悪魔
ラグナガルドの悪魔の説明です。
悪魔とは、世界を滅ぼすと言われる者である。魔族、忌、鬼、邪霊などとも呼ばれる。世界を歪める力を持ち、周囲のマナを無秩序に取り込んで自分の属性へ変換し、その属性化したマナを放出して見境なく破壊や殺戮を続ける。ランクが上がるにつれて、マナの制御が出来るようになるものもいるが、そのような個体こそ、強力な魔力を持ち、危険である。
時代が進むにつれてある程度は分類されていったが、特殊個体が多く、対処も難しい。また、時折人間から生まれることもあり、時代によっては家族と共に虐殺された。
悪魔の寿命は個体によって変わり、不死であるものもいれば、発生して数時間で死滅するものもある。悪魔が死ぬ時、体内の魔力が開放され『魔災』『デビル・ディザスター』と呼ばれる災害が起こる。それを防ぐには、悪魔に魔力を全て放出させるようなハードな戦闘が必要になる。このため、『悪魔狩り』『エクソシスト』などと呼ばれる専門のハンターが重用された。その悪魔狩りの中には、自分が悪魔であることを隠した人間型悪魔もいたと言われる。
悪魔が現れ始めたのは、ロキエルが世界の統治を止めた後だと言われている。そのため、ロキエルが悪魔を生み出したのではないかと憶測された。この憶測は、各地で狩られる悪魔をロキエルが保護したことからも後押しされた。この時期からロキエルは人間に文化や技術を与える神から、人を害する邪悪な神として人々から信仰を失っていく。
さらにロキエルは魔王という称号を与え、悪魔に自分達の統治をさせた。魔王は魔力を完全に制御し、周囲の悪魔を従わせる力を持つ。その力の根源は不明だが、一人の魔王が死んでも後に新たな魔王が生まれることから、何かしら伝承可能なものであると推測されている。
悪魔の真実をここから説明する。
悪魔をより正確に言い表しているのは『忌』である。古代ラグナ語では『Imi』は悪魔を意味する言葉であった。忌とは、呪いである。
忌は世界のマナが低下していった時、世界がマナを励起させて世界自身を守るために発生させる。忌を宿した生物は周囲のマナを無作為に取り込み、体内で励起させて放出する。放出されたマナは高エネルギー状態になっており、連鎖的にマナを励起していく。『存在する』ということは、マナの状態が安定している。しかしマナが励起した場合、その安定が崩壊し、最悪の場合原子レベルで存在が消滅する。これが忌の真実である。
忌が存在するということは、世界の存続が危ぶまれているということに他ならず、マナの更新が求められる。ロキエルの失踪後に忌が発生したのも、その時から創世神によるマナの更新が途絶えたからである。
忌は長く存在し、最後は自壊するように消滅した方が、多くのマナが励起される。
ロキエルが忌を保護したのは、前記の理由ともう一つ、その魂の崇高さや善悪の判断もされないままに、怯えながら殺される忌を憐れんだことがある。ロキエルを直接知る忌は(ごく僅かだが、忘暦まで生き延びた者がいる)、ロキエルは自分達に『楽しんで生き、望んで死んでゆけ』と伝えたと語っている。