうしたの?じゃねーよ…風呂出たら言ってくれっていったろ?」
柊「あ、ごめんなさい…電話に夢中で気がつかなかったんだ…」
洸「電話中だったのか…悪いな邪魔して」
柊「大丈夫だよ。こっちこそ忘れててごめんね?」
洸「いいけど、早く寝ろよ?もう11時だぞ?」
柊「うん、すぐ寝ちゃうから大丈夫」
洸「そか、じゃあおやすみ」
柊「うん、おやすみなさい」
そう言って部屋の扉を閉めて洸ちゃんの足の音が遠くなるのを聴きすぐに携帯のスピーカーに耳を戻す。
命『…彼は、行ったのかい?』
柊「はい」
命『……この話はまた今度にしようか…何だか気分が乗らないし…それじゃあ、おやすみ』
柊「え?あのっ!…切れちゃった…」
なんだったんだろう…そう思っていると命さんからメッセージが送られてきた。
命『…彼のことを…よろしく頼む。彼は優しいけれど不器用で人にあまり頼ろうとしない子だから…君が彼を助けてやってくれ。
追伸
彼は君と出逢ってからわりと心から笑っているように思う。
だから君はいつも通りに接してあげたらいいと思うよ。
命より』
柊「…見透かされてる……」
嬉しいような悔しいような…複雑な気持ちだけど…。
柊「頼まれちゃったからには…頑張らないとね」
私は命さんにわかりましたと返事を送り、その日は眠りについたのでした。
オマケ
俺は柊がまだ風呂に入っているか確認するために風呂場に向かう。
洸「…よくよく考えたら風呂場に行くのはやめた方がいいよな?」
覗きと勘違いされて怒られそうだし…そう思いながら歩いている途中柊の部屋の扉が少し開いていることに気づく。
洸(不用心だな…閉めとくか…)
そう思い扉に手を近づけると隙間から柊が少し険しい表情なのが見えた。
どうやら電話中みたいだ。
俺は悪いと思いつつ離れようとしたけれど、会話を聞いて体が固まる。
柊「え?どういうことなんですか?洸ちゃんのお父さんとお母さんに子供が出来ないって…洸ちゃんはその二人の子供じゃないんですか?」
洸(俺の話?それも父さんと母さんって…)
話を聞く限り相手は命さんだと言うことはすぐにわかった。
けれどどうして俺のことを話しているんだろう?
俺が考えているうちにも話は続く…。
俺は考えるのを一旦やめて扉にノックをする。
そして平静を装いつつも柊に二言三言言葉を交わし柊の部屋を出る。
洸「……そのうち柊にも俺のこと話さないとな」
そう思いながら俺は風呂に入るのだった。




